JIMMY CHOO × ERIC HAZEのコラボを実現させた小木“POGGY”基史インタビュー | MEDICOM TOY
DESIGN / FEATURES
2021年10月8日

JIMMY CHOO × ERIC HAZEのコラボを実現させた小木“POGGY”基史インタビュー | MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|メディコム・トイ

JIMMY CHOO/ERIC HAZE CURATED BY POGGY

ラグジュアリーブランドのジミー チュウと、アーティスト兼デザイナーであるエリック・ヘイズによる限定コレクションが登場。この意外な組み合わせを実現させたのが、ゲスト スタイル キュレーターとして招聘された小木“POGGY”基史だった。シューズ、バッグ、革小物といった充実のラインナップに加え、BE@RBRICKも発売される今回の限定コレクションはすべてが衝撃的だ。

Text by SHINNO Kunihiko|Edit by TOMIYAMA Eizaburo

ジミー チュウとエリック・ヘイズ。共通点は「星」

ロンドンに拠点を置くジミー チュウのクリエイティブ・ディレクターであるサンドラ・チョイ(SANDRA CHOI)、ニューヨークを拠点とするアーティスト/デザイナーのエリック・ヘイズ(ERIC HAZE)、日本を代表するファッション・キュレーターのPOGGY。
そんな才能豊かな3人が集まり、世界的な3つの都市、独特な3つの視点によって生み出される革新的なコラボレーションが実現した。
ジミー チュウの洗練されたモダンなスタイル、ヘイズの大胆で都会的な美学が融合された今回の限定コレクションでは、 メンズ、ウィメンズ、ユニセックスのシューズ、バッグ、革小物、そしてBE@RBRICKが展開される。
ここではゲスト スタイル キュレーターとしてキュレーションを行なった小木“POGGY”基史に、今回の限定コレクションについてのお話をうかがった。エリック・ヘイズ、サンドラ・チョイから届いたコメントも合わせて紹介していこう。
小木“POGGY”基史
Guest Style Curator
ストリートウェアとラグジュアリーをつなげる、メンズウェアのグローバルアイコン。1997年からユナイテッドアローズでファッションのキャリアをスタート。JIMMY CHOOのメンズコレクションを最初に買い付けたバイヤーの一人でもある。現在は独立しファッションキュレーターとして様々な活動をしている。

エリック・ヘイズをフィーチャーした理由

──まずは今回のコラボレーションのきっかけからうかがわせてください。POGGYさんは以前からジミー チュウ、エリック ・ヘイズと親交があったそうですね。
POGGY クリエイティブ・ディレクターのサンドラとは10年前、ジミー チュウのメンズコレクション立ち上げの際、当時ユナイテッドアローズのバイヤーだった僕が、ミラノのショールームで買い付けさせてもらったのが最初です。サンドラとは同世代で、お互いロック好きという共通点もあって、すぐ意気投合しました。
エリックとは2000年代の頭、SHIPSのコンセプトショップが企画した個展で来日したときに会って以来のつきあいです。専門学校生だった頃、僕は地元のヒップホップショップで買ったHAZEのTシャツを着ていました。ビースティ・ボーイズのアートワークを手がけていたり大好きなアーティストです。
ジミー チュウはアイコンとして星のスタッズをよく使うんです。これはサンドラの好きなロックのイメージから来ているのですが、エリックもまた違った視点で星(クラシックスター)をシグネチャー・モチーフとして使っています。
星と星で共通点もあるし、サンドラはビースティ・ボーイズも好きだったので、一見意外ですけど実は共通している部分があるなと思い提案させていただきました。その後、昨年1月にロンドンでサンドラと会って、彼女はすぐにニューヨークのエリックのスタジオへ打ち合わせに出向きました。僕もその後行く予定でしたが、コロナで渡航が難しくなってしまったので、そこからはWhatsAppなどでやりとりしながら進めました。
──今回のコレクションでは様々なアイテムが展開されますが、ゲスト スタイル キュレーターとして最も大切にした部分は何でしょう?
POGGY 僕は、カジュアルはアメリカが最高峰だと思っているんですけれども、イギリスはイギリスでまた別のよさがあって。サヴィル・ロウ(Savile Row)やジャーミン・ストリート(Jermyn Street)に代表されるジェントルマンカルチャーの最高峰と、ショーディッチ(Shoreditch)やダルストン(Dalston)のようなストリートカルチャーが入り混じる街って世界で他にないんです。僕は音楽でもジミ・ヘンドリックスとかローリング・ストーンズ、ビッグ・オーディオ・ダイナマイトみたいにアメリカとイギリスをミックスした感じが大好きなので、両方のよさをうまく融合できたらいいなと思っていました。
同時にエリックにとってリアルな80年代と、僕とサンドラが影響を受けた90年代も意識しました。80年代はキース・ヘリングがタキシードにバッシュを合わせて履いていたり、日本だとアメカジのトラッドなローファーとかトートバッグといった、また別のトレンドがあった時代です。そういった空気感をミックスしたら面白いんじゃないかという提案を僕からさせていただいて、最終的なデザインはジミー チュウがおこなっています。

