ÉDIFICEが仕掛けるスーツを楽しむ男のための新ライン|rue de seine
FASHION / MEN
2015年12月16日

ÉDIFICEが仕掛けるスーツを楽しむ男のための新ライン|rue de seine

rue de seine|リュ ドゥ セーヌ

スーツの賢者が語る「rue de seine」の魅力(1)

この秋、エディフィスに新しいラインが誕生した。それが既存のビジネスシーンに留まらない大人のスーチングスタイルを提案する「rue de seine(リュ ドゥ セーヌ)」だ。エディフィスが提案するフレンチクロージングを踏襲しながらも、スーツがもつ着ることの楽しみを堪能できるこのラインのクリエイティブディレクター兼m’s braqueのデザイナーでもある松下貴宏氏へインタビュー。また後半ではMEN’S EXの大野 陽編集長とMEN’S Preciousのファッションディレクターを務める山下英介氏の対談をお届けする。

Phtography by KOMIYA KokiStill Phtography by HAYASHI Toshiichirou(FOREST)Text by OZAWA MasayukiEdit by ITO Yuji

ルールにとらわれないのが「リュ ドゥ セーヌ」の魅力

Le Dôme ÉDIFICE 丸の内店で10月におこなわれた「rue de seine(リュ ドゥ セーヌ)」のローンチを記念にして開催されたポップアップストアでは、クリエイティブディレクターを務めるある松下氏も姿を見せた。そこでエディフィスがあらたに展開するスーツの新ライン「リュ ドゥ セーヌ」について話をうかがうことができた。

――「リュ ドゥ セーヌ」を着こなすポイントは?

このブランドでは、ビジネスだけではなく、日常的にスーツを楽しんでもらうことを心がけてデザインしました。スーツだからといってタイドアップだけではなく、もっと気軽に着ることを楽しんでほしい。インナーにニットやカットソーなどを合わせてもいいですし、もっといえば、上下セパレートで着たって構わない。スーツという服がもつ、装う楽しみの可能性を追求してもらえると嬉しいですね。

――ほかのスーツにはない、デザインのポイントは?

日本人に似合うように、クセのないデザインにしてあります。パターンも日本人に合わせたものを採用していますし、ジャケットもパンツも現代的な着やすさをふまえたものにしていますが、没個性的になっていないのがポイントです。短めのフックベントはフランス流のテイストを汲み取ったものですし、後身頃の肩甲骨部分には身体の丸みにフィットするようにダーツで切り替えも入れてある。ディテールをひも解けば、服好きにも納得してもられるのではないでしょうか。

――より個性的なスーツの着こなしを楽しむためには?

そうですね。ボタンを金のメタルボタンにアレンジしてブレザー風に着るというのもいいですし、先ほどお話したように、上下セパレートすれば、それぞれに着回しも楽しめます。「リュ ドゥ セーヌ」に関しては、軽さと着やすさを追求していますので、シルエットも極端にタイトではありません。そのぶん、さまざまな着こなしを楽しめるとおもいます。

ドレススタイルの賢者が考えるスーツの楽しみ方

そして、スーツの魅力を知る賢者として今回対談してもらったのは、MEN’S EXの大野編集長とMEN’S Preciousファッションディレクターの山下氏。彼らが考えるスーツを着ることの楽しさ、喜びを会話の中からひも解いてみたい。

rue de seine|リュ ドゥ セーヌ04

(写真左より)MEN’S EXの大野編集長、MEN’S Preciousファッションディレクターの山下氏

――それぞれの媒体の目線で捉えた、ドレスのトレンドから教えてください。

MEN’S Preciousファッションディレクター 山下氏(以下 山下) ここ数年の流れはピッティ ウオモに代表されるのですが、生地や色柄、ディテールといったトレンドの移り変わりの早さに、読者もすこし疲れはじめているように感じます。もっと長く愛用できるもの、時代を超えた価値に関心が向いていると思います。

MEN’S EX 大野編集長(以下 大野) まず前提として、MEN’S EXは、ドレスやスーツが男にとっていちばん恰好いいものである、と考えています。様式に制限があるスーツで個性の表現を楽しむことは、大人の贅沢な愉しみ。スーツの特徴を理解し、自分らしく着こなしている人は素敵だし、そういう人が増えている気がしますね。

山下 単純に言うと、お互い嗜好品であるという前提は同じですよね。

大野 そう、スーツはサラリーマンの戦闘服だったのが、休日のデートでも装える楽しいものとして解釈している。その魅力を紹介している点では変わりません。MEN’S PreciousとMEN’S EXは、近い位置にある雑誌だと思います。

山下 ただMEN’S Preciousは季刊誌なので、月刊誌のMEN’S EXさんとは、提案や伝え方に違いがありますね。

大野 そこがいいのでは。MEN’S Preciousはヴィジュアルがとにかく美しい。いいものを落ち着いて伝えることが上手ですよね。構成も欲張らず、贅沢なものを贅沢に表現できるのは魅力です。

山下 MEN’S EXのテーマに対する追求の姿勢や表現の深みはつねにリスペクストしています。とくにファクトリー系の取材は本当に素晴らしい。

――そんななか、今回の「リュ ドゥ セーヌ」をどう感じましたか?

