ミニマルでユニバーサル……現代的デザインを京都の伝統的手法で

デザイナーのアンドレア ポンティ氏は、「ヨーロッパとアジア、工業デザインと伝統工芸。ふたつの文化、ふたつの物のつくり方は、デザインによって近づくことができました。リサーチや実験のためではなく、それら共通のマーケットのために実用性のあるものを考えました。キッチンナイフシリーズFUSIONは、黒檀（黒）とハードメープル（白）という木材を使用し、職人の花岡一生氏により1本1本手作業で製作されています」と語る。

波刃のパン切りナイフと、平刃の多目的ナイフ

サイズが大きく波刃なのが「パン切りナイフ」で、サイズが小さく平刃が、チーズやフルーツ、ケーキカットなどに使える「多目的ナイフ」。安全で快適に使用できるよう、持ちやすさを考慮したデザインとなっている。また、刃と柄のあいだに継ぎ目がないため見た目に美しく、より衛生的な点も特徴だ。

パッケージには日本の伝統的な桐箱を使用。イタリアンデザインの考え方をもとに、ナイフを横に収めるのではなく、縦に収めることで、使いやすさとあたらしさを追求したデザインとなっている。

キッチンナイフシリーズ「Fusion」

価格｜パン切りナイフ（大）1万8000円

多目的ナイフ（小）1万2000円

素材（カラー）｜黒檀（黒）・ハードメープル（白）

※この商品は、オーダーメードで花岡一生氏より購入可能

Andrea Ponti（アンドレア・ポンティ）

Ponti Design Studio

http://www.andreaponti.com

Andrea Ponti｜アンドレア・ポンティ

1985年生まれ、イタリア出身。日常生活を向上させるための数多くの製品を開発している若手工業デザイナー。2006年ミラノ工科大学を卒業後、ミラノ工科大学修士課程へ進学。九州大学に交換留学生として一年間来日し、日本大手企業のインターンシップに数多く参加し、電気製品と輸送デザインを中心に学んだ。2008年、日本の「新幹線」にかんするプロジェクトでミラノ工科大学修士課程卒業。卒業後、九州大学に研究生として再来日し、2009年デザイナー村田智明氏のデザインスタジオ・ハーズ実験デザイン研究所にプロダクトデザイナーとして入社。2010年デザイナー山下順三氏のデザインスタジオ・スペースマジックモンに移り、2012年まで日本とイタリア間のイベントやミラノサローネなどの展示会も遂行した。

2011年から香港のPINEWAY ASIA LTD.とInnopocketのアートディレクター兼デザイナーとしても活躍している。2012年LGモバイルデザインコンペティションでグランプリを獲得。同年12月、香港にPONTI DESIGN STUDIO LTD.を設立。プロダクトデザインからブランディング（ロゴ・パッケージデザインなど）までデザイン業界で幅広く活躍している。アメリカ・香港・中国・ドバイ・インドなど、国際的な商品デザインに携わり、その作品は多くの国際的メディアに掲載されている。