「ランプみたいなBE@RBRICKを作りたい」と言ったエリック

──今回の限定コレクション商品展開の中にBE@RBRICKが入っていることもサプライズですが、これもPoggyさんから提案されたんですか?
POGGY そうです。女性だったらいつかは自分の大きいクローゼットを持って、そこにシューズを並べたい願望って昔からあるじゃないですか? 近年、海外の男性の間ではクローゼットにトレンドのスニーカーを並べて、一緒にお気に入りのアートやアートトイを飾るカルチャーがトレンドになっているんです。日本ではなかなか住宅事情もあるので難しいですけれども。
メディコム・トイさんは昔からストリート発のアーティストをサポートしていますし、エリックとも1点物や100%のBE@RBRICKを作ったことがあったので、このタイミングで400%、1000%のものができたらいいなと思って。サンドラもBE@RBRICKのことは以前から知っていたので、ぜひ作りたいという話になりました。
エリックは「ランプみたいなBE@RBRICKを作りたい」というアイデアを提案してくれました。クローゼットに飾って使えるものがいいねって。なので、1000%に関しては電池でなくUSB接続で常時点灯することも可能です。
ただ光るだけではなくランプをクラシックスターの形にしたり、透明部分のエリックのアートワークに光沢のある加工を入れてもらいました。これはサンドラがジミー チュウとして大切にしていることのひとつに「グラマー」というキーワードがあるので、BE@RBRICKにその要素を取り入れたいねという話し合いから生まれました。この加工を入れて、さらにプリントする作業は結構大変だったみたいですね。
完成したBE@RBRICKはサンドラもエリックもみんな大満足してます。

レディースならではの手法が面白い

──今回のコレクションをきっかけに、どんな広がりを望んでいますか?
POGGY ラグジュアリーブランドの中でもジミー チュウって結構コンサバティブな方だと思うので、そういう人たちが靴以外のことに興味を持つきっかけになればいいなと思います。
(左から)フーディー 価格|9万9000円 リース(カードケース) 価格|各5万600円 ジェイシー チェーン カードホルダー 価格|6万500円
個人的にはトートバッグが気にいっています。OPENERS読者にもぜひお勧めしたいですね。レディースが強いブランドなので一見エリック・ヘイズのアートワークと見えないんですけど、実はそれが刺繍だったり、ちょっと浮き出るような発泡プリントになっていたり、レディースならではの表現テクニックをすごく感じました。スニーカーもベーシックだけどソールにうっすらとグリッターが混ざっていたり。メンズだともうちょっと保守的になっちゃうところ、レディースの手法が入っているのがすごく面白いなと思いましたね。
ショッパートート エス(左から)価格|18万8100円、19万6900円、17万1600円、17万1600円 マイクロトート 価格|3万5200円
もともと僕がジミー チュウのメンズコレクションをいいなと思ったのは、内羽根のストレートチップとかサイドゴアブーツといったベーシックなものにグラマーな要素を入れて展開していたことなんです。90年代のHAZEの洋服もベーシックなものに彼のアートワークが乗っていたものが多かったので、それのアップデート版を目指したというか。僕が入ることでメンズファッションにとって大切なものにより近づきたかった、みたいな感じですね。
エズラ(ローファー)価格|各10万8900円 フォックスレー(タッセルシューズ)価格|各11万4400円
ジミー チュウもイギリスベースなので、ベーシックな部分をちゃんと尊重しているんです。サンドラの叔父のジミー チュウ氏は靴職人で「メンズはストレートチップの靴がすごく大切だ」と言われていたそうなんです。サンドラ自身も「メンズはストレートチップの靴が一番のパーティシューズだよね」と話していて、確かにそうだなって。セレモニーに近いパーティに行くときは靴って本当に大切なので。そういう感覚はロンドンならではだなと感じます。
エリック・ヘイズ(ERIC HAZE)
Artist & Graphic Designer
NY在住のグローバルアーティスト。キース・ヘリングやバスキアと並び称され、そのストリートとヒップホップへの造詣深いアートが世界で、特に東京で人気が高い。

