ルノー・カングー(前編)|趣味大国フランスの実用車
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2015年3月5日

ルノー・カングー(前編)|趣味大国フランスの実用車

RENAULT KANGOO|ルノー・カングー(前編)

趣味大国フランスの実用車

日本でもっとも売れているルノーである、多目的車のカングーがフルモデルチェンジを受け、ルノージャポンよりリリースされた。ひとまわり大きくなった新型の真価とは?

文=小川フミオ写真=ルノー・ジャポン

ボディは全長で18cm大型化

新型カングーの特徴はサイズが大型化して室内空間に余裕が出たこと。日本のメーカーではなかなか作れない個性的なデザインだが、欧州的なライフスタイルをもつユーザーなら、意外に重宝しそうだ。

フランス車の魅力は──日常づかいにすぐれることだろうか。フランスをレンタカーなどで旅したひとはおわかりのように、家族で旅行に出かけたり、趣味の道具を積み込んだり、という使いかたをしているひとがいたるところにいる。ワインの醸造所が多い地域では、大量に買い付けたワインを荷室に積みこんでいるシーンにお目にかかることも多い。そんな生活が、長野や山梨にワイン農家が増えたり、地方で地場野菜などが豊富に買えるようになったりと、日本でも珍しいものでなくなっている。もちろん釣り、ダイビング、キャンプなど、道具を使う趣味をもつひとも多い。そこで、趣味大国フランスの実用車に注目するのもいいかもしれない。

ルノーのカングーはフランスでもトップセールスを誇るモデルで、シートアレンジが豊富な機能性にくわえて、意外にもしっとりした乗り心地、きびきびと走る操縦感覚など、さまざまな面で高得点をあげられるモデルだ。新型カングーは、旧型よりホイールベースが10cm伸び、全長で18cm、全幅で15cm、全高で2cmとひとまわり大きくなったボディを搭載するうえ、リアウィンドウが巻き上げ式で完全に下までおろせるようになったりと、細部にいたるまで徹底的に改良がくわえられている。

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室内の多用途性に感心

新型カングーのベースになったのは、ミニバン分野でやはり欧州で人気の高いセニック。ややおおぶりのセニックのプラットフォームを使った理由は、本当は欧州の荷物の規格に合わせた荷室の大型化にある。乗用車版においてその恩恵は、ボディの剛性があがり操縦安定性が増し、室内騒音が下がったところにあらわれている。くわえて、サイドガラスの厚みを増したり、遮音材の積極的な使用もあって、室内騒音は先代より50パーセント下がっているのも特筆すべき点だ。

感心するのは、室内の多用途性だ。座席は前後2列だが、運転席以外は折りたたむことで床をフルフラット化できる。2.5mの長尺物も搭載可能だ。あるいは必要に応じて座席を折りたたむことで、乗員と荷物を効率よく大量に運べる。荷室の使い勝手も考えられていて、上下2段調節式のパーセルシェルフで大量の荷物が積める。海や山へいったりする趣味をもつひとなら、いちどカングーを使ってみると、機能性の高さに驚くと思う。

ルノーコール
0120-676-365(受付時間9:00~18:00 年中無休)
http://www.renault.jp

           
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