戸田恵子 × 植木 豪|BGブランドの最新作ついに登場!
戸田恵子 × 植木 豪インタビュー
待ちに待った、BGブランドの最新作ついに登場! (1)
女優、歌手、そして声優と多彩な顔をもつ戸田恵子さんと、舞台で活躍するダンス世界チャンピオン、植木 豪さん。そんなふたりの予想外のセッションによって生まれたBGブランドに最新作が登場。その初お披露目となった大阪公演のことから最新作のこだわり、さらには次回作の構想まで、ふたりに聞いた。
Text by TOYODA Koji(OPENERS)Photographs by OHMORI Sunao(TABLEROCK)
BGブランド初のスパンコールアイテム
――今回のテーマは?
戸田 ずばりスパンコール! いつものように黒ベースに変わりはないのですが、そろそろスパンコールを使いたいねって、前々から話していて。それがついに実現しました。モチーフには2年ほど前にも登場した「BG0207」ロゴを採用、そこからはすべて豪くんにおまかせしました。
植木 ポップな感じというか、キラキラしすぎて、ゴリゴリにならないように。万人にフィットする華やかなデザイン、という姉さんからの要望もあったので、スパンコールを使っても、大阪のおばちゃんみたいにならないように気をつけました(笑)。
戸田 それ、大阪のおばちゃんに失礼だから(笑)! いつも自分たちのアイデアをもち寄って、ああでもない、こうでもないと延々話し合いを繰り返しながら方向性やデザインを決めるのですが、たしかそのときにそのワードが出たんだよね(笑)。
植木 スパンコールって使い方が難しいですからね。あんまりギンギラしすぎず、ほどよくかわいく光るように試行錯誤を重ねました。
戸田 BGブランドでスパンコールを使うのははじめてだしね。
植木 じつはよく見ると、スマイルマークの眼と口に黒のスパンコールが使われているんです。今回の最大のこだわりポイントはここ。最初はスパンコールを使わないで、Tシャツの地色をそのまま活かす方向で進めていたのですが、ものは試しにと、スパンコールありバージョンとなしバージョンの2種類のサンプルを作ってもらったんです。
戸田 あがってきたサンプルをふたりで見ていたら、なんだかありバージョンの方がかわいらしく見えて。こっちの方がいいねって豪くんに言ったんです。
植木 そう、殴り合いの協議の結果、僕が負けました(笑)。
戸田 ゴールドのスパンコールにもずいぶんこだわりました。ゴールドとひと口に言っても、実際には“ケバい”ゴールドから、渋みのある褐色のゴールドまでいろいろある。春だし、あまりクドくない光り方をするもの、涼やかな印象の色味を選びました。
植木 このときも何回か殴りあった(笑)! でも、デザインの最終案を見ていたら、なんだか愛着が湧いてきて。
戸田 だんだんね。これが自分たちらしいというか、オリジナリティがあるというか。大阪をはじめとした今回のライブツアーで先行販売しましたが、売れ行きもいいみたい。
植木 やっぱり大阪はとくに売れたみたいですよ(笑)。
前回のリベンジを果たした大阪ライブ
――大坂のライブはいかがでしたか?
戸田 大阪でライブするのは本当に久々でした! 前回は個人的に反省点の残るライブだったから、ワクワクする反面、緊張感をたっぷり携えて乗り込みました。しかも、私たちがこれまでやってきたライブハウスよりも大きい、1000人キャパの会場。お客さんが前2列までしか埋まってなかったらどうしよう? なんて、いらない心配ばかりしていました。
植木 前回の大阪ライブはあまりにも急すぎたんですよ。告知や番宣もしないで行ったというのもあるんじゃないですか。だから、もし今回本当に会場が全然埋まらなかったら、僕がステージから降りていって、叫び倒して会場を盛り上げますから心配しないでくださいって、元気づけたんです(笑)。
戸田 そう、よくわからない励ましをしてくれたんですよ(笑)、大丈夫だって。とはいえ、前回の経験も踏まえて、事前に関西ローカルのバラエティ番組に番宣しに行ったり、告知も各方面でしてもらい、万全の体勢で望みました。そしたら、まさかの超満員! 本当にびっくりでした。
植木 とにかくすごかった。お客さんパンパンで、拍手も会場が揺れるばかりの迫力なんですよ。もう、そんなの目の当たりにすると、“おお~”というくらいの言葉しか出てこない。大阪特有のノリのよさも新鮮で、心地よかったですね。こんなこと言うと角が立つかもしれないけど、前回の大阪ライブが嘘みたいでした。これがおなじ大阪!? みたいな。
戸田 たくさんの方に来ていただいて本当にうれしかったですし、やなせたかし先生の詩の朗読など、きちんと準備した大阪バージョンのセットリストもちゃんと盛り上がって、“大坂リベンジ”を無事果たすことができました。
植木 今回はとくに姉さんの“桜メドレー”がよかったですね。アップテンポな曲調かと思ったら、急にしっとりとしたピアノからはじまったり、舞台袖で聴いていたんですけど、目が覚めました。
戸田 寝てたんかい(笑)!
