青年“フロイト”の心の移り変わりを表現したファブリックバイカズイのコレクション|PHABLIC×KAZUI
FASHION / MEN
2015年2月10日

青年“フロイト”の心の移り変わりを表現したファブリックバイカズイのコレクション|PHABLIC×KAZUI

TOKYOメンズブランド特集|PHABLIC×KAZUI
「ファブリックバイカズイ」2015年春夏コレクション

青年“フロイト”の心の移り変わりを表現

毎シーズン、「物語のある衣」をテーマにひとりの主人公を立てたコレクションを展開しているブランド「PHABLIC×KAZUI(ファブリックバイカズイ)」。デザイナーの瀧澤日以(たきざわかい)氏は、「今シーズンは前シーズンから引きつづき、青年“フロイト”を主人公にしたコレクションを展開しています」と語る。

Text by KAJII Makoto (OPENERS)

今シーズンのテーマは、「『tomorrow-today-yesterday』 -Case of Freud-」

──2015年春夏コレクションのテーマ/コンセプトは?

今シーズンは、2014-15年秋冬シーズンより引きつづき、青年“フロイト”の物語から着想を得たコレクションとしています。悩みを抱えていた青年が、学び舎に自分のあたらしい居場所を見つけ、学業やあたらしい生活のなかで自分の進む道を見つけていく、誰もが通ってきたことがある青年期の葛藤を、彼が見つけたあたらしい「Life」に焦点を合わせ、ウェアコレクションとして展開しています。

──今シーズンのルック撮影でこだわったポイントと、注目してほしいところは?

先シーズン(2014-15年秋冬)は、自分の将来に思い悩むフロイトを感じさせるため、夜の室内をメインに「引きこもり」をテーマにコレクションルックを撮影しました。今シーズンはそこから一歩先に進んだ彼をテーマに、少しずつ外向きに向かう心情を表現するために、暖かい陽のあたる窓辺と海を見渡せる開放感のあるロケーションで撮影をしています。自然光のなかで佇む彼の姿に「青年期の心の変化」を少しでも感じていただけたら幸いです。

──スタイリング、シルエット、カラーなど、昨年の春夏コレクションとのちがいは?

昨年の春夏シーズンは、ショーツスタイルやレインコートなど活発なアウトドアカジュアルと、室内着としても活躍するウェアをミックスした提案でしたが、今シーズンはクラシックなカジュアルウェアと研究者が着るような白衣やジャケットを中心とした上品なワークウェアをミックスした提案となっています。素材感や仕立ては昨年同様、綿麻を中心とした天然素材を多く使用し、薄く軽く仕立てることで真夏にも着用できるアイテムになるよう工夫しています。

──今シーズンのキールック(コーディネート)は?

研究者となった主人公・フロイトの日常着として、ドレープ感のあるテンセル100パーセントのワイドシャツ、リネン/レーヨンのクロップ丈ワイドパンツ、「研究者のコート」と銘打ったパンツと同素材のワークコートを組み合わせ、ひとりの研究者として学内を颯爽と歩く姿をイメージしています。また、昨シーズンは部屋での引きこもり着として作成したオールインワンですが、今シーズン、よりアクティブなカジュアル着として昇華させた半袖ショーツのオールインワンは、スタイリングにあたらしい幅をもたせてくれると思います。

 PHABLIC×KAZUI|2015年春夏コレクション

 PHABLIC×KAZUI|2015年春夏コレクション

 PHABLIC×KAZUI|2015年春夏コレクション

変化していく主人公の心情やベクトルを色で表現

──キーアイテムとキーカラーは?

キーアイテムは、ワークコートとシャツとオールインワン。キーカラーは、ホワイト、ネイビー、レッド、イエローです。先シーズンは白をメインにした提案でしたが、今シーズンはそこに明るい色をくわえた展開とし、徐々に変化していく主人公の心情やベクトルを色で表現しています。

──今シーズンこだわった「素材」は?

今シーズンはさまざまな表情をもった麻素材やテンセル、レーヨンなどのドレープ感や動きのあるやわらかい素材を組み合わせて使用しています。レイヤードしても暑さを感じさせない素材感、かつ動いたときにより魅力的に映る素材を選択しています。

──「ファブリックバイカズイといえばコレ」というアイテムやシルエット、素材を教えてください。

毎シーズン好評いただいているのはシャツ、ジャケット、コートなどになります。シャツ類はこだわったパターンや素材使いなど、シンプルななかにも細かいディテールを盛り込み、着用感、シルエットが心地良いものになるようにしています。ジャケットやコート類はさまざまなアイテムとレイヤードすることを念頭に置いて、アームや肩のライン、身幅などをオーバーサイズ気味に制作。ただ大きくなるだけではなく、袖を通したあとのシルエットはすっきりとなるように細部に工夫を凝らしたパターンメイキングを心がけています。サイズが1/2と2サイズ展開のアイテムが多いのですが、多くの方が着ていただけるようなアイテムとなっています。そういったアームや肩の作り方のおかげで、ユニセックスで着用できるアイテムが多いのも特徴です。

──ブランドのクリエイティビティをささえているものは?

ファブリックバイカズイのクリエイティビティの源はつねに、世界中のさまざまな国籍、年代、職業、性別の「人びとの物語」です。おなじように見えてじつはすべてが違う「人の生き方」というファクター。毎シーズン主人公を設定し、さまざまな背景をもった主人公の「生き方=物語」を追体験していくことで、クリエイティビティが刺激され、そこに必要とされる衣服が生まれます。登場する主人公はつねに「あなた」であり「わたし」でもあります。

 
<主な取り扱い店>
HOMEDICT(東京)、ADDICTION(福岡)、MILL(鹿児島)、A STORY(東京)、agua(名古屋)、Eins&Zwei(岡崎)、garden(長野)、guzuri用品店(埼玉)、Cyan/n(香川)、PHABLIC BASEMENT LIVINGROOM<直営店>(東京)ほか

PHABLIC BASEMENT
Tel. 042-785-4628
phablickazui.jp

           
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