BALLY|祝160周年! クリエイティブディレクターへインタビュー
BALLY|バリー
クリエイティブディレクターにインタビュー!
ここからはじまるあらたなヒストリー。160年目のクリエイション
スイスのシェーネンヴェルトにてはじまったバリーは、今年で創業160周年を迎える。創業以来、革新的なシューズを発表しつづけ、つねにあたらしくモダンな存在としてトレンドを牽引してきた。昨年4月から新クリエイティブディレクターを迎え、ますます進化するバリーのいまに迫る。
文=小柳美佳
先見の明を語る、これまでのバリーの歩み
1851年、カール・フランツ・バリーによって設立されたBALLY(バリー)。創業前はゴム製リボンの会社であり、リボンモチーフと、チェルシーブーツに使用されるような特別なゴムづかいが、バリーシューズのトレードマークだった。その後、エポックメイキングとなる出来事がつづく。
まず、現在のアートプロジェクト支援にもつうじる、「バリーポスター」の広告キャンペーン。アートと広告へのあたらしいアプローチを開拓することに成功し、ラウビやバウルベルゲル、ベルセなどの有名なアーティストが今日までつづくバリーのイメージを創り上げた。現在では当たり前だが、1910年当初にこのようなキャンペーンを思いつくことは、革新性と先見の明を大いに物語っている。それは、現在参加しているアートバーゼルや、セントラル・セント・マーティンズの学生とのコラボーレーションといった、アートに関連した活動に受け継がれている。もちろん、今年もっとも注目を集める、160周年アニバーサリー・プロジェクトも始動した。
クリエイティブディレクターとして自分たちに求められた意外性と革新性
そしてさらに注目すべきは、2010年4月に新クリエイティブディレクターとして、バリーに参加したグラエム・フィドラーとマイケル・ヘルツのイギリス人コンビの存在だ。バリーが「モダン・ラグジュアリー・ハウス」であり、真にヨーロッパ的なスピリットを反映するというあるべき姿にもどるためのキーピープルとなることはもはやまちがいない。
「デザイナーとしての経験、チームを率いての毎シーズンのコレクションやランウェイショー、広告キャンペーンのディレクション
今回僕たちがクリエイティブディレクターに選ばれたのは、僕らの過去の経験すべてを集約できる、本当にすばらしい好機です。また、エキサイティングな新チャレンジと、僕たちの美意識を映し出せるあらたな商品に取り組む機会でもあります」卓越した職人技術に裏打ちされた、ユニークなクリエイション
2011-12年秋冬コレクションは、バリーのアーカイブよりインスピレーションを得て、彼らなりの表現にまとめたという。
「バリーは幅広いアーカイブを保有しており、ブランドを学び、インスピレーションを見つけるすばらしいリソース(源)となっています。僕たちは真に都会的でタイムレスなルックを作るために、ナチュラルで誠実な素材を使い、賢く洗練された方法でレザーの要素やトリムを取り入れることで、現代的な男性のための基本的なワーロドーブの形態にフォーカスしました。素材はボンデッド・レザー、スエード、ウール・ツイルやヘリンボーン、最高品質のカシミヤやメリノ・ニット、さらにシャツにはブラッシュド・コットンなど。とくにお薦めなのが、160周年記念コレクション・ラインのブーツ。オクスフォードとダービーで、伝統的なブローグ・ディテールに取り入れた現代的なアクセントが特徴です」
ほかに、ラグジュアリーなグレイン・レザーに、ガジェット・ポケットを合わせたトートバッグや、究極のあたたかさと快適性を求めて改良されたカーリングブーツなど、充実した機能をモダンなデザインに巧みに落とし込んでいる。そして「いつも自信とゆとりをもち、知的で文化的な男性」像を描き出した。それらもすべて、アーカイブをつうじて、バリーの歴史と美学の結びつきを理解したうえでの表現のようだ。
「バリーの驚くべきアーカイブから得た僕らなりの解釈が、自分たちのコレクションの土台となっていますし、結論として、バリーの財産は、すばらしいレザーの職人技術なのです。その職人技術に裏打ちされた、繊細かつユニークなクリエイションこそ、バリーで僕たちに求められていることであり、目指していることなのです」
バリー・ジャパン
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