ディーゼルの波来る、日産、「エクストレイル」でディーゼル本格参入
ディーゼルの波、来る
日産、「エクストレイル」でディーゼル本格参入
日産自動車は、若者に人気のSUV「エクストレイル」に、最新ディーゼルエンジンを搭載した新グレード「20GT」を追加し、2008年9月18日に発売する。
最新ディーゼルは、クリーンで経済的
かつて“黒煙を吐く悪者”というレッテルを貼られ、わが国から事実上排除されたディーゼル乗用車だが、時はたち、特に欧州市場では目覚しい技術の進歩によりクリーンで経済的なディーゼルモデルが続々と誕生。同地域では新車登録の2台に1台はディーゼルという状況にまでなっている。
日本では、一時期壊滅されたといっても過言ではなかったが、メルセデス・ベンツの最新型ディーゼルモデル「メルセデス・ベンツE320 CDI アバンギャルド」(3リッターV6/858万円)が2006年秋に発売されると話題となり、これに続けと、内外の自動車メーカーは投入を考えているという。
今回エクストレイルに搭載されるディーゼルエンジンは、日産のパートナーであるルノーと共同開発した「M9R」と呼ばれる2リッターユニット。世界的にも非常に厳しいとされる日本の排出ガス規制「ポスト新長期規制」(2009年10月から施行)に適合した最初のモデルが「20GT」となる。
リッターあたり15.2kmの燃費
この最新コモンレール式ディーゼルエンジンの特徴は、3.5リッターV6ガソリンエンジン並みのトルクを低回転域から味わえることや、新開発の触媒装置で窒素酸化物(NOx)などの有害物質の排出を大幅に抑制できること、そして10・15モード燃費で15.2km/リッターと低燃費であること。
最高出力173ps/3750rpm、最大トルク36.7kgm/2000rpmというスペックからもわかるとおり、出だしから発生する太いトルクは、力強い加速を想像させる。また燃費は、「同等出力のガソリン2.5リッターエンジンと比較して約3割向上」と謳われ、原油高のこのご時勢には財布にもやさしい。さらに従来からの不快な騒音は、インジェクターなどの改良で静粛性を手に入れたとされる。
そんないいことづくしのエクストレイル・ディーゼル。唯一の難点は、トランスミッションが6段のマニュアルであるということ。ヨーロッパではなく、ここはオートマ天国の日本。どれほど浸透するかは……。日産は月100台を売りたいとしている。
4WD仕様で、価格は299万9850円。同車の最上位車種、2.5リッターガソリンモデルより40万円ほど高いが、燃費は1リッターあたり3.6kmもいい。