POGGY’S FILTER|vol.10 江川“YOPPI”芳文さん、AKEEM THE DREAMさん(後編)
FASHION / MEN
2019年11月5日

POGGY’S FILTER|vol.10 江川“YOPPI”芳文さん、AKEEM THE DREAMさん(後編)

グラフィティとスケートボードはDIYアートの最先端

POGGY ずっとお伺いしたかったんですが、スタッシュがKAWS(カウズ)を連れてきたっていうのは本当なんですか?

YOPPI そうですね。俺もスタッシュがきっかけで、フューチュラの家でカウズを紹介されました。

AKEEM カウズは当時、ニュージャージーの若いグラフィティキッズみたいな感じでした。でも、すごく上手くて。たしか、アニメーションの仕事もしてたのかな? スタッシュはグラフィティの友達も多いから、そういう若い子たちをフックアップしていましたね。自由の女神を描いたTシャツがあるんですけど、多分、それがサブウェアから発表されたカウズの最初のTシャツだったと思います。その後「カウズってFame Cityのメンバーなんだ」とか知るようになって。他にもアーティスト・シリーズでいろいろ出してましたよね。

YOPPI ESPO(エスポ)も出てるし、REAS(リース、Todd James)もそうだし。そういうところはスタッシュは早かった。

POGGY フューチュラが感性の人で、スタッシュがビジネス面と言いますか、そういう人たちをまとめて紹介してたような感じもあったんですかね?

AKEEM そうだと思います。
POGGY そのTシャツの後に、カウズと一緒にヘクティクでオモチャとか時計を作ったんですか?

YOPPI フューチュラの家でカウズと初めて会った時に意気投合して、一緒に何かやろうよっていう話になって。それで「バレンタインデーに向けて、女の子にモテるようなアイテムを作ろう」って、ハート型のクッションを作ったんですよ。それをきっかけに、一緒に時計作ったり、カンパニオンのフィギアとかミッフィーのぬいぐるみとかを作ったんですよね。

POGGY その後にア・ベイシング・エイプとかUNDERCOVER(アンダーカバー)とカウズが繋がっていく感じなのでしょうか?

YOPPI そうなりますね。

AKEEM 最初はカウズのグラフィティの部分をヘクティクが色濃くプレゼンしていて。店の壁にレタリングで「KAWS」って描いてもらったり、グラフィティにウェイトを置いたものが多かったんですよ。でもカウズはグラフィティ以外にもキャラクターデザインやアニメーション的な技術など大きなポテンシャルを持っていたので、様々なブランドと色々なスタイルでプロダクトを作成していったんだと思います。


POGGY グラフィティ・ライターがプロダクトを通してアートを伝えるっていうのも、グラフィティの視点があったから出来たこともあったと思います。それと同じように、スケーターはスケートの板っていうキャンバスを使って、そこで若いアーティストをフックアップしていて。ストリートアートに対しても寛容だし、今のアートの広がりもスケーターがいたから、ここまでなっていったんじゃないかなって勝手に思っているんですけど、いかがでしょうか?

AKEEM 少なからずというか、絶対に影響はありそうですよね。

POGGY Tシャツもそうだと思うんですけど、広告のためにわざとグラフィックを入れたりというのもスケーターの発想ですよね。
YOPPI スケーターの面白いところって、ステッカーの貼り方ですね。板が壊れると常にステッカーワークをしていて、それが自然とコラージュアート的な感じになっていく。

AKEEM 板の上に絵を描いたりとか、自分でカスタマイズするわけですよ。そういう部分がグラフィティとも繋がっているかもしれないですね。

YOPPI その極みが、Mark Gonzales(マーク・ゴンザレス)じゃないですかね? 頂点にいるのがニール・ブレンダー(Neil Blender)だと思うんですけど、マーク・ゴンザレスは落書きっぽい感じなので、よりグラフィティに近いかなと思います。

AKEEM グラフィティの頂点にいるのがフューチュラですよね。プロダクトを作る時のセンスもすごいし、作品っていう部分でもそうだし。自分のイメージの見せ方が格好良い。

YOPPI メジャー的な落とし所が一番上手いのがカウズですかね。

AKEEM でも、カウズのお手本というか、ゴッドファーザーはフューチュラだと思う。

YOPPI そうだね。フューチュラを語る上で、スタッシュの存在は外せないですね。

AKEEM フューチュラも今はプロダクトを作る人がいっぱいいるから、逆にギャラリーのほうに進んでるかもしれないですけど。これがひと段落したら、またプロダクトを作りたいってなるのが、フューチュラなりのタイムラインなのかなと思います。次はFUTURA LABORATORIES(フューチュラ・ラボラトリーズ)をやるとか言ってるんで、それもまた素敵なタイミングだなって。

POGGY このネックストラップとかも、最近、フューチュラが会った人に手渡しであげていました。パリとかだとブルーだったり、毎回、色が違っているのも面白いなって。
AKEEM 昔、トレードショウとかで、「俺のブランドを見に来てよ」みたいに配っていたアレですよね(笑)。

YOPPI でも、もらうと嬉しいんですよね。

AKEEM フューチュラ・ラボラトリーズのプロダクトをインスタでちょろちょろ見せているんですけど、あれも結構、面白いですもんね。セイフティーベストを使ったやつだったり。最近よく使われてるワークウェアのモチーフでも、フューチュラがやると何かまた違う。

YOPPI 普遍的に感じるんですよね。

POGGY 最後に、お二人が今やっていることに関して、やっぱりスケーター出身っていうのは大きいですか?

YOPPI そうですね。それしかない。

POGGY 普通は何も考えずに歩いている道でも、スケーターの視点だと「あそこでトリックしたら面白いんじゃないか?」とか、歩いていても常に考えてるのを毎日やっているから、それが習慣になってるのでしょうか? 次に何が来るかを予想しながら進んでいるというか。

YOPPI それは小木さんも一緒じゃないですかね? 展示会行ったりして、次にどういう洋服が来る?とか考えてるでしょうし、オンオフがあんまりないというか。

AKEEM 確かに。
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