O|セレクトショップ発の新ブランド「MIN」デビュー
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現代に最適化したデニムパンツとは何か?
“リアクティブデニム”からはじまる新ブランド「MIN」デビュー
新鋭のドメスティックブランドを取り扱うセレクトショップ「O(オー)」代官山のディレクター、吉田 拓氏が手がける新ブランド「MIN(マイン)」がデビュー。あえてコレクション形式での展開をおこなわず、一点一点のアイテムに注力したブランドコンセプトから、これまでにないデニムスラックスパンツが誕生した。
Text by KAJII Makoto (OPENERS)
時代が求めるパンツのひとつの答えとは?
「MIN(マイン)」のファーストアイテムは、吉田 拓氏ディレクションのもと、ブランド「NEON SIGN(ネオン サイン)」デザイナーの林 飛鳥氏との共作で製作された、革新的なトラウザーアイテムだ。デニムのもつ堅牢製、スラックスのもつ品性、イージーパンツとしての簡易性をハイブリッドさせた、10オンスのリアクティブデニムを使用した、スリムテーパードデニムスラックスだ。
吉田氏は、新ブランドと第一弾のパンツについて、「飽食なこの時代に衣服というアプローチから、職人的というか1点1点の商品に注力したブランドを求めた結果、MIN(マイン)を設立するに至りました。
本来、デニムパンツはゴールドラッシュ時代の開拓者のワークウェアからはじまったものです。その後、カウボーイウェア、ミリタリーウェアを通してカジュアルウェアとして現在の形になりました。
古着を含めた過去の事象には尊敬の念をもちながら、現代に最適化したデニムパンツとは何か?という考えを巡らせ、色落ちのある天然染めは用いず、色落ちがなく堅牢性の高いリアクティブデニムを採用しました」と語る。
「あらゆるパンツのなかで、一番シルエットが美しく、上品な佇まいなのがスラックスです。しかし、本来のスラックス生地では堅牢性がやや低いのです。経年によるセンタープレス落ちによるシルエットの崩れを解消するためにセンターシームを用いることで、従来のサイドシームの必要性がなくなります。
また、立体裁断でシルエットを整えることで、ダーツを使用したフロントポケットなど、着用する機会に応じ、ベルトの有無を選択できるよう、腰回りにドローコードを採用しています。このように、マテリアル、ファクター、ディテールなどの足し算と引き算を繰り返した結果、今回のデニムスラックスというパンツのデザインに自分なりのひとつの答えが出たとおもっています。
今後はパンツのみならず、時代のなかにある歴史、歴史のなかにある文化、文化のなかにある衣類という目線で、自分なりに、過去の衣類のデザインを現代へ物質的にアップデートするのはもちろんのこと、グラフィックやパターンといった観念的なデザインのアウトプットも考えています」
素材やディテールにたいして高いクオリティを求めて制作される“一点物感覚”のマインでは、今後、シャツ、ニット、コートの展開も予定されている。
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