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2021年9月9日
ポルシェ、フル電動モータースポーツのコンセプトモデル「ミッションR」を発表|Porsche
Porsche Mission R|ポルシェ ミッションR
ポルシェ、フル電動モータースポーツのコンセプトモデル「ミッションR」を発表
ポルシェは9月7日、独ミュンヘンで開催中のIAA 2021で、最先端のテクノロジーと持続可能な素材を融合したフル電動コンペティションカーのコンセプトモデル「ミッションR」を発表した。
Text by HARA Akira
フル電動カスタマーモータースポーツに対するポルシェの展望を示すモデル
ミッションRのボディサイズは、全長4,326×全幅1,990×全高1,190mm。エクステリアは、ノーズセクションとリアウイングにドラッグリダクションシステム(DRS)を備えたポルシェアクティブエアロダイナミクス(PAA)を装備。そのボディは、農業で得た亜麻繊維を基本素材とした天然繊維強化プラスチック(NFRP)でできているのが特徴で、フロントスポイラーリップ、ディフューザー、サイドスカートなどにそれが使用される。またポルシェのエンジニアとデザイナーが“exsoskeleton”(エクソスケルトン)と名付けた新開発のカーボンルーフ構造は、セーフティケージとルーフパネルを組み合わせたものになっている。
インテリアは、レース中の関連データを表示するステアリングホイールスイッチ間のディスプレイや、サイドとルームミラーからの画像を表示するステアリングコラム上のモニターなど、あらゆるエリアでドライバーに焦点が当たるようデザインされている。また、シート右側のタッチディスプレイを使用するとドライバーの生体認証データが呼び出せたり、多数の車内カメラによりライブストリーミングの提供ができたりもする。
パワートレーンは新開発の2つの電気モーターで、フロントは320kW(435ps)、リアは480kW(635ps)を供給し、予選モードでは最高出力800kW(1,088ps)、レースモードで500kW(680ps)を発生。動力性能は、0-100km/h加速2.5秒未満。最高速度は300km/hを超え、サーキットでは現行ポルシェ911 GT3カップと同じラップタイムで周回できるという。
バッテリーセルは革新的なオイルクーリングを装備することでディレーティング(熱条件による出力低下)を取り除くことができた。充電は、高度な900Vテクノロジーとポルシェターボチャージャーにより、15分で5~80%まで回復。最大340kWで充電することが可能になっている。
ポルシェミッションRプロジェクトは、現行ポルシェカレラカップのようなフル電動カーによるワンメイクシリーズの未来を示すとともに、リアルレースとバーチャルレースをこれまで以上に近づけており、まったく同じ形式のモノコックドライバーズモジュールは、eスポーツシミュレーターとしても機能するという。
「ポルシェは夢を実現する人々のためのブランドです。これはモータースポーツにも当てはまります。私達はサーキットで革新的な強さを体験し、新しい道を追求する勇気を示し、クルマのオーナーにスポーツカー然とした性能で喜びを与えます。フォーミュラE世界選手権への参戦に加えて、私達はここでE-モビリティの次の大きな一歩を踏み出します。このコンセプトモデルは、フル電動カスタマーモータースポーツに対する当社の展望を示します。ミッションRには、ポルシェを強くする全てのもの、つまり性能、デザイン、持続可能性が具現化されています」とポルシェAGの取締役会会長のオリバー・ブルーメはコメントしている。
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