中田英寿のジョンロブ“ビスポーク”がついに完成(2)|JOHN LOBB
FASHION / MEN
2015年6月8日

中田英寿のジョンロブ“ビスポーク”がついに完成(2)|JOHN LOBB

JOHN LOBB|ジョンロブ

中田英寿のジョンロブ“ビスポーク”がついに完成(2)

「BESPOKE」という意味が理解できたモノづくりの原点

“生涯つきあえる一生もののローファー”を求めて、東京・パリ・京都・東京を巡ってきた中田英寿さんとジョンロブの旅。ファイナルは、「ジョンロブ丸の内店」での最終フィッティングと納品だ。自分のためのローファーが完成して中田さんが、今回の“旅”を総括する。

中田英寿のジョンロブ“ビスポーク”がついに完成(1)

Photographs by JAMANDFIXText by KAJII Makoto (OPENERS)

ビスポークのすごさに驚きました

「ビスポークの最初のフィッティングのときに、松田さん(松田智沖ジョンロブジャパン社長)が、『職人との話し合いのなかから自分にとってのベストな靴をつくっていくので、BE SPOKE(N)(ビスポーク)というのです』という話を聞いたのを、自分のローファーができあがってみていまさらながら思い出しました」と中田さん。

「それは、ものづくりの基本であり、同時に最高級である」とつづけて、「ジョンロブは既製品でもかなり高いレベルになるのに、このビスポークを履いてみると全然違います。いつもの靴選びでは、どうしても左足の隆起している骨の部分にストレスを感じるのに、この履き心地は身体の一部のよう。ビスポークのすごさに驚きました」

ジョンロブ|中田英寿

ジョンロブ|中田英寿

最良のものをつくるために不可欠な会話

今回の中田さんのビスポーク連載では、パリのジョンロブのビスポークアトリエで、マスターラストメーカーのフランソワ・マドニーニ氏の仕事に間近で触れて、京都では老舗履きもの匠「祇園ない藤」5代目の内藤誠治さんにフランソワを引き合わせるなど、中田さんの橋渡しによるフランスと日本の職人の出会いも実現した。

「パリでも京都でも、ものづくりの現場に入って、その工程を見ていくと、製品に対する思いと、仕事への誇り、さらに人間の考え方が一体となってブランドが構築されていくのを肌で感じました。パリに行って、ジョンロブの歴史やこだわり、素材やつくりへの探求などを知り、最終的に価値あるものができあがってくることが理解できましたね」と中田さん。

「ビスポークというとおり、フランソワと話をしながら好みを伝えていきましたが、日本でもフランスでも、ものづくりの現場で話をして関係を構築しないと、理想的なモノは完成しないことを痛感しました」

ジョンロブ|中田英寿

ジョンロブ|中田英寿

日仏の履きもの文化の交流の架け橋になろう

現役を引退して、世界約90カ国、150以上の都市を3年間かけて巡ったあと、自分の旅を“Revalue Nippon”(http://nakata.net/rnp/)と称して、2009年春から日本の47都道府県をめぐる旅をスタートし、現在では日本2周目に突入している中田さん。

「僕のこの旅は、日本の紹介というより、海外のひととの繋がりや文化交流、意見の交換に重きを置いて、“お互いがいいモノづくりをしよう”、“お互いを発見しよう”というもの。今回もフランソワと内藤さんの間に自分が仲介して、履きもの文化の交流という意味があったとおもっています」。

日本には世界に誇れる技術や文化があり、同様に世界には素晴らしい技術や伝統がある―― 今回のジョンロブのビスポークの旅を終えて、「今度は靴の革を探しにいく旅とかしてみたいですね」と笑う中田さん。

「世界的に職人が減っていくということは、材料をまかなうひとも減少しているということで、ジョンロブが使っている素材を調達してくるひとを追い求めることで、そのモノづくりの原点がより深く理解できるのではないでしょうか」と語る。

今回の経験を踏まえて、さらに素材を勉強したいと語る目には、国という垣根を越えて、それぞれの文化をリスペクトしながら、多くのひとにモノ作りのすばらしさを伝えたいという熱意が込められていた。

中田英寿のジョンロブ“ビスポーク”がついに完成(3)へつづく

ジョンロブ「ビスポーク」
価格|105万8000円~
※同一ラストでの2足目以降は95万5800円
期間|メジャーメントから約4カ月でトライオン(仮縫い)、さらに約4カ月後に納品

ジョン ロブ ジャパン
Tel. 03-6267-6010
http://www.johnlobb.com/jp

           
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