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2021年5月5日
ランボルギーニ ミウラの最終進化形ミウラSV初披露から半世紀。その伝説を追う|Lamborghini
Lamborghini Miura SV|ランボルギーニ ミウラ SV
ミウラの最終進化形ミウラSV初披露から半世紀。その伝説を追う
ランボルギーニの「ミウラSV」が1971年3月にジュネーブモーターショーで初披露されてから50年を迎えた。ランボルギーニのプロダクションの中でも最も高い人気を誇る“スーパーカー”誕生の足跡を追う。
Text by YANAKA Tomomi
“まつげ”をつけた、たった1台のミウラSV
大成功を収めたP400(ミウラ)プロジェクトの最終進化形として誕生したミウラSV。「ヴェローチェ(超高速)」を意味するVを冠したミウラSVは、当初Sシリーズに不随するモデルとして構想されてきたが、SVのあまりの反響に結果的にはSシリーズの後継になった経緯がある。
4リッター12気筒のミウラSVのエンジンは最高出力を385hp(390ps)に高め、トルクの特性(40.7kgm/5,750rpm)を改良したことで運転性能が向上。ウェーバー製のトリプルバレルキャブレターのセッティングも変更し、SVの生産開始後だったもののエンジンとギアボックスで独立した潤滑システムを導入したことが大きな改良につながり、スタンディングスタートから1kmまでを24秒未満で走行し、最高速度は290km/hを記録。当時としては記録的な性能が生み出された。
ほかのミウラと同じく、エンジンをリアミッドに横置きするというレイアウトは変わらなかったものの、ミウラSVは剛性の強いシャシーやアンカーポイントとアームが改良されたリアサスペンションなどを採用。フロントとリアのタイヤサイズも変更し、リアは7インチから9インチにサイズアップされている。
技術的な変更に伴いエクステリアにも変更が必要となり、ミウラのオリジナルプロジェクトを担当したマルチェロ・ガンディーニがミウラSVもデザインを担当。拡大されたリアフェンダーや新設されたラジエーター用エアインテークが印象的なフロントボンネットなど、オリジナルよりもさらにスポーティなものに仕上げられた。
そして、最も大きな変更点となったのは、ヘッド周りの有名な「アイラッシュ(まつげ)」がなくなってしまったこと。アイラッシュの組み立てと完璧な仕上げが非常に高度で時間を要するため、創業者フェルッチオ・ランボルギーニが廃止を決定したものの、彼自身のミウラSVにはアイラッシュを残しており、それがこの仕様を採用した唯一のミウラSVとなっている。
150台が生産されたミウラSVは1973年初めに生産を終了。その後1975年にカナダの石油王でF1にも参戦したウォルター・ウルフのために最後の1台が特別に製造された。
ミウラSVの生産終了とともに、しなやかなラインのスーパーカーが一世を風靡した時代は終焉。しかし、誕生から半世紀を向けた今も色あせることのないミウラSVの存在感は、今でも私たちを惹きつけてやまない。
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