福島の伝統工芸「大堀相馬焼」の魅力を伝えるポップアップイベントが開催|DESIGN
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2020年11月2日

福島の伝統工芸「大堀相馬焼」の魅力を伝えるポップアップイベントが開催|DESIGN

DESIGN|ポップアップイベント「ひびのもよう」

江戸・元禄時代から続く伝統工芸。その魅力を手軽に味わう

福島の伝統工芸品 大堀相馬焼の魅力を伝えるポップアップイベント「ひびのもよう」が、コトモノミチ at Tokyo(東京都墨田区)で開催される。期間限定で窯元のプロダクトを販売する。会期は2020年11月3日(火)~15日(日)まで。

Text by WASEDA Kosaku(OPENERS)

窯元「陶徳(すえとく)」10 代目の陶正徳氏によるオンライントークセッションも開催

大堀相馬焼は、福島県双葉郡浪江町大字大堀一円で生産される焼物の総称。江戸時代の元禄年間に、中村藩士の半谷休閑が大堀(浪江町大堀)で陶土を発見し、下男の左馬に命じて日用雑器を焼き始めたのが始まりだ。
大堀相馬焼は大衆向けの民窯として親しまれ、中村藩は陶磁器を特産物として奨励したため、江戸時代末期には 100 軒近い窯元が存在したという。戊辰戦争後に衰退したが、第二次世界大戦後に再興。1978 年には国の伝統的工芸品の指定を受けている。
大堀相馬焼の大きな特徴は3つ。貫入(青ひび)、走り駒、二重焼き(二重構造)である。
勧誘とは、鈍色の器面に広がる不定形なひびのことだ。鉄分を含んだ鈍色の器面に広がる不定型なひびのことで、鉄分を含んだ釉薬を用い、素材と釉薬の収縮率の違いから生じる。その後、ひびに墨を塗り込むために黒く見える。
走り駒は、器の表面に描かれた意匠だ。その名のごとく、疾走する馬が繊細なタッチで描かれており、遊び心溢れる印象的なポイントだ。
そして二重焼きは、ろくろによる成形の段階で外側と内側を作っておき、焼成前にかぶせることで二重の器が出来上がる。この構造は、全国的にみても非常に稀だ。大堀相馬焼の湯呑みは冷めにくいといわれる。
この度大堀相馬焼の魅力を伝えるポップアップイベント『ひびのもよう』が東京・墨田区のコトモノミチ at Tokyoにて開催される。
本イベントでは、大堀相馬焼窯元4事業者が作り上げた焼き物4種類が期間限定で販売される。職人の伝統的な手仕事と、現代的な解釈が加えられたプロダクトが取り揃う。使い勝手も良さそうで、手に取って眺めていたくなる魅力を兼ね備える品々だ。
また、大堀相馬焼の窯元「陶徳(すえとく)」10 代目の陶正徳氏とオコトモノミチ at Tokyoを展開しているセメントプロデュースデザイン代表の金谷勉氏とのオンライントークセッションも実施される。
2011年に東日本大震災の影響も大きかったという大堀相馬焼。その震災を乗り越え、大堀相馬焼の伝統技術を守り、また生かしながら、時代のライフスタイルにあわせたものづくりを行なうなど大堀堀相馬焼継承者として新たな挑戦をしている陶正徳氏に金谷氏が迫る。
また、窯の現場から ライブで中継することで臨場感あるトークセッションが展開される。伝統と変化、相反するものを融合させることに長けた現代の職人は何を語るのか注目したい。
金谷勉
有限会社セメントプロデュースデザイン 代表取締役社長/クリエイティブディレクター。1999年にデザイン会社「セメントプロデュースデザイン」を設立。大阪・東京・京都を中心に企業や商業施設やメーカーのグラフィック、WEB、プロダクトデザインなどを手掛ける。2011年から、全国各地での商品開発プロジェクト「みんなの地域産業協業活動」を始め、500を超える工場や職人との情報連携を進める。職人達の技術を学び、伝える場「コトモノミチat TOKYO」を東京墨田区に展開。
京都精華大学、金沢美術工芸大学講師を務める。近著に『小さな企業が生き残る』(日経BP社)
陶正徳
陶徳(すえとく)窯 10 代目。福島県双葉郡浪江町で 300 年以上続いてきた、国の伝統的工芸品大堀相馬焼の窯元。地域に根ざし、異業種とのコラボレーションにも積極的に取り組むことで、「大堀堀相馬焼」のクリエイティブな可能性を切りひらいている。

ポップアップイベント『ひびのもよう』

  • 日程|2020年11月3日(火)~11月15日(日)
  • 開催場所|コトモノミチ at Tokyo
  • 東京都墨田区業平 4-7-1 1F
  • 営業時間|12:00〜19:00
  • 定休日|火曜・水曜
  • 参加事業者|京月窯、あさか野窯、いかりや商店、陶徳窯

窯元陶徳 10 代目陶正徳×金谷勉オンライントークセッション

  • 日程|11月7日(土) 18:00~19:00
  • 開催場所|オンライン開催(ZOOM)
  • 収録会場はライブ感を伝えるため作業場の現場にて開催。
  • 登壇者|陶正徳氏、金谷勉氏
  • 参加方法|専用ページの参加フォームより必要情報を入力。イベント事務局より zoom の URL をメールにて送付。(申し込み締め切り:11月6日(金)23:59)
  • 参加費|無料
問い合わせ先

コトモノミチat TOKYO
https://coto-mono-michi.jp/