Gallery & Shop DO|ギャラリー&ショップ ドー
Design
2015年4月22日

Gallery & Shop DO|ギャラリー&ショップ ドー

ギャラリー&ショップ ドー|Gallery & Shop DO
現代のライフスタイルにかなった選りすぐりのアイテム

東京・目黒通り。90年代中ごろよりインテリアデザインの流行の発信地として、個性豊かなさまざまなショップがあつまるこのエリア。今回は今年4月にリニューアルオープンしたCLASKA(クラスカ)にあるNIPPONをテーマにしたコンセプトショップ「ギャラリー&ショップ ドー」を紹介。

写真と文=加藤孝司

デザインとはコミュニケーションを発生させる手段

以前より目黒通りのランドマークとして注目を集めるクラスカ。そのクラスカが、ホテルからNIPPONをテーマにした複合施設としてリニューアルオープンしたのが今年4月のこと。「ギャラリー&ショップ ドー」は、その2階に空間を構えるギャラリー&ショップだ。

通りに面した大きな窓から光がやわらかく射し込む店内。空間全体には、そこに置かれたモノたちがかもしだすおだやかな空気と、控えめに流れる音楽がバランスよくみちて、知的な雰囲気にあふれている。

アンティークのテーブルやショーケースには日本の古き良き手仕事の中から生まれてきた日用品と、この国にめばえた新しい感性がつくりだす、現代のライフスタイルにかなった選りすぐりのアイテムがならぶ。ショップの上階にある和をコンセプトにしたホテルには海外からの宿泊客の方も多い。ドーはそんな海外からのビジターにとって、東京にいながらにして日本中の選りすぐりの逸品に出あうことができるスーベニアショップでもある。

日本人の感性を日本人によってまっとうに再構成すること。日本人が大切にしてきた手仕事によるものづくりの根底には、日常をより良く美しくしようという「デザイン」という考えかたは当たり前のようにあった。デザインとは日常を豊かにする「アイデア」そのもののことだ。

ドーは、モノと人、人と人との出会いの場でもある。

「デザインとはコミュニケーションを発生させる手段であり、いかに多くの影響力のあるコミュニケーションを生じさせることができるのか。それがデザインに求められていることのひとつだと思います」

ドーの責任者であり、クラスカのクリエイティブディレクターである大熊健郎氏はそう語る。

まさに優れたデザインは良好なコミュニケーションを生み出すきっかけになる。この店を訪れる海外からのゲストにとって、言葉を抜きにしてふれることのできるクラスカが見立てたNIPPONのデザインは、この国のカルチャーや人とのコミュニケーションのための手段のひとつになっているようにみえる。それは私たち日本人にとっても、忘れかけていた日本の伝統の再発見にもつながるだろう。

もう一方にあるのが、この国の風土を豊かに反映させて暮らしの中から生まれてきた具体的な道具と、それをつくり出してきた手仕事というクラフトの存在。

「クラフトにはデザインという観点で語るべきこともたくさんあると思います。素足で砂浜を歩く気持ちよさ、手を動かしてモノをつくる喜び、五感にうったえる要素が多ければ多いほど本当の意味で情報量が多い、すなわち『豊か』であるということなのでしょう」

ほんの少し今より丁寧な暮らしをこころがけること、身の回りを見渡す心の余裕をもつ工夫ひとつで、日々の暮らしはゆっくりとかわっていく。

ギャラリー空間で開催される企画展にも注目が集まる。訪れたときに開催されていたのは、かつて池尻大橋で「push me pull you」という伝説的なショップを営んでいた澄敬一さんの個展。澄さんの手がつくりだすモノづくりの根源にせまる、静かだが迫力のある展示物がギャラリー空間全体をゆるやかにつつんでいた。

親しみを込めて「NIPPON」とよびうる、この国に生まれた伝統と技術。いま私たちの暮らしのなかで本当に必要なのはあたりまえでありきたりな、そんな日常のなかから生まれてくる知恵のようなものだろう。そんなことに気づかせてくれるショップだ。

ギャラリー&ショップ ドー|Gallery & Shop DO<br><br>現代のライフスタイルにかなった選りすぐりのアイテム

Gallery & Shop DO|
ギャラリー&ショップ ドー

東京都目黒区中央町1-3-18 2F
営業時間|11:00~19:00
定休日|無休
Tel. 03-3719-8124
http://www.claska.com/gallery/

           
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