植木 いやいや、眼から鱗っていう意味ですよ(笑)。
戸田 またまた、いつも寝てるんだから(笑)。ちょうど春まっさかりの頃だったし、会場の周りにはたくさんの桜が咲いていたから、大阪バージョン“桜メドレー”は本当にピッタリだったと思うんです。大阪の会場は本当に広かったし、豪くんも心ゆくまで踊れたんじゃないかな?
植木 そのはずだったのですが、床が“地がすり”だったじゃないですか。
戸田 ……そうだった(笑)。
植木 “地がすり”って、床全面に布を敷いている状態を言うんですけど、まるでベッドメイクしていないベッドの上で踊っているような感じで、踊るたびにずるずると滑るんですよ。ダンスするにはもっとも不適切な床というか……。が、思いのほか100点満点のダンスを披露することができました。ひと昔前にもおなじような床で踊る機会があったんですけど、そのときはなにもできなかったんです。その苦い経験を今回のステージで払拭できたし、どんな場所でも踊れる自信がつきましたね。もう怖いものなしですよ!
戸田 お互いにトラウマをリベンジできたわけだ。私たちにとって、大阪はなんだか特別な場所ですね。
この秋のライブに向け、スペシャルTシャツを制作!
――大阪公演後はどちらをまわったんですか?
戸田 大阪のあとは、名古屋に行って、最後が東京。名古屋の会場は恒例の「名古屋ブルーノート」だったのですが、ひと晩のうちに70分/1ステージが2本! その合間に物販もしなくてはいけなかったりと、本当に大忙し。でも、いつもより時間が短い分、セットリストをタイトにまとめたりと、毎回新鮮な感覚でライブを楽しめています。
植木 僕も時間が短いってわかっているのに、つい長めに踊ってしまったりと楽しい時間を過ごせました。
戸田 そのあとは東京へ。豪くんはあいにく参加できなかったんだけど、俳優の山本耕史くんがゲスト出演してくれました。耕史くんとは2000年にミュージカル『オケピ!』で共演して以来の仲良しですが、私を“姉さん”と呼ばない理由について、「つねに女を意識している」と言ってくれています(笑)。鬼のようなスケジュールの合間を縫い、東京公演の2日間とも来てくれて、チューリップの『青春の影』をソロで、『スタンド・バイ・ミー』を一緒に歌ってくれました。耕史くんのギターがまたいいんですよね。耕史くんもすごく楽しんでくれたみたいで、もしかしたら次回耕史くんがライブをすることになったら、そこに私が参加するかも!?
サスペンスドラマの常識を覆した新曲
――新曲は披露されたんですか?
植木 『ブギウギ★ベイベ』『Dancin' on the Earth』の2曲を大坂で初披露しました。2度と出合えない空の色や雲のカタチを心に刻もう、という壮大なメッセージを詰め込んだ『Dancin' on the Earth』のように、大坂のお客さんとの一瞬、一瞬を共有することができたんじゃないかなと思います。
戸田 今回のライブで初披露した『OVER THE SEA』という新曲がそろそろテレビでオンエアされる予定です。私が主演する2時間ドラマ『船上パーサー氷室夏子・豪華フェリー殺人事件』のエンディングテーマで、豪くんに作詞・作曲してもらったんです。
植木 2時間ドラマのエンディングテーマって言うと、ちょっと寂しいというか、悲壮感漂うメロディを想像しがちですが、この曲はいい意味でキャッチーで、ポジティブ。海と姉さんというキーワードからパッと思い浮かんだメロディに、姉さんに歌ってほしい歌詞を載せています。
戸田 すごくポジティブで、すてきな歌。船上パーサーでも、CAでも、コックさんでも、誰もがみんな人生の荒波を前向きに乗り越えていこう、というメッセージを歌っているんですよ。
植木 ちょっと疲れたときにクルマをカッ飛ばして、海に行きたくなるような曲です!
戸田 でも曲調はどこまでもポップ。2時間ドラマ史上もっともイケてることはまちがいないでしょうね(笑)。『船上パーサー氷室夏子・豪華フェリー殺人事件』の第2弾目も録る予定ですが、次回もエンディングテーマをお願いしようかなと思っていて。『OVER THE SEA 2』みたいな。
植木 “2”って(笑)。おなじテーマで曲は2回もかけないですよ……。
今年の秋に5周年記念Tシャツ登場!?
――次回新作の構想とは?
戸田 今年の秋に55歳のアニバーサリーライブを予定していて、そのためのスペシャルTシャツを作ろうかなと。しかも今年はBGブランドの5周年という節目の年。それを記念する意味も込めて、BGブランドで一番最初に作った私の写真入りのTシャツのスペシャルバージョンを作らせてもらおうかなと思っています。写真もいわゆる笑顔とか、すましたキレイな顔のクリーンなイメージではなく、ちょいワル風味。
植木 くわえ煙草とか、ワーッて叫んでいる表情だったり、それこそクルマを運転しているときの姉さんのような(笑)。ちょっとワルな感じで、ロックテイストなポートレイトをプリントしたものになるはず。これからふたりで殴り合いながら(笑)、最終的な方向性を決めていこうと思います。
戸田 そう、殴り合いながら(笑)。最高のアニバサリーTシャツを豪くんと一緒に作るので楽しみにしていてください!
――ありがとうございました。