山下 デザイナーの松下さんの洋服は、イタリアのベーシックなクラシコやデザイナーズやキャラクターズブランドといった文脈にないものが魅力ですね。縫製やパターンや生地をスペック的な観点で見ていない気がします。

大野 どこにも属さない、独特のおしゃれ哲学がありますね。フランスっぽくもありイギリスっぽさもあり、アメリカも感じる。すごくインターナショナルな感じ。

山下 すごく都会っぽいんですよね。

Page02. ひとひねりのエッセンスが着こなしの大差となる

rue de seine|リュ ドゥ セーヌ

スーツの賢者が語る「rue de seine」の魅力(2)

ひとひねりのエッセンスが着こなしの大差となる

山下 ディテールではなく、シルエットで美しく見せている、レディス的な感覚をおもちのデザイナーだなと思っていました。トレンドとちょっとずれたとこで、いい意味でヘンテコなところがあるから、古びない美しさをもっています。

大野 僕が6〜7年前に購入したアンコンジャケットは、当時にしては着丈が長かった。カジュアルだけどエレガントで、リッチ感もある。着た瞬間に、いままでにないシルエットだなと思いました。ただ奇抜なデザインではなく、モードであり、クラシックである。何にもカテゴライズされないからこそ、自分にすっと入ってくる感じがありました。

メンズEX 大野編集長

山下 私もはじめて見たときは、着る人を選ぶ服だなと、正直思いました。価格的にもハイエンドなものを作っていたし、ジャケットもベントを切っていなかったので、体型が変わったらシルエットがはまらない。

大野 ただ生地の選び方やパターンの採り方に、ヴィンテージへの造詣の深さを感じます。パリ在住なだけあって、古き良きものへのリスペクトも深そう。

山下 たしかに、今回もビジネスライクな生地選びではないですよね。ネイビーの無地にしても独特の風合いもあるし、千鳥格子の色合いや柄の大きさも個性を感じます。

大野 風合いのひとひねり感とか、裏地のセレクトも、おしゃれだなって素直に思える洋服です。

山下 それでも「リュ ドゥ セーヌ」に限っては、松下さんらしさを残しつつ、普遍的で着やすいものに仕上げています。

タートルネックをさらりと合わせ、ネイビーのトーンでまとめたジャケットスタイルは、シンプルながらも秋冬らしい素材感でまとめている。「起毛感のあるダブルモンクはオンオフ使えるアイテム。ボルドーのソックスをちら見せして遊びココロを加えています」(大野氏)

「白と黒の千鳥格子なだけに、インも白いニットで統一感を。ただワントーンは寂しげに見えがちなので、BEGG&CO.,の上質なストールを差し色に使いました」足元はローファーで抜け感を。シックな着こなしは”がんばってる感”を出さない着こなしがセオリー。(大野氏)

――おふたりのワードローブに入ったときの位置づけを教えてください。またどんなシーンで着たいですか?

大野 ビジネスビジネスしていないから、逆に使いやすい。ジャケットやスーツを着るシーンが多様化し、職種も細分化されている時代に「このスーツはビジネス用です」と制限しすぎると、すこし着にくいですよね。

山下 私は無理にスーツを着る必要のない仕事ですので、”スーツ”より”日常着”として捉えています。

大野 ブロークンスーツとして、単品同士の着こなしも楽しめそうだね。すこし正統から外れたスタイルも似合いそう。

山下

山下 もちろんタイドアップもできるし、タートルネックのニットでカジュアルに着崩してもいい。展示会をまわったり、街を歩くときにサマになりそうですね。

大野 ジャケット単体として成立する丈感でもあるよね。パンツのインプリーツも遊びココロを感じるし。自由な感性がある。それでいて仕立てがしっかりしているから、仕事でも前向きな気持ちになれるスーツだと思いますよ。

山下 どちらかに決めるには、もったいないスーツですよね。

――近年、スーツのボーダーレス化が進んでいます。むしろおふたりにとって、境界線はどこにありますか?

山下 やはり立体感、ですかね。当たり前のことかもしれないですが、テーラーリングで仕立てられているもの。ビジネスは清潔感が求められるので、極端に主張が強いものは向かない。ワイドやスリムなどの攻撃的なシルエットとか。むしろそこさえ満たしていれば、ある程度はなんでも許される時代かもしれません。

大野 職種によって違うので一概にはいえませんが「これをもっていれば幅広く使えるな」と思わせないのが、ビジネススーツではないでしょうか。例えば大事な会議や商談とか、社長に会うときは「これしかない」と思えるスーツがあるほうがいい。

山下 その感覚が、最近はカジュアルに傾いていますよね。

大野 そう。ドレスコードの自由度が高い職業の人にとって「リュ ドゥ セーヌ」はすごくいい。正統すぎて味気ないスーツがたくさんあるなかで、その部分をもちながらアクティブなイメージがある。すごくいまっぽいですね。

今季らしいブラウンとブラックの組み合わせが新鮮な印象に。「松下さんのつくるブラウンのグレンチェックは、まんまカントリーではなく、都市の中の公園くらいが似合いそう。黒のスウェードシューズやハットで、東京っぽさを残しました」。インナーはタートルネックのニット。(山下氏)

「生地に主張のあるスーツなので、完全なビジネススタイルにははまらないかなと思ったので、ネクタイで力強さを出したいなと思いました。仕事でも通用する清潔感を出しつつ、気持ちカジュアルにまとめています」。スーツにあえてのB.D.シャツも粋なチョイス。(山下氏)


大野陽|OHNO Akira
1973年生まれ。大学卒業後、世界文化社に入社。「MEN’S EX」、「家庭画報」、「Begin」の編集を経て2013年に「MEN’S EX」編集長に就任。

山下英介|YAMASHITA Eisuke
MEN'S Preciousファッションディレクター。男性ファッション誌編集部員、フリーエディターを経て、現在は『MEN'S Precious』にてファッションディレクターを務める。

問い合わせ先

Le Dôme ÉDIFICE丸の内/ル ドーム エディフィス 丸の内

東京都千代田区丸の内2-5-2 三菱ビル1F

Tel. 03-6212-2460

http://edifice.baycrews.co.jp/

           
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