中田英寿がトライオンで訪れたパリのアトリエ(2)|JOHN LOBB
JOHN LOBB|ジョンロブ
パリ・モガドー通り32番地にあるジョンロブ ビスポークの聖地
中田英寿がトライオンで訪れたパリのアトリエ(2)
150年以上にわたってビスポークの靴を作りつづけているジョンロブ。ジョンロブの伝統的な技術は、今日にいたるまでビスポークにはもちろん、既製靴(レディーメイド)にも脈々と受け継がれている。とくにビスポークは、1足の靴を作るのに、高い技術をもったパリのモガドー通り32番地にあるアトリエの職人たちが約50時間をかけて創り出していく。
Text by MATSUNAGA MaikoPhotographs by MATSUNAGA Manabu
これ以上の環境はないといえるパリのアトリエ
アトリエ1階の木型(ラスト)が保存されている部屋のさらに奥には、貴重な皮革が保管された小部屋がある。ジョンロブは1976年にエルメスグループに加わったことで、世界中からセレクトされた最高級の皮革やエキゾチックレザーなど珍しい素材を集めることができる。
また、満足のいく職人の手仕事を助けるための器具もすべて揃っていて、マスターラストメーカーのフランソワ曰く、「これ以上の環境はない」という完全な体制がジョンロブのアトリエには整っている。
廊下を出て木型を作る部屋へ
廊下を出て、木を削って加工していく機械がずらりと並ぶ木型(ラスト)を作る部屋へ行くと、アンボッショワリスト(シューキーパーを作る)モルガンと会い、挨拶する。ビスポークの靴とともに提供されるシューキーパーはここで作られる。
10年に2回サイクルでリニューアルするビスポークのサンプル
中田さんのトライオンの取材当日、世界中をこれから駆け回るという、ビスポークのすべてのサンプルがアトリエに集められていた。「すべてを見ることはほとんど不可能なことですが、今回はタイミングがとてもよかった」とフランソワ。
ほとんどの女性は自分はどんな靴が欲しいのかを思い描いて来店するが、ほとんどの男性はこのサンプルを見ながら最終的なデザインを決める傾向にあるのだとか。このサンプルは10年に2回サイクルでリニューアルするそうだ。
世界中のジョンロブの店舗で、マスターラストメーカー(またはマスターシューフィッター)によってフィッティング(採寸)してから約4カ月でトライオン(仮縫い)、そしてさらに約4カ月かけてできあがるジョンロブのビスポーク。
モデル、デザイン、革素材、ヒールの高さ、ソールや特別な仕様まですべて選択された“究極の一足” ―― この約8カ月の行程で体験する、靴ができあがるまでの期待、それを想像する時間までもが既製品では味わえない格別なものだ。
中田英寿、パリ・ジョンロブのビスポークアトリエを訪れる(トライオン・1)へつづく
ジョンロブ「ビスポーク」
価格|99万3600円~(税込)
※同一ラストでの2足目以降は89万1000円
期間|メジャーメントから約4カ月でトライオン(仮縫い)、さらに約4カ月後に納品
ジョン ロブ ジャパン
Tel. 03-6267-6010
http://www.johnlobb.com/jp