連載・塚田有一│みどりの触知学 第13回 「リムグリーン」リスタート
リムグリーン的東方学「その1 七夕」開催
第13回 「リムグリーン」リスタート
2011年真夏──2007年に活動を開始した「リムグリーン」が神保町に移転しました。そのお披露目をかねて、あたらしいスタイリングのリムグリーンのプロダクトと、新作としてリムグリーン的鉢カバーのほか、Tシャツ3タイプを発表します。
文・写真=塚田有一(有限会社 温室 代表)
「リムグリーン」のあらたな旅がはじまります
拠点となる『東方學會』は、大正時代に学校として建てられたもの。懐かしい匂いでいっぱいです。名前のとおり、アジア研究の由緒ある財団が運営をし、多くの研究者、研究論文が出入りしています。入居者は出版関係がもっとも多く、ほかにも音楽関係や、日中交流の団体などなど。
この界隈は、神田明神をはじめ、湯島聖堂やニコライ堂、大学も多く、また、たくさんのご飯屋さん、いろいろな本屋さん、楽器屋さんなどがある賑々しくも情緒と浪漫溢れる街。“東”とは、日の出の場所でもあり、みずみずしい緑があたらしく生まれ、すくすくと育つ場所なのです。
リムグリーン的東方学「その1 七夕」開催
『東方學會』に拠点を構え、このようにユニークな場所で、いままでどおりグリーンのプロダクトを販売しているだけではもったいない。自分たちなりの表現をもっと推し進め、自分たちなりの「東方學」をやってみようではないかという話になりました。
それも植物や自然と人びとのかかわりを鍵に、東と西、過去と未来、hereとthereを結びつけてみようと思っています。
最初はリムグリーンデザイナーの塚田有一が「リムグリーン的東方學その1」として「七夕」の話をします。旧暦ですと、今年は8月6日の夜が七夕。「七夕」にはシルクロードも、ジャックと豆の木も、ひさごも、里芋だって隠れている。笹に結ぶ飾りも意味を知りながらつくってみましょう。
あの震災のあと、お節供や祭とは一体何なのか、自然に抱かれて暮らすこの国の暮らし方とはなんなのか、問う意味は大きいと思えます。