BE@RBRICKはとてもかっこよくて気に入っています

──モチーフである「星」に込めている思いを教えてください。
ERIC 昔から星は自分のグラフィックのアイデンティティとして使用してきました。自分の名前を書くときも、アブストラクトな絵を描くときも、自然と星を描いてきました。そしてこの10年間くらいはグラフィックアイコンとしての星と、ブランドロゴの星も意図的に使い分けてきました。
星は私の個人的なアイコンであると同時に、アーティスティックな表現にも使用しています。
──BE@RBRICKのイメージや評価している点はどこですか?
ERIC BE@RBRICKは、これまでトイとしてみられたものをアートオブジェクトにした点がすごいと思います。メディコム・トイという会社は、アートコラボレーションのマーケットの価値を高めてきました。何回かコラボしたことありますが、また一緒に仕事ができてとても光栄だと思っています。
──今回、BE@RBRICKをデザインするにあたり重視した点はどこですか?
ERIC BE@RBRICKとのコラボは今回で3回目になります。最初の2回は自分のブランドとでした。今回はジミー チュウというブランドも入った初めての3方向コラボレーションで、サンドラとポギーと、これまでより民主的な手法でデザインも進めました。
2005年2月発売
BE@RBRICK WORLD WIDE TOUR
BE@RBRICK 10 PC SET (B)にラインナップ
※購入不可
2010年12月発売
BE@RBRICK SERIES 21(クローズタイプ)
※購入不可
© ERIC HAZE
BE@RBRICK TM & © 2001-2021 MEDICOM TOY CORPORATION. All rights reserved.
──完成したBE@RBRICKの感想をお願いします。
ERIC とてもかっこよくて気に入っています。このモデルでは初めて内部照明を追加することができました。外側のアートワークは抽象的な絵画のようで、内側はスター・アイコンのアイデンティティをよりグラフィカルに表現しています。
また、全体的にモノトーンでまとめられている点も気に入っています。
これまで自分のBE@RBRICKはポップな色を使っていましたが、今回はエレガントに仕上げています。JIMMY CHOO / ERIC HAZE CURATED BY POGGYのコレクションが表現するハイエンドな 「ストリート・ラグジュアリー」を忠実に再現しつつ、私たち3人の個性も表現しています。
このプロセスは、最初から真のクリエイティブ・コラボレーションでした。私たちはお互いに尊敬し合っているので、最終的にはとても自然にまとまりました。
──どんな場所に置きたいですか?
ERIC どのサイズかによります。100%は小さなディスプレイスペースに適していますし、400%は通常のシェルフに最適です。もちろん、1000%は部屋の中や汚れていなければ床に置いておくだけでもいいし、テーブルや大きめのディスプレイスタンドに置いても素敵ですよね。
最初の「BE@RBRICK WORLD WIDE TOUR」で手描きした1000%は、自分が手がけてきた多くの3Dオブジェクトやデザインプロジェクトとともにいまでもショールームに飾ってあります。
サンドラ・チョイ(SANDRA CHOI)
Creative  Director at JIMMY CHOO
10代からブランドの創設者であり、叔父であるジミー・チュウ氏の元で研鑽を積み、クチュールシューズの製造に必要なノウハウをマスター。1996年のJIMMY CHOO設立以来、クリエイティブ・ディレクターとして活躍。

