今年3年目になる「インコッテクス」春夏の定番アイテムであるクロップトパンツに、ラメ混素材が登場しました。リネンヴィスコースにラメがきらりと光る華やかな素材です。シルエットはたるみの出ない、ヒップから裾にかけての美しさが最大の魅力です。一般的にはバックにポケットやボタンなどをつけることで体型を美しく見せるようカバーしますが、このクロップトパンツはすでにシルエット自体が完成されているため、あえて装飾を一切ほどこしておりません。

特徴はサイドからななめにはいったダーツです。ダーツは一般的に縦に入っているものなのですが、それだとダーツがヒップのトップと合っていない場合、ダーツがぷくっと飛び出してしまいます。このクロプトパンツではサイドからダーツをとることで、なだらかなヒップラインを実現しています。

また、ダーツにほどこされたポイントステッチによって、ヒップラインがぐっと上がって見える効果をもたらしています。このポイントステッチはヒップラインだけでなくポケットや裾にもあしらわれており、ハンド風のポイントステッチがシンプルなデザインに動きをあたえています。

「インコッテクス」ラメ混生地クロップトパンツ

──では、既存のアイテムでお薦めは？

「インコテックス」といえばフルレングスパンツというイメージがありますが、今季は昨年登場したリラックス感のあるカジュアルなシガレットパンツをお薦めしたいと思います。シガレットパンツとは直線的なシルエットの9分丈パンツの名称ですが、やはりくるぶしが見えるか見えないかの小さな差で、おなじウールのパンツでも軽やかさが全然ちがうんです。

最近“パギンス”（パンツ＋レギンス）がトレンドアイテムとして人気ですが、パギンスほどカジュアルではない、かといってフルレングスよりも軽やかでカジュアル、そんな中間点にあるのがこのシガレットパンツです。ウールならばオフィスに、華やかなアイテムとスタイリングすればパーティーにもはいていけるオールマイティなデザインです。このシガレットパンツはいま、「インコテックス」のあたらしいベーシックのひとつとして支持されています。細身なのでニットやドルマンスリーブ、シフォントップスなど、ボリューム感のあるトップスとのバランスを楽しんでください。

「インコテックス」シガレットパンツ

「インコテックス」フルレングスパンツ

また、ポケットとボタンの位置をどこに置くかでヒップがどう見えるかは変わってきます。中央寄りにあればヒップの幅は狭く見えますし、逆に中心から離れれば広く見えてしまう。いかにヒップを小さくみせるかを考え、試行錯誤した結果、いまのボタン位置になっています。このストレートパンツは、そういった細かな工夫が随所に盛り込まれたアイテムです。一見したところわからないさりげない工夫、このスタンダードなストレートパンツをはいてもらえば「インコテックス」の真髄をわかっていただけると思います。このパンツを美しくはいていただくコツは、あまり上にあげすぎず、腰骨がベルト幅の中央にくるくらいの位置ではいていただきたいです。サイズの選び方としては、ウエストよりもヒップに合ったものを選んでください。ヒップと太ももまわりがいかにすっきりしているかがパンツを美しくはくためのポイントです。ウエストに合わせてヒップがあまり、生地にたるみができるのは美しくありません。パンツは、ヒップに合ったサイズを選び、ウエストで調整してください。それだけでシルエットはだいぶ変わってくると思いますよ。