5足目&6足目
#5 “ヒラメ”みたいな靴
JOHN LOBB/2001
ジョン・ロブでビスポークした3足目です。僕はサイドレースと呼んでいるんですけど、メダリオンをつけてつくりました。5年ぐらい前に比較的よく履きましたが、今の気持ちはもっとロングノーズになっているので(#1と比べてみてください)、ちょっと遠ざかっています。
サイドレースが好きで、エンツォ・ボナフェの外羽根の黒のサイドレースは持っていましたが、内羽根が欲しくなってつくりました。たぶんプレタでは内羽根のサイドレースの靴はないと思います。
サイドレースはデザインの一つだから自分では違和感はなかったんですが、あるとき、友人から「普通は真ん中にあるレースが横に寄っちゃって、ヒラメみたいな靴だね」と言われて、それはそれで面白い感想だなと。外羽根だとヒラメには見えないんですよ、内羽根だと単純にズレた印象になってしまうんです。
メダリオンは大好きで、なにかというと(笑)メダリオンを入れてしまう。実はずっとプレーントゥは好きじゃなくて、プレーントゥを履きだしたのは、ここ8年のロングノーズ時代のつい最近になってから。アクセントがある方が好きです。
ビスポークはデザインする楽しみはありますが、木型まではなかなか口は出せません。本当は「もっと細くしてほしい」とかあるんですけどね。でも、これは美しい靴です。この靴はブルージーンズでも履きましたね。ジョン・ロブ パリですから、どこかやはりフレンチトラディショナルな出来映えになるんですね。
(2001年/50万円)
#6 若々しく、ホワイトバックスを
UNITEDARROWS×Alden/1993
紺のダブルジャケットにグレーのフランネルパンツ、そして足元はホワイトバックス。それを冬に履く。40年代の「Esquire」に出てくる当時の映画スターたちが履いているような、このユナイテッドアローズ×オールデンのホワイトバックスは売れましたね。
今自分が感じているエレガンスとは違いますが、当時、エレガントなアメリカのハリウッドスター的なイメージが楽しめる靴でした。
見た目に若いですよね。これはかなり履いています。履き心地はオールデンらしく大変良い。アッパーの革が柔らかい分、履きやすいし、レッド(スポンジ)ソールなので軽く、返りも良い。まだ自分も店頭に立っていた頃ですよ、完全に仕事用でした。
(1993年/価格は当時4万円代後半)