ITTY-BITTY|2014年春夏コレクション
ITTY-BITTY|イッティ ビッティ
誰でも知っているアイテムの、誰も知らないあたらしいバランス
今シーズンのテーマは「Multiplied by the multicolor」
「洋服づくりの部分でもそうですが、ITTY-BITTY(イッティ ビッティ)は“色の表現”に注力しています」というデザイナーの米澤知世氏と宇田将城氏。「時間が経って初めてその良さがわかるのではなく、リリースした瞬間からタイムレス――時代性に関係なく愛される=時代性に左右されないモノ。そんなモノ作りをしていきたい」と語る。
Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by AKABANE Keisuke
ルックスと背景のバランスや空気感を感じてほしい
――2014年春夏コレクションのテーマ/コンセプトは?
今シーズンのテーマは「Multiplied by the multicolor」。今回の素材は思いがけない色の数々を、一見そうとは見えないかたちで“忍ばせる”ことに注力しています。
一目見ても、そこに何があるのかははっきりとわからない。でもそれは間違いなくそこにあって、それがあることでほかの方法では決して表現できない奥行きや、陰影、微妙なニュアンスがそこに生まれています。
今季の素材にわかりやすさや派手さは見当たらないと思います。けれど、それを手にした人たちがさまざまな景色や光、感情とともに時間をともにしていくことで、これらの素材は刻々と表情を変え、静かに心に沁みていくと考えています。
――今シーズンのルック撮影でこだわったポイントと、注目してほしいところは?
洋服づくりの部分でもそうですが、イッティ ビッティは“色の表現”に注力しています。ロケ撮影ではスタジオ撮影とちがい、自然光の下での撮影になります。そのため自然光の下での色の見え方、風景と重なったときの色の見え方、分量に注意して撮影をおこないました。ルックスと背景のバランスや空気感を感じていただけるとうれしいです。
――スタイリング、シルエット、カラーなど、昨年の春夏コレクションとのちがいは?
春夏には“麻”素材の製品を多くリリースしています。昨年まではリネンを使いナチュラルでクラフト感のある質感を表現していましたが、今シーズンはラミーを多用することで、よりモダンでソリッドな質感にシフトさせました。
――今シーズンのキールック(コーディネイト)は?
シルクネップ糸とラミーを旧式のシャトル機で織り上げた素材のコートとシャツをレイヤードしたルック。
しっとりとしながらもハリ感と控えめな光沢をもつこの素材を最大限に楽しむために、あえて同素材を重ねました。同素材をアウターとインナーで使用することにより、陰影でさまざまな表情を引き出すことも可能です。
よりモダンでシャープで、ソリッドな質感にシフトするためにラミーを多用
――キーアイテムとキーカラーは?
キーアイテムは、一重仕立てのシャツに近い雰囲気をもったステンカラーコートです。袖は肩からひとつづき、内袖~身頃一部もひとつづき、袖、アームホール、肩まわりでパーツをつなげながらかたちを作っています。このようなパターン設計により、よりまるみを帯びたシルエットになっています。
素材は旧式のシャトル式織機を使用して織っているため、立体感としっとりとした質感のある風合いを出すことが可能になりました。
――今シーズンこだわった「素材」は?
これまでイッティ ビッティでは麻にかんしてはすべてリネンを使用してきましたが、今回は麻がらみの生地のほぼすべてにラミーを用いました。
ラミーの特徴は、糸質は硬く締まった質感で、テンション(糸自体がもつナチュラルな伸縮性)はほとんどありません。リネンに比べるとハリ感がより強く、光沢があり、リネンのムラ感がネップ状の凹凸であるのに対して、ラミーのムラはなだらかでスムースなスラブ感になります。(※原料の産地や紡績方法により、これらの特徴が当てはまらない場合もあります)。
今回はリネンを使ったこれまでのナチュラルでクラフト感のある質感から、よりモダンでシャープで、ソリッドな質感にシフトするためにラミーを多用しました。
――仕事/プライベートにかかわらず、2014年の個人的な目標を教えてください
STAUBを使いこなすこと。
<主な取り扱い店>
以下HPを参照
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問い合わせ
STRIPES DESIGN INC.
Tel. 03-5768-2401
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