アートな「フィアット500」、チャリティオークションへ
CAR / NEWS
2015年4月23日

アートな「フィアット500」、チャリティオークションへ

アートな「フィアット500」、チャリティオークションへ

イタリアのコンテンポラリーアート界を代表するアーティストがペイントを施した、世界に1台しかない「フィアット500」が、「Yahoo! オークション」に出品されている。期間は7月5日から同月19日まで。収益金は、NPO法人「子供地球基金(KIDS EARTH FUND)」に寄付される。

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1台しかない500

イタリア語で500を意味する“チンクエチェント”の愛称で知られる「フィアット500」。そのコンパクトで愛くるしいボディをキャンバスに、画家ジュリアーノ・ゲッリ氏が楽しいイラストを描いたのが、今回出品される「FIAT 500 eco-art」(フィアット500 エコ アート)だ。

オークション開始価格は200万円。ちなみにベースとなる「フィアット500 1.2 8V ラウンジ」(3ドアの1.2リッター+ATモード付き5段シーケンシャル)の車両本体価格は225万円である。

その収益金は「子供地球基金」に寄付され、子どもたちのアートをとおして平和と地球環境の保護を働きかける活動につかわれるという。

エコロジーなクルマづくりを目指すフィアットと、『自然』などを題材に幻想的で生命力あふれる作品を生み出し続けるゲッリ氏、そして子供地球基金の三者が手を組んだ“エコでアートな500”というわけである。

なお落札者の発表と引渡しセレモニーは、フィアット グループ オートモービルズ ジャパンがサポートする 『NEW CLASSIC GIG in Japan ’08』 の前夜祭 (8月8日/東京国際フォーラム) で、各界著名人を招いて行われる。

FIAT 500 eco-art オークション
期間|2008年7月5日(土)- 7月19日(土)
公式サイト|http://www.fiat-auto.co.jp/newsrelease_20080704.html

BRAND HISTORY

イタリア最大の自動車メーカー。というか、イタリアにはフィアットとフィアット系列のメーカーしかない。数少ない例外は独フォルクスワーゲン傘下のランボルギーニ。1899年創業のフィアットは、当初f.i.a.t.。「トリノの自動車製造会社」の頭文字からなっていた。1907年には現在までつづくFIATと社名を改称する。

フィアットは1960年代から80年代にかけて、業績を大きく伸ばした。当時会長を務めていたジャンニ・アニエッリの拡張路線によるもので、クルマの生産は約20の国でおこない、自動車以外にもあらゆる輸送機器、さらには軍需産業にまで食い込んでいった。イタリア本国では、スモールカーから大型サルーン、さらにはスポーツカーやクーペなど、ニッチ商品の開発にも熱心に取り組み、それがマーケットを大きくしていった。

そもそもフィアットの事業の中心は大衆車。1930年代に507バリラ、それにつづく、500(チンクエチェント)トポリーノを発表する。ハツカネズミという、かわいらしい車名を与えられた2シーターのスモールカー、トポリーノは1950年代までマイナーチェンジを経ながら製造され、ハリウッド映画『ローマの休日』(1953年公開)でも活躍した。

バリラのほうは、1927年にはじまったイタリアの公道レース、ミッレミリアへの参加者に人気だった。数多くの工場が顧客の注文に応じてエンジンをチューンナップし、特別製のスポーティな車体を架装したクルマを製造した。安価で基本性能が高いバリラがミッレミリアの人気を下支えしたといえる。

1957年に今も日本で人気の高いチンクエチェントを発表。トポリーノの後継ということから、ヌオーバ(NEW)とサブネームがつけられていた。先立つ1955年に天才設計者ダンテ・ジアコーザが自らの理念をこめて設計した600が発表されたが、当時の社長はそのクルマを見て、「誰が自動車を設計してくれと頼んだかね。我われが欲しいのは、タイヤが4つついたベスパに過ぎないのだよ」と言い放ったという挿話が残っている。600は設計レベルの高さから、アバルトなど、スペシャリストなスポーツカーづくりのベースとして大いに役立てた。

イタリアの他ブランドの買収がはじまったのは1960年代。1968年にアウトビアンキを傘下に置き、同年にフェラーリの株式を50パーセント獲得。翌69年にはランチアを子会社化した。この年にシトロエン株を15パーセント得たが、70年代にはプジョー-シトロエンに買いもどされている。のちにフェラーリを完全買収。1986年にはアルファロメオを、1993年にはマセラティを買収した。2009年にはクライスラーの株式を35パーセント取得している。

現在のフィアットは、傘下ブランドとのすみわけを念頭に、スモールカーとミニバンをおもに手がけている。1970年代初頭に買収し、その後世界ラリー選手権でのめざましい活躍で世界中の自動車ファンにアピールした「アバルト」のブランドを有効に使い、アバルト・プントやアバルト500などで人気を博している。新世代の高性能/高効率エンジン開発も順調で、確実に世界マーケットの一角を占めている。
(2010年8月更新)

           
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