対談 沖野修也×松岡“matzz”高廣
Lounge
2015年8月12日

対談 沖野修也×松岡“matzz”高廣

The Beetle Presents Tokyo Crossover/Jazz Festival" 2011

クラブ・ジャズ&クロスオーバー・ミュージックの祭典

いよいよ12月16日開催!

対談 沖野修也×松岡“matzz”高廣

2003年から、国内外のクラブ・ジャズ/クロスオーバーミュージックの精鋭たちが集まり、あたらしい時代のジャズを模索しつづけてきたライブ/DJイベント「Tokyo Crossover/Jazz Festival」。2年ぶりの開催となる今回も、ジャズ、アフロ、ソウル、テクノなどなど、プロデューサーである沖野修也の感性を刺激する多彩なアーティストたちが集う。開催が刻々と迫るある日、その沖野修也と、メインフロアのライブセットで沖野と共演するquasimodeのパーカッショニスト・松岡“matzz”高廣が、出会い秘話からイベントにかける思い、そしてこれからを語り合った。



文=大久保 和則

写真=JAMANDFIX

「修也さん」と「マッツ」の意外な接点

沖野 じつは、マッツとの出会いにかんしては、まだ話してない秘話があるんだよ。



松岡 秘話なんてあるんですか?



沖野 もう覚えてないけど、マッツって、すごい昔にうちの事務所のスタッフ募集に応募してきてたんだよね。


松岡 覚えてないです(笑)。



沖野 quasimodeをはじめるずっと前だと思うけどね。



松岡 修也さんは、どうして覚えてるんですか?



沖野 覚えてるんじゃなくて、発覚したんだよね(笑)。うちの事務所は、応募してきてくれた履歴書は全部保管してるんだけど、引っ越しのときに見返してたら、マッツの履歴書が出てきて。それでスタッフに、「マッツ採用せんかったの、誰やー?」って(笑)。



松岡 (爆笑)。たぶんそのころって、僕が「The Room」にお客さんとして通っていたころですね。その後、きちんとご挨拶させていただいたのは、quasimodeがファーストアルバムを出したころだったと思います。



沖野 イギリスのDJのパトリック・フォージが気に入って、向こうのラジオでかけてるって聞いて。それからquasimodeを知ったんだよね。パトリックには、「日本人なのに、日本人のバンドを知らないのか?」って言われたけど(笑)。



松岡 quasimodeのプロデューサーが、たまたまリリース前の音源をパトリック・フォージにわたしてたんですよね。



沖野 quasimodeの印象は、インテリジェンスがあって、リリカルで端正というかスマートな感じがした。もちろん若さや熱さもあるんだけど、SOIL & PIMP SESSIONSや僕がプロデュースしたSLEEP WAKERなどがもってる、ある種のハチャメチャさとはまたちがう質の熱さが、あたらしかった。



松岡 そう言っていただくと、素直にうれしいです。僕は、さっきも言いましたけど、もともとはお客さんとして「The Room」に来ていた人間で、そのころから沖野さんがすでにシーンの頂点だったし、憧れの存在でしたからね。



──松岡さんは、沖野さんのどんな部分に憧れていたんですか?



松岡 僕は、いわゆるミュージシャンが演奏する生音のジャズとクラブ・ジャズにはまりはじめたのが同時期だったんです。でも、当時の生音のジャズって、座ったまま聴いて、曲が終わったら拍手してっていう感じで、全然かっこよくなくて(苦笑)。僕が影響を受けた60~70年代のジャズって、お洒落した黒人がかっこよく踊ってるスタイリッシュなイメージだったのに。そんなときに、沖野さんの存在を知って、見た目も音楽も本来のジャズをやっているのはこのひとだなって。


沖野 もちろん音ありきなんだけど、自分もジャケットのグラフィックデザインもふくめてジャズが好きになった。トータルアートというか。でも当時の俺はどんなイメージだったの?



松岡 やっぱり……怖いイメージがありましたね(笑)。



沖野 それはイメージ戦略やねん(笑)。



松岡 でも話してみたらすごく気さくな人で。時代を築いたと思うしもっと偉そうにしたほうがいいんじゃないですか?



沖野 そうしたほうがいいって言われることもあるんだけど、そもそも権力者とか嫌いなんだよね(笑)。偉そうにするぐらいだったら、若い子にタメ口きかれるほうがいい。実際こないだも、ハタチぐらいの男の子にタメ口で話しかけられたし(笑)。



松岡 なんて話しかけられたんですか?



