中田英寿、ジョンロブの職人と対峙する(メジャーメント・2)|JOHN LOBB
FASHION / MEN
2015年5月26日

中田英寿、ジョンロブの職人と対峙する(メジャーメント・2)|JOHN LOBB

JOHN LOBB|ジョンロブ

中田英寿がジョンロブのビスポークとともに世界を旅する

中田英寿、ジョンロブの職人と対峙する(メジャーメント・2)

中田英寿さんの左足の親指の骨の特徴も、ジョンロブの“マスターラストメーカー”であるフランソワ・マドニーニ氏もおなじ悩みをもっていたことで理解も早く、採寸は終了。つぎのステップはデザインの決定だ。今回のビスポークに臨むにあたって、「ジーンズに合うきれいなローファー」が欲しいと語る。

中田英寿、ジョンロブの職人と対峙する(メジャーメント・1)

Photographs by JAMANDFIXText by KAJII Makoto (OPENERS)

究極を求めるとシンプルになる

「ジョンロブでのビスポークは今回がはじめてですが、これまでスーツや帽子などはオーダーしたことがあります。スーツを作って感じたのは、着やすいものが必ずしもカッコイイとは限らないこと。靴も、足型そのままに作ったら、とくに僕の足に合わせたら、すごくいびつなものになってしまうでしょう。オーダーの醍醐味は、そういう部分を職人が調整しながら、いかにきれいなカタチが作れるか。それは料理と一緒で、その職人のセンスになりますよね。どれぐらいスパイスを入れるか、さじ加減のセンスが自分の好みと合うかどうか。それは理解を超えた感覚的なものですね」

さて、メジャーメント(採寸)を終えて、中田さんが決めていたのは、今回はローファーを作るということ。

「自分の足(骨)のことを考えると、ひもの締め方ひとつでアジャストできるひも靴のほうが楽なんですが、今回はビスポークということで、一生履けるきれいなローファーをお願いしようとおもいます。既製のローファーは、ノーズが長すぎたり、丸すぎたり、甲が低すぎたり、自分がおもうきれいなもの、欲しいものがないんです」

現代風にノーズが長すぎても、クラシックすぎるのもダメで、「ノーズの丸みのセンスや解釈も、フランソワとフィーリングが合うかどうかですね」。究極を求めるとシンプルになっていく。

ジョンロブ|中田英寿 02

「FENCOTE(フェンコート)」と「LOPEZ(ロペス)」を試し履き

まずフランソワが持ってきたのは、ローファーの「FENCOTE(フェンコート)」、サイズは8.5。「う~ん、これはモダンなデザインですね。スーツなどドレススタイルには合うでしょうけど。僕はジーンズを穿くときはちょっとレトロっぽい感じにするのが好きなんですが、これだと合わないかな。ジーンズに合うきれいなローファーがいいんです」

ここでスタッフが「オーダーのイメージにどうぞ」と、iPadを差し出す。過去のオーダーのアーカイブが収められていて、中田さんは画面をフリックさせながら、イメージに合うものを見つけようとする。

ジョンロブ|中田英寿 04

ジョンロブ|中田英寿 5

つぎにフランソワが持ってきたのは、ジョンロブの定番として名高い「LOPEZ(ロペス)」。こちらのサイズは8。「サイズはジャストだけど、ちょっと横幅がきつくて、骨が当たりますね。サイズは悩ましいなあ。8.5だと骨は当たらないんですけどね。ローファーのシルエット的にはこっちの方が好きです」

ジョンロブ|中田英寿 10

ジョンロブ|中田英寿 11

フランソワは、中田さんの感想を黙って聞いて採寸表にメモし、自分のスマートフォンであらゆる角度から試し履きの状態を撮影していく。

さらに、つぎのステップでは、素材や色、ライニング、ソールなどの詳細を決めていく。「今回は、ローファーの黒。これで決まりです。いいローファーをうまくきれいに履けるといいですね」と、フランソワの腕に期待を込めて、がっちり握手した。

中田英寿、ジョンロブの職人と対峙する(メジャーメント・3)へつづく

ジョンロブ|中田英寿 15

ジョンロブ「ビスポーク」
価格|99万3600円~(税込)
※同一ラストでの2足目以降は89万1000円
期間|メジャーメントから約4カ月でトライオン(仮縫い)、さらに約4カ月後に納品

ジョン ロブ ジャパン
Tel. 03-6267-6010
http://www.johnlobb.com/jp

           
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