クリエイティブディレクターのケビン・ケリガンにインタビュー|Calvin Klein platinum
FASHION / WOMEN
2016年2月15日

クリエイティブディレクターのケビン・ケリガンにインタビュー|Calvin Klein platinum

Calvin Klein platinum|カルバン・クライン プラティナム

「カルバン・クライン プラティナム」とアーティスト今井俊介のコラボが実現

クリエイティブディレクターのケビン・ケリガンにインタビュー

モダン、クリーン、セクシーをテーマに掲げる「カルバン・クライン プラティナム」が、大胆なアートワークで話題のアーティスト今井俊介とコラボレーションした日本限定のカプセルコレクションを発表。その経緯や内容をグローバル・クリエイティブディレクターのケビン・ケリガン氏に聞いた。

Photographs by TANAKA TsutomuText by YOSHIOKA Mina

東京のパワフルなストリートファッションに着目

――アーティスト今井俊介さんとのコラボレーションで誕生した今季のカプセルコレクション。今までにないグラフィカルなテキスタイルは、ブランドの新しい魅力を引き出したと言われています。コラボレーションに至った経緯を教えてください。

シンプルなイメージが強いカルバン・クラインですが、今回はポップなデザインにしようとリサーチをしていたところ、日本人アーティスト今井俊介さんの作品に出会いました。彼はキャンバスに描く2Dの手法で時間をかけて几帳面に作品を作る方なのですが、新しい展覧会ではプリントを施したポリエステルの布を無造作に置いた「無題」という作品があったのです。そのパワフルな存在感や生地の美しいドレープを見て、彼の描くプリントをスウェット素材にのせるという発想が生まれました。

Calvin Klein platinum|カルバン・クライン プラティナム327_02

クリエイティブディレクター ケビン・ケリガン氏

そして早速、日本人スタッフ経由で今井さんに「コラボレーションに興味はありますか?」とコンタクトを取りました。アーティストによってはファッションには興味がないという人もいるのですが、今井さんは生地にプリントされた作品を発表されたので、もしかしたら可能かもしれないと探ったわけです。

――アーティストとのコラボは、ブランドにとっても初の試みだとか。

カルバン・クラインにとっても、私にとっても、アーティストとコラボレーションすることが初めてなのでとてもワクワクしています。ファッションとアートは昔から近い関係にありました。例えば、イヴ・サンローランとモントリオーネとか、エルザ・スキャパレリとダリとか。ファッションとアートのつながりは今も親密ですし、クリエイティブのプロセスは同じなのです。

今回、今井さんのような若いアーティストとコラボレーションができたことは私たちにとって大きな進化。カルバン・クラインは歴史のあるメガなブランドですが、同時に若いアーティストの露出を高めることにも取り組んでいます。1ヶ月前はジャスティン・ビーバーと仕事をしましたし(笑)。アーティストとのコラボはカルバン・クラインにとっても非常に重要です。これからも、ミュージシャンやモデルや写真家など、著名人から新進気鋭なアーティストまで、新しいジェネレーションにもオープンであることがカルバン・クラインの使命だと考えています。

Calvin Klein platinum|カルバン・クライン プラティナム327_02

――ケリガンさんと今井さんの共通点はありますか? どういう所に共感したのですか?

平面的な2Dの作品の中で3Dを表現する。彼の作品は、平面の中に「動き」があるのがいいなと思いました。私がデザイナーとして好きなプロセスが、2次元から3次元になるということ。それは、シンプルでありながらとてもパワフルなストーリーを持つものです。そして通常、今井さんは静的な2Dに取り組んでいて、私はファッションという3Dなものを作っている。そんな2人が共に動き出したというのが面白い。

――そうして誕生したカプセルコレクション。その見所を教えてください。

今回のコレクションは、とてもグラフィックで大胆。そして、ストリートファッションを代表するもの。それは、まさに今井さんの作品を反映したものです。彼の作品を見て私は、「東京」を表していると感じました。彼はいつも刺激的な東京を表現するかのような鮮やかな色を使いますが、今回は「ライトのない東京」をテーマにオファーし、ブランドのシグニチャーカラーであるグレーで仕上がりました。また、東京に住んでいる今井さんは毎日東京を見て影響を受けていると思うのですが、私も東京という都市にとても興味があり、そのストリート感を上手く表現できたことを嬉しく思っています。

Calvin Klein platinum|カルバン・クライン プラティナム327_02

Calvin Klein platinum|カルバン・クライン プラティナム327_02

Calvin Klein platinum|カルバン・クライン プラティナム327_02

日本が世界に発信するストリートファッションの影響はものすごい。パリにいるハイファッションのデザイナーにも多大な影響を与えています。今回の来日でも、渋谷、銀座、原宿、表参道などにあるたくさんのギャラリーを回ったのですが、皆さんストリートファッションの着こなしが素晴らしかった。とくに若い世代のカジュアルなストリートファッションは独創的でした。このカプセルコレクションで発表したスウェットシャツやスウェットパンツは、そんな東京のストリートファッションの影響を色濃く受けたものです。

――どんなふうに、日本人に着こなして欲しいですか?

自分ならではの着こなしを楽しんで欲しいと思っています。ファッションの素晴らしいところは、個々の表現ができること。カルバン・クラインの成功はSNSでの「#mycalvinklein」に表されているように、自分のスタイルで着られることです。私たちは、それを提供していると思っているので、皆さんも自分の好きなように着こなしてください。そして、その着こなし方を教えてください。どんな解釈も、私にとっては興味深いこと。たとえばスウェットシャツを着て、クラブで踊っている写真やエクササイズしている写真など、ぜひ送って欲しいですね(笑)。

Calvin Klein platinum|カルバン・クライン プラティナム327_02

Kevin Carrigan|ケビン・ケリガン
グローバル クリエイティブ・ディレクター

イギリス出身。ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインでファッションデザイン修士号を、レイベンズボーン・カレッジ・オブ・デザイン・アンド・コミュニケーションで文学士号を取得。1998年にブリッジアパレルラインのウィメンズのデザイン・ディレクターとしてカルバン・クライン社に入社。現在、「カルバン・クライン プラティナム」、「カルバン・クライン ホワイト・レーベル」「カルバン・クライン ジーンズ」ならびに「カルバン・クライン アンダーウェア」ブランドのクリエイティブ・ディレクターとして、メンズ・ウィメンズ スポーツウェアビジネスにおけるグローバルデザインの方向性を決定するという職務を担う。また、ジーンズ、コート、ドレス、ソックス・ストッキング、ハンカチ、ネクタイなどをふくむライセンス製品カテゴリーのデザインについても監督している。

問い合わせ先

CK サービス・コーポレーション

Tel. 03-6418-5875

http://info.calvinklein.com/

           
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