BMW ACTIVE HYBRID 7|レクサス LS600hの好敵手
BMW ACTIVE HYBRID 7|ビー・エム・ダブリュー アクティブハイブリッド 7
レクサス LS600hの好敵手
BMWは、7シリーズにハイブリッドモデル「アクティブハイブリッド7」を設定することを発表した。
文=ジラフ
4.4リッターV8ツインターボ+電気モーター
BMW アクティブハイブリッド7搭載されるシステムはマイルドハイブリッドと呼ばれるもので、エンジンとトルクコンバーター間に内蔵されるモーターが、走行中にエンジンをアシストするというものだ。
エンジンには4.4リッターV8ツインターボが採用され、ここに最高出力15kW(20hp)、最大トルク210Nm(21.4kgm)のモーターが組み込まれる。バッテリーは、リチウムイオン電池を採用。これにより、システム全体で最高出力465ps、最大トルク71.4kgmを発生、8速ATの組み合わせで、0-100km/h加速で4.9秒を記録するという。
約15%の燃費向上
また回生ブレーキやアイドリングストップ機能を採用することで、さらなる燃費走行を実現。エンジン停止中でもこの「アクティブハイブリッド7」はエアコンが作動するので、真夏のドライブ前にエンジンをかけずに室内温度を下げることも可能だ。
気になる燃費は、リッターあたり約10.6km/lを記録。この数値は750iと比べ約15%の燃費向上となる。
この新型モデルは、標準ボディの「アクティブハイブリッド7」とロングホイールベースの「アクティブハイブリッド7L」が設定され、9月のフランクフルトショーで正式にデビューの予定。その後、2010年春頃にメインターゲットとなるアメリカでの販売が開始される。
BRAND HISTORY
“キドニーグリル”と丸目四灯ヘッドライトにより、ひと目でそれとわかるフロンマスクが特徴のBMW。日本の輸入車市場においても常に高い人気を誇っているが、その名前が何を意味するのか、即座に答えられるひとは意外に少ないのではないだろうか。
Bayerische Motoren Werke(バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ)。直訳すれば「バイエルン地方のエンジン工場」という意味だ。前身だったラップ社は、カール・フリードリッヒ・ラップが1913年にドイツのバイエルンに設立した航空機用エンジンのメーカーで、おなじバイエルンの機体メーカーのオットー社と組んで、ビジネスを成功に導く。1916年にはバイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ有限会社と改称。2年後には株式会社に組織変更するとともに、バイエルンの青い空と白い雲をイメージしたプロペラのロゴマークを登録している。
その後も革新的な技術により存在感を高めたBMWだったが、第一次世界大戦の敗戦により、航空機エンジンの製造中止を余儀なくされた。そこでBWMは、もてる技術をモーターサイクルに注ぎ、1923年にはシャフトドライブの「BMW R32」を発表して注目を浴びることに。しかし、それだけでは飽きたらず、オースチンセブンをライセンス生産するディクシー社を買収。これにより自動車ビジネスの足がかりをつかみ、1929年には「BMW3/15 PS」を発売、自動車メーカーとしての歴史をスタートさせている。
ちなみに、BMWと深い関係にあったオットー社は、ガソリンエンジンの理論を確立したニコラウス・アウグスト・オットーの実の息子であるグスタフ・オットーが創立した会社。BMWが内燃機関にこだわるのは、このあたりに理由がありそうだ。