進化する織物の可能性。「QUASICRYSTAL―コードによる織物の探求」展|HOSOO
DESIGN / PRODUCT
2020年11月18日

進化する織物の可能性。「QUASICRYSTAL―コードによる織物の探求」展|HOSOO

HOSOO|細尾

1200年の歴史ある西陣織に新たな視点を加える

HOSOO GALLERYにて、「QUASICRYSTAL―コードによる織物の探求」展が開催されている。プログラミングによって生み出された「織組織」を職人たちの手によって具現した。会期は2021年2月13日(土)まで。

Text by WASEDA Kosaku(OPENERS)

プログラミングで作られたパターンを形に

1688年創業西陣織の老舗HOSOO。織物に新たな視点を組み合わせたイノベーティブな試みを積極的に行ない、注目を集めている。
2019年には、織物をメディアとして捉え、立体的に文化や歴史を表現するテキスタイルギャラリー『HOSOO GALALLERY』をオープンさせている。
『HOSOO GALALLERY』にて、「QUASICRYSTAL―コードによる織物の探求」展が開催中だ。
これはHOSOOのリサーチ部門である「HOSOO STUDIES」が、脈々と続く「布と人間の関わり」について、現代ならではの視点を交えた多角的な研究開発をしており、その成果の展示の場となる。
本プロジェクトは、2017年より古舘健(アーティスト/プログラマー)と共に、織物の根源的な構成要素である「織組織」に関する研究開発に継続して取り組んできたもの。
2019年からは、堂園翔矢、巴山竜来、平川紀道というデザイン、数学、アートと異なる領域でコンピューテーションによる表現や研究活動を行う3名を迎え、長期にわたる工房での滞在制作を経て、プログラミングによる新たな織組織の秩序を開発してきた。
この研究開発プロジェクトの題材となっている「Quasicrystal(準結晶)」とは、ある規則性を有しつつも、周期性のない結晶構造から着想を得ている。
織物の組織は元来、結晶構造のような規則性を有した織組織によって構成されており、西陣織も、主には「平織」「斜文織」「朱子織」と呼ばれる三原組織と、これらを応用した変形組織によって構成される。
組織の組み方により、紋様や質感表現を巧みに変化させるのだ。織組織は、これらの三原組織を基礎として、長い年月をかけて職人の経験値によって培われ、継承されてきた。
プロジェクトでは、この織組織をコンピューター・プログラムのコードによって生成。現代だからこそ可能なテクノロジーを有史以来培われてきた手法に取り入れ、準結晶を思わせる新たなパターンを持った組織の制作が行なわれた。
そうして生み出された新たなコードを、1200年間美を追求し続けてきた西陣織のDNAを継承するHOSOOの職人たちが受け取り、西陣織ならではの素材、技術によって普遍的な美を兼ね備えた全く新しい織物として具現されたのだ。
人間の寿命では計算しきれない組織をコンピューターが作り上げ、人間の手と感性で仕上げるというプロセスを経ることによって、美とは何かということを問いかけた作品となっている。

「QUASICRYSTAL―コードによる織物の探求」展

  • 会期|2021年2月13日(土)まで
  • 会場|HOSOO GALLERY 京都市中京区柿本町412 075-221-8888
  • 開館時間|10:30‒18:00(日曜日・祝日・年末年始を除く)
  • ※入場は閉館の15分前まで 
  • 入場料|無料
問い合わせ先

HOSOO FLAGSHIP STORE / HOSOO GALLERY
Tel. 075-221-8888