ジェイ・ツジムラのスタジオが東京・高円寺南に移転オープン(1)|JAY TSUJIMURA
JAY TSUJIMURA|ジェイ・ツジムラ
インディペンデントな空気がよく似合うアトリエ兼ショップ
ジェイ・ツジムラのスタジオが東京・高円寺南に移転オープン(1)
この春まで、東京・谷中にアトリエ兼ショップを構え精力的に創作活動をつづけていたジュエリーデザイナーでクラフトマンのジェイ・ツジムラ氏が、高円寺南にスタジオを移転。谷中で過ごした8年から心機一転、「もうちょっとちがう自分にならなきゃいけない」と語るジェイ氏のアトリエを訪ねた。
Photographs by SUZUKI Shimpei Text by KAJII Makoto (OPENERS)
ばらのジャクリーヌ デュプレが出迎えるスタジオ
JR高円寺駅の南口から夏の名物、阿波踊りが練り歩く通りを下っていくと、右手に大きなこぶしの木が見えてきて、マンションや飲み屋、ラーメン屋、カフェなどが取り囲む一角に、昔懐かしい雰囲気の建物が存在する。
「これでも自分たちでかなり手を入れてきれいにしたんですよ」というジェイ氏とパートナーの慧子さん。こぶしの木の周りはきれいに手入れされ、赤がポイントとなった外観は手作り感満載。一見、個人経営のセレクトショップに見えなくもないが、「カフェに間違われてふらっとひとが入ってきたり……何屋なのかわからないですね」と笑った。スタジオの前にはジェイ氏が大好きなばらのジャクリーヌ デュプレが咲き誇る。
さらに崖っぷちに行こう
「谷中で8年間創作活動をしてきて、つぎの物件をずっと探していたのですが、ここはネットで偶然出合って、雰囲気が良さそうだったので直感で決めました。今年の2月から工事を始めて、自分たちで床を張って、壁を塗って、なんとかオープンに間に合わせました」とジェイ氏。
「僕が昔、自分で掲げたテーマ “wild but elegant” に、人間らしさをくわえて、さらに蝶々や鳥をあしらったこのスタジオは、時代が少し変わって、僕も歳を取った証拠(笑)。でも、ここに移って、昔住んでいたニューヨークのインダストリアルな匂いが出てきたかなと思います」と語る。
「高円寺に来て意識が変わりましたね。ロンドンやニューヨークから帰ってきた当時の自分の感覚に少し戻ってきた。谷中で安定していたわけではないけど、さらに崖っぷちに行こうという気持ちになれました」
匠にはなりたくない
ジェイ氏の作品は、オンラインショップ「rumors(ルモアズ)」でサイトスタート時から取り扱かわれている。現在のビジネスの9割はインターネットで、そのうち7割から8割は海外だというジェイ氏。
「自分の仕事はスタイルがあっての技術。たんに技術だけの匠にはなりたくないんです。だから、エッジの効いたものをつくろうともがいている。今は、写真1枚で “あっ!” と言わせないとダメな時代で、そこに共感してもらえば海外からちゃんとオーダーが来ます」とジェイ氏。
ジェイ氏は作品をインスタグラムに掲載しているが「SNS時代は、自分が一番得意とすることをやりつづけることが大事。インスタグラムはオリジナルをもっているひとにとっては素晴らしい武器で、一番自分らしい “コア” を発信していけばいい。それを見た反応は絶対あります」という。
ジェイ・ツジムラの新スタジオが東京・高円寺南に移転オープン(2)につづく
スタジオ(アトリエ兼ショップ)
「Jay Tsujimura Tokyo Hand Crafted Jewelry」
東京都杉並区高円寺南2-49-14 1階
Tel. 03-5929-7620
営業時間|13:00~19:00(金〜日、祝日)平日予約制
最寄駅|JR高円寺駅徒歩5分、丸の内線 新高円寺駅徒歩7分
JAY TSUJIMURA|ジェイ・ツジムラ
クリエイティビティー(感性)とテクニカルスキル(技術)を持ち合わせたオリジナリティ溢れるジュエリーデザイナー。ロンドン、ニューヨークで15年間にわたり創作活動をおこない、レニー・クラヴィッツ(ミュージシャン)、マット・ディロン(俳優)、ダスティン・ホフマン(俳優)、ジュニア・バスケス(DJ)、ポール・スミス(デザイナー)、サイモン・ドゥーナン(バーニーズ・ディレクター)、オリベ(ヘアースタイリスト)、日本国内では、中田英寿、長渕剛、藤井フミヤ、陣内孝則、EXILEのリーダーHIROなど、多くのセレブリティを魅了している。ハイファッションにも自然に溶け込む創造力の余地を残したデザインは、身に着けるひとの感性次第で、落ち着き、遊び心、ワイルドさを表現し、高いレベルでのトータルな調和を実現する。
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