ベントレー、「ブロワー コンティニュエーションシリーズ」プロトタイプの組み立てを開始|BENTLEY

フレーム(右)とオリジナルボディ(左)

CAR / NEWS
2020年8月20日

ベントレー、「ブロワー コンティニュエーションシリーズ」プロトタイプの組み立てを開始|BENTLEY

BENTLEY Blower Continuation Series’ Prototype|ベントレー ブロワー コンティニュエーションシリーズ プロトタイプ

ベントレー、「ブロワー コンティニュエーションシリーズ」プロトタイプの組み立てを開始

ベントレーは、90年以上ぶりとなる新しいベントレー「ブロワー」の生産を、ベントレーマリナーのビスポーク工場で正式に開始したと発表した。「カーゼロ」は、サー ヘンリー’ティム バーキン‘が開発し、レースに出場したベントレー独自の1929年のチームカーのデザインをもとに設計した手作りの4.5リッタースーパーチャージャーを搭載した12台のベントレー「ブロワー コンティニュエーションシリーズ」のエンジニアリングプロトタイプ。この12台は戦前のモデルとしては世界初のコンティニュエーションシリーズとなり、全ては先行予約済みという。

Text by HARA Akira

W.O.ベントレーが設計した4.5リッターエンジンは最高出力約240psを発生

今回のワークショップにおいて最初に完成した部品は、同プロジェクトの骨格であり全てのパーツが取り付けられるシャシーだという。続いて燃料タンクとラジエーター、ついでアッシュフレームが完成。その後、ヘッドライト、アマースト・ヴィラーズのスーパーチャージャーをリメイクしたエンジン、フロントアクスルアッセンブリー、リーフスプリングなどが組み合わされはじめた。
燃料タンク
パーツは、ベントレーが所有する#2チームカーをパーツごとに分解し、フレームとその部品を精密にレーザースキャンした後、その完全デジタルCADデータと、1920年代のオリジナルエンジニアリング図面と下書きを組み合わせることで、新部品をオーダーしたという。
シャシーはイスラエル「ニュートン&サンズ」社のスペシャリストによる手作りのもので、熱間成形で仕上げた厚鉄板製。また、鏡面研磨したニッケルメッキのラジエーターシェルや、スチールと銅で形成された手打ちの燃料タンクなど、ブロワーの主要部品を正確に再現したのは、バイチェスターヘリテイジに拠点を置く「ビンテージカーラジエーターカンパニー」だ。
リーフスプリングとシャックルは、約75年の経験と鍛冶屋の鍛冶場から始まった歴史を持つ「ジョーンススプリング」社のオリジナル仕様。ブロアーのアイコンであるヘッドランプは、シェフィールドにある「ヴィンテージヘッドランプ レストレーションインターナショナル」社によって再生産されたものだ。
W.O.ベントレーが設計し、NDR社のネイル デイビス氏によって再現された4.5リッターエンジンは、アルミニウムピストン、オーバーヘッドカムシャフト、4バルブ、ツインスパークイグニッションなど、1970年代のスポーツカーエンジンが誇るような多くの革新的技術を搭載しており、新たに機械加工したアマースト・ヴィラーズのルーツタイプのスーパーチャージャーを正確に再現したものを搭載することで、最高出力約240psを発生する。
エンジンとスーパーチャージャー
今後数週間で、カーゼロのための部品がどんどん完成し、試着される予定。新しいエンジンとスーパーチャージャーは、クルーにあるベントレー独自のエンジン開発テストベッドで試運転され、最終組み立てが始まる前にはシャシーに時代に合わせた塗装が施される。完成したカーゼロは秋に初公開される予定だが、それはこの特別なプロジェクトの12人の顧客に披露された後になるという。
ベントレー・マリナーのティム・ハニング氏は、「約1年に及ぶ詳細なエンジニアリング作業を経て、90年以上ぶりのベントレーブロワーを再現するための最初の部品が完成したことは、非常にやりがいのあることです。何百もの個々の部品の仕様を完成させた当社のエンジニアとその技術は、私たちが今、ボルトで固定し始めたその部品を手作りした全国の職人の技術に匹敵するものです。私たちは設計を改良し、問題点を修正していきますが、これこそがまさに試作品を作るための作業です。この最初のクルマを完成させ、今年の後半に世界に披露することに、私たちは本当に興奮しています」とコメントしている。
問い合わせ先

ベントレーコール
Tel.0120-97-7797
https://www.bentleymotors.jp/

                      
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