深澤直人デザインの世田谷区「犬の鑑札」
Design
2015年3月10日

深澤直人デザインの世田谷区「犬の鑑札」

問題を解決するデザイン──
世田谷区の「犬の鑑札」が変わります

トウキョウのインテリア&デザインの最新情報やイベントリポートなどを厳選──今回は深澤直人氏がデザインした、世田谷区の犬の鑑札を紹介します。

文=武井正樹

致死されていく犬たちの問題に直視し、デザインやアートの力でその現実を明確に伝えていくことを目的に結成された「ただのいぬ。プロジェクト」。これまでの活動は、書籍の刊行、各地イベントなど多岐に渡り、そのなかで「犬の鑑札」の重要性が訴えられてきた。

「犬の鑑札」とは、生涯一度の犬の登録をした際に交付されるもの。鑑札をつけていない迷子犬や徘徊犬は、「狂犬病予防法」により保護拘留となり、約一週間以内に飼い主が引き取りにこないと致死処分されてしまう。

たとえ迷子になっても、鑑札がついてさえいれば守られる命。しかし「気に入らない」「うるさい」「似合わない」など人間(飼い主)の一方的な理由と認識の浅さから、犬たちは命を断たれてしまう現実……平成18年度、全国で処分された12万頭のうち、大半の犬が、鑑札を付けていないことが原因なのだ。

このたび、「ただのいぬ。プロジェクト」の活動に賛同したプロダクトデザイナー・深澤直人氏が、世田谷区の犬の鑑札をデザインした。


薄くておおきなものを、小さくてころっとした固まりに変え、
ぴかぴかなものが傷ついてよごれていくよりも、
傷や劣化が味になっていくアルミを使いました。
金属の固まりが渋くなっていくことは、
愛犬との付き合いが深まっていくことです。

──深澤直人さんのコメント

この新しい鑑札が、飼い主の意識を変え、人にとっても犬にとっても暮しやすい街づくりへと繋がっていくのではないだろうか。

世田谷区の犬の鑑札は平成21年4月1日より交付開始。

9月には、世田谷キャロットタワーで、ただのいぬ。プロジェクトによる「ただしいいぬ。展」を開催。犬鑑札の実物も展示する予定とのことだ。


ただのいぬ。プロジェクト
http://www.setagaya-ac.or.jp/ldc/tadanoinu/

鑑札についてのお問い合わせ先|世田谷保健所 生活保健課
衛生事業係|03-5432-2908

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