沖野 「いやー、君のDJよかったよ。名前なんつーの?」「沖野です」「覚えとくよ」って(笑)。



松岡 超タメ口(笑)。



沖野 スタッフのあいだには緊張感が走ったけど、その彼は僕が同世代だと思ってるわけだから。クラブは暗いから、年齢とかよくわからないし(笑)。でも、それってじつはクラブの本質だと思うんだよね。年齢も性別も、人種もキャリアも関係ない。共通項は、「ただの音楽好き」っていうことだけ。俺がハタチのときに行って衝撃を受けたロンドンのクラブは、本当にそういう雰囲気だったから。


The Beetle Presents Tokyo Crossover/Jazz Festival" 2011

クラブ・ジャズ&クロスオーバー・ミュージックの祭典

いよいよ12月16日開催!

対談 沖野修也×松岡“matzz”高廣
クラブ・ジャズの最強メンバーを集めた“沖野JAPAN”



──2年ぶりの開催となる「Tokyo Crossover/Jazz Festival 2011」で、松岡さんに出演をオファーした決め手を教えてください。



沖野 僕は、冗談で自分のバンドのことを「沖野JAPAN」って呼んでるんだけど(笑)、そのときに一番輝いてるプレイヤーをバンドに招集したいんですよ。で、あるとき、「The Room」のセッションで彼のプレイを観たら、すごいな、充実してるなって感じて。それで、ぜひ出てほしいって。



松岡 僕は、ずっと出たいって言ってたんですけどね(笑)。だから、めっちゃうれしいですよ。「やっと来たか!」って感じで、ここまでがんばってきた甲斐があったなって。




沖野 現時点のクラブ・ジャズの最強メンバー、クラブ・ジャズ・オールスターズを集めたつもりだからね。今の日本には、毎週末に世界から一流DJが来てプレイしていて、それは日本のお客さんがそういう音楽を楽しむ力があるってことだし、純粋にいいことだと思うんだけど、日本から海外に行ける才能もたくさんある。「Tokyo Crossover/Jazz Festival」でずっとコンセプトにしてるのは、世界基準ということ。僕の目線はつねにそこにあるし、「Tokyo Crossover/Jazz Festival」は、そのまま海外にもっていっても通用するコンテンツだと思ってる。



松岡 「Tokyo Crossover/Jazz Festival」は、一緒にやるミュージシャンから作品として、表現として最高の音楽を創りたいという意志が伝わってくるから楽しいし、それが逆にプレッシャーでもあるんです。



沖野 でも、それをオーディエンスも求めてるんじゃない? 有名で、わかりやすい音楽がいいっていうひとももちろん多いし、それはそれでいいと思うけど、僕は今回のメンツで最高の演奏だけを求めてるからね。むしろ、そこしか求めてない。そうじゃなかったら僕じゃないし、「Tokyo Crossover/Jazz Festival」じゃなくなるとおもう。



松岡 出る以上は、できるかぎりの力でがんばりたいですね。


沖野 さっき、「世界基準」がコンセプトだって話をしたけど、じつは今回の「Tokyo Crossover/Jazz Festival 2011」は、「クロスオーバー・ミュージック/クラブ・ジャズの再定義」がもうひとつのコンセプト。僕は、クラブ・ジャズ=踊れるジャズと、ジャズの影響を受けたダンス・ミュージックの総称、っていう定義をしてるんだけど、もっと他ジャンルの音楽を取り込むことによって、その定義を拡張させたいんですよ。だからこそ、デトロイトテクノのボーカリストであるポール・ランドルフのようなアーティストを呼んで、一緒にライブをする。「ここまでクラブ・ジャズって呼んでいいんだ」ってなるといいよね。



松岡 ジャズは、時代とともに変化していくものだし、つねに進化してると僕も思ってます。個人的には、いまのジャズシーンのなかで一番かっこいいイベントだと思ってるんで、とにかく全力投球ですね。



沖野 いまって、「クラブってちょっと……」っていうひとも多いけど、今回のフェスには、現在進行形でクラブに足を運んでいるひとはもちろん、かつて来ていたおとなたちにも来てほしいなって考えてて。今、ブルガリのラウンジでイベントをしてるんだけど、みんなよく飲むし、喋るし、踊るし、要は今のおとなはちゃんと遊び方を知っているんだよね。



松岡 僕は、まずは自分のライブに集中して、来年以降もずっと「沖野JAPAN」に招集されるように(笑)。



沖野 僕も、まさかの監督解任なんてことにならないようにしないとね(笑)。「Tokyo Crossover/Jazz Festival」は、フェスっていってもまだまだ規模が小さいけど、やっぱり大きくしていきたい。ただし、質には絶対にこだわりたい。音楽はもちろん、会場の選択にもこだわって、音楽とファッション、建築などがひとつになったトータルアートが感じられるフェスになっていければ。



──では、最後に読者に向けてメッセージをお願いします。



松岡 来年は、quasimode結成10周年になるので、いろいろとおもしろいことを考えています。楽しみにしていてほしいですね。




沖野 「Tokyo Crossover/Jazz Festival」がスタートして8年になりますけど、まだまだ伸びしろがあるイベントなんで、今年も、そして来年以降もぜひ期待してほしいです。それに、来年は「The Room」の20周年もあるんで、みんながあっと驚くような企画も考えてます。こちらにも注目してほしいですね。




