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2015年5月27日
THEATER|日本最古の祝祷に現代芸術家と狂言師が挑む『神秘域 その弐』
THEATER|日本最古の祝祷に世界的現代芸術家と当代きっての狂言師が挑む
野村萬斎×杉本博司・三番叟公演『神秘域 その弐』
日本でもっとも古い祝祷(しゅくとう)芸能のひとつ『三番叟(さんばそう)』を、現代美術作家・杉本博司が再構築し、当代きっての狂言師・野村萬斎が舞うという『神秘域(かみひそみいき) その弐』。4月26日(金)14時からと19時から、渋谷区文化総合センター大和田で開催される。
Text by YANAKA Tomomi
NYグッゲンハイム美術館からの凱旋公演
起源は天照大神(あまてらすおおみかみ)の天岩戸(あまのいわと)伝説にまでさかのぼるという、日本でもっとも古い形式をとどめる『三番叟』。国際的に高い評価を受ける写真家であり、現代美術作家の杉本博司が空間を演出、幅広い活動で知られる野村萬斎が舞を踏み、神が降霊するさまをあらわしたという日本最古の伝統芸能を披露する。
この『神秘域(かみひそみいき) その弐』は、現代美術の象徴ともいえるニューヨークのグッゲンハイム美術館で、2月から5月にかけて開催される『Gutai: Spendid Playground』展の一環として、3月下旬に同美術館で公演。2008年に他界した抽象画家・白髪一雄による1957年の代表作『超現代三番叟』へのオマージュとして捧げられ、今回の日本公演はニューヨークの凱旋公演となる。
公演では、杉本の代表作のひとつである「放電場」をもちいて、雷を染め抜いた幔幕(まんまく)、そして彼の作品をあしらった装束など、幻想的な“杉本能舞台”が出現。『三番叟』を野村萬斎がときに静かに、ときに激しく、神霊の姿が見え隠れするように舞うという。
時代とジャンルを超えた伝統芸能と現代美術の競演。日本の伝統芸能のあらたな表現、限りない可能性を感じることができるはずだ。