3足目&4足目
Fashion
2015年5月19日

3足目&4足目

#3 コーディネートの足元の締め方

Russell Moccasin/1996

photo by Jamandfix

10年ぐらい前ですね、当時のオールデンと同じように、細いパンツにキッチュに合わせる“ごっつい系”アイテムとして買いました。ハンドソーンの歴史がモカシンの歴史として残っているアメリカの、デザイン的にも製法的にも良かった時代を継承しているメイン州の工場のものです。今はアメリカ国内に工場はないはずで、残念ですね。
自分で仕入れて店頭にも並んだ靴で、これは頻繁に履きましたね。履き心地はちょっと重いけどいいです。
これは僕たちのファッションのルーツであるトラディショナル、日本で言うトラッドのもので、ラフなアンコンジャケットなどと、できるだけスラックスで履きたい。

普通の男性は自分のスタイルを決めるとあまりブレないと思いますが、僕は極めて珍しく、新しいもの好きだから、すごくブレるんです。自分の気分次第で、ワードローブもガラッと替わる。洋服は躊躇なく捨てていきますからね、だから服は残っていないんです。でも靴は残っている。捨てなかっただけなんですけど(笑)。
昔の服に袖を通すと、自分が可笑しくて外に出られなくなります。それは洋服屋としては一番いいと思いますけどね。自分から新しがらないと、次のモノを提示できないですから。だけど、靴は買ったときの思いのようなものがあるので、捨てられません。今でも年間10足平均は購入しています。
(1996年/価格はたぶん4万円代後半)

#4 インターナショナルギャラリー ビームスの翌年

GRENSON/1982

photo by Jamandfix

これはビームス時代の中期、1982年頃のグレンソンのシャークスキンのモンキーブーツです。イギリスの靴なんですがエレガントなんですよ。
一番最初にモンキーブーツを見たのは、ロンドンのブラウンズというセレクトショップでしたね。80年に出張で見て、81年に日本でオーダーして、82年に出来上がってきた、アッパーの革乗せ替えの別注です。モンキーブーツはビームスでは定番で扱っていました。

当時のプレッピーから始まって、NYファッションに移って、ラルフ・ローレンが台頭し始めて、ヨーロッパのエレガントな匂いのする商品も気になってきた81年に、インターナショナルギャラリー ビームスがオープンするわけです。当時、僕はアパレル事業部長で、ギャラリーの初代店長は現・ユナイテッドアローズ代表取締役社長の岩城哲哉さんです。
81年はビームスがやっと安定的な利益が出始めた頃で、初めてヨーロッパ物を表現できるインターナショナルギャラリーができて、ビームスでアメカジ、ビームスFではアメリカントラディショナルとイングリッシュトラディショナルのクロージングが表現できて、バランスが整った時期でした。

このモンキーブーツはあまり履いてないですね。グレンソンは返りも悪いし、おしなべて履き心地は良くない。あの頃は、北村勝彦さんのスタイリングに影響を受けて、グレーフランネルパンツに運動靴やワークブーツを合わせていましたね。ホワイトジーンズとツィードジャケットにこのブーツとかもありました。
(1982年/価格は当時5万円ぐらい)

           
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