沖野修也|OKINO Shuya(kyoto Jazz Massive)

DJ/クリエイティブ・ディレクター。「Tokyo Crossover/Jazz Festival」発起人。これまで世界30カ国/120都市に招聘され、CNNやビルボードなどでも取り上げられている。渋谷のクラブ「The Room」のプロデューサーでもある。最新作は、ソロ名義のアルバム『DESTINY』。



MATSUOKA "matzz" Takahiro|松岡“matzz”高廣

quasimodeのパーカッショニストとしての活動を中心に、多くのアーティストの作品へのゲスト参加、DJ活動、さらにはアパレルブランド「montyacc」の代表など、多岐にわたった活動を精力的につづけている。quasimodeとしての最新作は、5枚目のフルアルバム『Magic Ensemble』。

 

"The Beetle Presents Tokyo Crossover/Jazz Festival 2011" 開催!!

世界基準にこだわる国内唯一のクラブ・ジャズ&クロスオーバー・ミュージックの祭典、

"Tokyo Crossover/Jazz Festival"8度目の開催決定!

デトロイト・テクノ、ディープ・ハウス、ヒップ・ホップ、レア・グルーヴまでをも巻き込んで進化しつづけるTCJF。

大人のための都市型音楽フェスティバルが、恵比寿ガーデン・ホールに進出&新展開!!

2011.12.16日(Fri)@The Garden Hall / 恵比寿

Open/Start: 18:00

Close 24:00

Adv:スタンディング 4,500 yen / 指定席付チケット(限定120席) 5,500 yen

Door:5,000 yen

会場を恵比寿ザ・ガーデン・ホールに移してTCJFがリニューアル。

アクセス良好。限定着席スペース有り。午前零時終演。

ラグジュアリーな空間で、良質な音楽をお楽しみ下さい。

LIVE:

Paul Randolph [USA]、

沖野修也 (Kyoto Jazz Massive) feat. Navasha Daya (Fertile Ground) [USA], Diviniti[USA], 元晴(SOIL&"PIMP"SESSIONS), 松岡“matzz”高廣 (quasimode), 池田憲一 (ROOT SOUL) 、

DJ:

Ezel [Dominican Republic], MURO,沖野好洋 (Kyoto Jazz Massive), 黒田大介, 社長 (SOIL&"PIMP"SESSIONS) ,

DJ KAWASAKI,DJ 33 Queen&Yukari BB, Tsuyoshi Sato (BLACK EDITION) ,CHAMP and more

詳細は、
www.tokyocrossoverjazzfestival.jp

世界のクロスオーバー/クラブ・ジャズ・シーンを牽引するここ東京で、日本を代表するDJ、沖野修也(KYOTO JAZZ MASSIVE)によるニュー・コンピレーションが登場。

ソウル/ジャズ/ファンク/テクノ/ブギー/ハウスといったさまざまな音楽をブレンドし、
ダンス・ミュージック/リスニング・ミュージック/ドライブ・ミュージックのボーダーをも超越する極上のクロスオーバー・サウンドが勢揃い!全曲初CD化!

沖野修也、DJ KAWASAKI、更にはKYOTO JAZZ MASSIVEやSLEEP WALKERの未発表音源収録!!

収録曲等詳細、沖野修也による全曲楽曲解説はこちら

http://www.extra-freedom.co.jp/release/tokyo_crossover_night/

こちらより全曲試聴動画がみられます。

http://youtu.be/k1pvAKCmKaA

2011.11.30 Release

VIA-0096 (Village Again)

Special price 1,890(tax in)

iTunes ダンスアルバム・チャート1位!

総合アルバム・チャート3位を獲得!!

ラグジュアリーなダンス・ミュージックの最高傑作!

4年ぶりの沖野修也(KYOTO JAZZ MASSIVE)ソロ・アルバム第2弾!!

『DESTINY』Shuya Okino of Kyoto Jazz Massive

2011.07.13(Wed) Release

VIA-0088(Village Again)


世界でもっとも美麗なサウンド・アルバムが完成

“JAZZ meets BOOGIE”をテーマに、カバーとオリジナルを半数づつ収録。

DJの選曲能力を証明するだけでなく、作曲家としても偉人たちに挑んだ意欲作!!

クラブ・ジャズ/クロスオーバー・シーンの歴史的名盤が誕生!


沖野修也オフィシャル・ブログ

http://ameblo.jp/shuya-okino/

☆リリース前1カ月間、カウントダウン・ブログ掲載!

iTunes

☆こちらから全曲試聴できます。


<リリース・ツアー決定!>

日程、詳細はオフィシャルHPへ

http://www.extra-freedom.co.jp/artists/shuya_okino/

 

動画配信サイト、USTREAMにて

The Room TV放映中!


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