MONSIEUR LACENAIRE|デザイナーのガランス・ブローカが語る新コレクション
FASHION / MEN
2015年1月28日

MONSIEUR LACENAIRE|デザイナーのガランス・ブローカが語る新コレクション

MONSIEUR LACENAIRE|ムッシュー・ラスネール

2013-14年秋冬コレクション「For the never ending weekend.」

デザイナー、ガランス・ブローカが語る最新コレクション

注目ニットブランドとしてOPENERSでもたびたび取り上げているパリのメンズブランド「MONSIEUR LACENAIRE(ムッシュー・ラスネール)」。2013-14年秋冬コレクションのプレビューとして、パリのプレスオフィスで今シーズンのテーマ「For the never ending weekend.」から“架空のハンティング”をイメージしたインスタレーションをおこなった。そのパッケージを日本に持ち込み、インスタレーションを披露。今回来日したデザイナーのガランス・ブローカ(Garance Broca)と、イメージビジュアルやプロジェクトをコントロールしているブランドマネージャーのブノワ・ユッソン(Benoist Husson)に話をきいた。

Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by Benoist Husson

メンズウェアのデザイナーは、探検家でもあります

バルマン、エルメスのメゾンでメンズニットを担当したガランス・ブローカによってスタートし、ウィットに富んだパリのエスプリ溢れるニットを展開する「ムッシュー・ラスネール」。デザイナーのブローカさんは3度目の来日となる。

──今シーズンのテーマ「For the never ending weekend.」はどこから着想を得ましたか?

ガランス・ブローカ それは、私たちは仕事をする平日よりも週末の方が好きだから! それに、実際はこちらのほうが主な理由ですが、今回のコレクションを“架空の田舎で過ごす素敵な時間”と仮定しました。その田舎とは、ピーターパンの世界のように帰りたくなくなる場所。でもムッシュー・ラスネールは洗練された都会的なアーバンブランド。だからこそ私たちの田舎は精巧に「origami(折り紙)」で創られた架空の世界なのです。

ムッシュー・ラスネール|秋冬コレクション 02

2013-14年秋冬コレクション

──今回のテーマを象徴するアイテム、色、素材、着こなしは?

ガランス・ブローカ 2013-14秋冬コレクションでは、マスタードやフォックス(キツネの毛の色を指すが、日焼けした書類の色を指す場合もある)、ローデン(深いダークグリーン)のような秋の色を使用しました。

ニットウェアでは、インターシャ(編地のなかに、別の色糸でモザイク模様を埋め込む編み方)で“折り紙”のようにアニマルをデザインしました。すべてのニットにメレンゲ糸を使用し、より豊かな色合いを表現しています。すべてのシャツは日本の素材で作られています。また、ブランドを代表するジャケットは新色が揃っています。パンツは、今回のコレクションでとても重要なピースのロングジョン(スキニー)を、英国製のコーデュロイで作りました。

着こなしはコンテンポラリーな日本のスタイルに強くインスパイアされています。たとえば、フォーマルなシャツにカジュアルなロングジョンと素朴なハンティングジャケットをコーディネイトするような……おなじシルエットに異なるインスピレーションをミックスするのが好きですね。

MONSIEUR LACENAIRE|ムッシュー・ラスネール

2013-14年秋冬コレクション「For the never ending weekend.」

ブノワ・ユッソンが語るガランス・ブローカの魅力

デザインを通して物語を紡ぐ

──メンズニットをつくる楽しさ、難しさを教えてください。

ガランス・ブローカ 2年前にブランドを立ち上げたとき、男性には質が良く、遊び心のある衣服の選択肢があまり多くないことを発見しました──とくにニットウェアにかんして。そこで、男性を楽しませつづけることができるように、すべてのシーズンにあたらしいパターン、あたらしいデザインもしくはあたらしいジャカート織りを生み出すといった課題に挑戦したのです。それが難しくチャレンジングなことであってもとても楽しかった。なぜならメンズウェアのデザイナーは、探検家でもあるからです。

──今回の「インスタレーション」で伝えたかったことは。

ガランス・ブローカ インスタレーションを作った理由は、わたしの仕事を視覚的にお伝えしたかったのです。“折り紙”のように繊細で正確で、スリングショット(狩猟の一種)のように遊び心に満ちて、射撃のような強い男らしさを。

ムッシュー・ラスネール|秋冬コレクション 04

2013-14年秋冬コレクション

──では、ブノワ・ユッソンさんにお聞きしますが、デザイナーのガランス・ブローカの印象と、彼女の仕事の魅力について教えてください。

ブノワ・ユッソン 彼女はしばらく男の子だったのかもしれないと思えるほど、メンズウェアのデザイナーとして、男性が欲しがるものを熟知しています。良質な生地、ユーモア、繊細なディテール、そして少年っぽさと男性らしさを兼ね備えたシルエット。

彼女はデザインを通して物語を語ることが大好きです。そして私にとって、それをビジュアルマテリアルに置き換えることはものすごく楽しい仕事です。

はじめから彼女は、強くユニークなブランドのアイデンティティを創りあげることを望んでいました。決してお高くとまることはありません。実直に、素材に意味を持たせることに注力しています。まさに彼女が作る衣服のように。

MONSIEUR LACENAIRE(ムッシュー・ラスネール)
http://www.monsieurlacenaire.com

問い合わせ
POULSOFFICE/プーオフィス
東京都渋谷区神宮前5-38-8 太陽マンション401号室
Tel. 03-6427-7081

           
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