JOHN LOBB|最高のジョンロブの一足ができあがるまで(2)
FASHION / MEN
2015年1月27日

JOHN LOBB|最高のジョンロブの一足ができあがるまで(2)

JOHN LOBB|ジョンロブ

製造ラインを増設したファクトリーを完全取材~縫製までの準備~

最高の一足ができあがるまで(2)

英・ノーザンプトンのファクトリーで、“最高の一足”ができあがるまでを4回にわたってリポートするジョンロブ現地取材。1回目の革の検査から裁断という“クリッキング”の工程につづいて、2回目は、カッティングされた革の縫製までの準備をする、重要なプロセスを担うセクションを紹介する。

ジョンロブ|最高の一足ができあがるまで(1)

Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by ARAKI Ryuji

ファクトリー全体で約50型ほどのモデルがつくられている

ジョンロブが既製靴(レディメイド)をスタートしてから作られたモデルは、およそ350型。取材時に、ファクトリー全体では「BY REQUEST」のオーダーをふくめて約50型が作成されていると聞いた。

一連の作業で細かい指示のまちがいがないように、通常モデルとBY REQUESTでは、仕様書(スペックシート)のカラーが異なる。それぞれの仕様書には、どんなコンポーネントで作っていくかが明記されている。

とくにBY REQUESTは一足のオーダーなので、注意して作業するよう徹底されている。ビスポークの職人とちがって、ひとつの工程のスペシャリストたちは、仕様書に従いながら黙々と靴づくりに努めている。

ジョンロブ|ファクトリー 03

前工程で裁断された革は、縫製するまでの準備として、パーツとパーツを組み合わせるための印をつける“ステッチマーキング”と、裁断部分の色を染める“エッジステイン”がほどこされる。どちらの工程も一枚ずつの手作業で、取材時には「フィリップ2 ダブルバックル」のバックルの穴の部分への色づけがなされていた。

さらに、オックスフォードのタン部分に使われる黒以外の革は、この段階で一度、最後に塗る仕上げのクリームを塗っておく。このようなひと手間から、ジョンロブの「らしさ」が生まれるのだ。

ジョンロブ|ファクトリー 12

ジョンロブ|ファクトリー 19

「こんな手間をかけているのはジョンロブだけ」

このセクションでは、ジョンロブでは“ダブル”と呼ばれている、木型(ラスト)を抜いたときのための補強材をはじめ、ローファー「ロペス」の甲部分のサドルの抜き型や、つま先のメダリオンの型などを見せてもらった。抜き型やメダリオンは、すべてのモデルで見た目のバランスがおなじになるように、サイズに合わせて最適な大きさの金型を用意し、使用している。「こんな手間をかけているのはジョンロブだけ」という言葉が、リアルに感じられた。

想像以上に静かで整頓されているファクトリー内。つぎの工程は、革の“スカイビング”だ。革と革を合わせる部分の厚みを出さないように革を剥(す)く作業だ。

ジョンロブ|ファクトリー 33

ジョンロブ|ファクトリー 37

パーツが完成したら、縫製セクションへ

つぎに訪れた縫製セクションがユニークだった。パーツとパーツを組み合わせるフィッターと、ミシンを踏む職人とで作業がおこなわれる。共同作業で革のパーツを指示書通りに縫い合わせ、靴のアッパー(甲)部分を形成していく。

とくに印象に残ったのが、アイレット(靴紐を通すための穴)の作業で、セッティングのチャートに沿って、一足一足に印をつけてから作業している。相当年季の入ったマシンを使っているが、「これに勝る機械はない」そうだ。「むかしの職人は、マークなしできれいに仕上げていた」というエピソードも教えてくれた。

ジョン ロブ ジャパン

Tel. 03-6267-6010

http://www.johnlobb.com/jp

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