今回のコレクションのテーマは「Chasing Star」でした

──モチーフである「星」に込めた思いを教えてください。
SANDRA 星はブランドのエンブレムのひとつで宝石ともリンクされており、そのデザインは多面的です。
エリックと最初にコレクションのアートワークについて話したとき、彼は彼が描く特徴的な方法は星であり、これがプロジェクトのバックボーンになったと言いました。デザインに星を使用することで、私たちのアイデアすべてがうまく融合したと感じました。
今回のコレクションのテーマは「Chasing Star」だったので、星のモチーフは本当にすべてを結びつけています。
──BE@RBRICKのイメージや評価している点はどこですか?
SANDRA BE@RBRICKはとてもアイコニックなコレクターアイテムであり、芸術の対象であり、誰もが所有したいと思うアイテムだと思っています。それがこのプロジェクトによってまた別のレイヤーが生まれ、3人の絆もより強くなりました。
──今回、BE@RBRICKをデザインするにあたり重視した点はどこですか?
SANDRA ジミー チュウが大切にしているクリスタルのように、光を反射する透明度を持たせたいと思いました。玉虫色に輝き、内側には光を放つ小惑星がある。いわば星の瞬きを見るために宝石を覗き込むようなものになれば、と。
──完成したBE@RBRICKの感想をお願いします。
SANDRA これを実現するためにエリックとポギーと一緒に過ごせて本当に嬉しいです! 素晴らしい結果にもとても満足しています。
──あなたはこのBE@RBRICKをどんな場所に置きたいですか?
SANDRA 自宅に飾るつもりです。私はかなりの数のアートコレクションを所有していますが、ロブ・プルイット(Rob Pruitt)の天使と悪魔のミノディエールと、ジェフ・クーンズ(Jeff Koons)のピンクメタリックモンキーとラビットの貯金箱の間に置こうと思っています。
※今回のコレクション(BE@RBRICKを除く)は、10月11日より全国のジミー チュウブティック(一部店舗除く)および公式オンラインブティック、2G、KITH TOKYOなどで発売予定。
BE@RBRICK JIMMY CHOO 100% & 400% / 1000%
サイズ|各全高約70mm/280mm/700mm
価格|[100% & 400%]2万9700円(税込)/ [1000%]13万2000円(税込)
発売日|10月16日よりジミー チュウ公式オンラインブティック、2Gなどで数量限定発売
BE@RBRICK TM & ©︎ 2001-2021 MEDICOM TOY CORPORATION. All rights reserved.
2G TOKYO(ツージー・トーキョー)
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 2F
営業時間|11:00~20:00
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から当面の間営業時間を短縮
定休日|不定休
TEL|03-6452-5003

2G OSAKA(ツージー・オオサカ)
住所|大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-8-3 心斎橋PARCO2F
営業時間|10:00~20:00
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から当面の間営業時間を短縮
定休日|不定休
TEL|06-4256-3997
<JIMMY CHOO公式オンラインブティックからの購入方法>
①    JIMMY CHOO公式LINEアカウントでお友達登録をお願いします
②    送られてきたウェルカムメッセージに記載された特設サインアップページURLにアクセスのうえ、サインアップ(登録)をお願いします
③    ご登録いただいた方を対象に、JIMMY CHOOから特設購入ページのURLをメール送信いたします
④    特設購入ページにアクセスのうえご購入ください
     JIMMY CHOO 公式LINEアカウントQRコード
問い合わせ先

メディコム・トイ ユーザーサポート
Tel.03-3460-7555

                      
Photo Gallery