AUDI|アウディ A1 発表
AUDI|アウディ A1
GTIを超えたパワートレイン
アウディは、パリモーターショーで発表する、出力を増したエンジンとともに電子制御LSD装備でよりスポーティになった「A1」のスポーツグレード「1.4TFSI」の概要をあきらかにした。
文=ジラフ
最高時速227kmを支える強固な足
このモデルは、基本的にフォルクスワーゲン「ポロGTI」のエンジンと共通の直噴1.4リッター直列4気筒ガソリンエンジンを搭載。1500rpm以下ではスーパーチャージャー、3500rpm以上ではターボチャージャーで過給するツインチャージャーを採用し、最高出力は「ポロGTI」から5psアップの185ps、最大トルクは同数値の25.5kgmを発生する。もちろん環境性能も高く、欧州複合モード燃費は16.95km/ℓ、CO2排出量は139g/kmという数値を誇る。
また、このエンジンとデュアルクラッチトランスミッションの7速Sトロニックとの組みあわせることによって、0-100km/h加速6.9秒、最高速度を227km/hという卓越したパフォーマンスを実現。このパフォーマンスを支えるために足回りの強化がなされ、ブレーキディスクにも大容量タイプのものがおごられ、電子制御LSDつきのESPが標準で装備されるという。
この「A1 1.4TFSI」は、年内にはヨーロッパで発売される予定。ドイツでの価格は、2万2450ユーロ(約250万円)からとアナウンスされている。
BRAND HISTORY
Audi(アウディ)のエンブレムは“フォーリングス”。その輪ひとつひとつが自動車メーカーのアウディ、DKW(デーカーヴェー)、ホルヒ、ヴァンダラーをあらわしているのはご存知だろう。いずれもザクセン州に本拠を置き、20世紀のはじめ、ドイツの自動車産業を牽引したブランドである。しかし、第一次世界大戦後に起きた世界恐慌の煽りをくらった4社は、生き残りをかけて、1932年にアウトウニオンを結成。DKWがモーターサイクルと小型車、ヴァンダラーが中型車、アウディが高級中型車、そして、ホルヒがラグジュアリーカーに特化する戦略をとることになった。
しかし、第二次世界大戦の敗戦により旧東ドイツのザクセンはロシアの占領下となり、アウトウニオンは消滅。これを見越して、旧西ドイツのバイエルン州インゴルシュタットに新生アウトウニオンが設立される。BMWやメルセデス・ベンツとちがい、工場のない状況からの苦しいスタートをしいられたアウトウニオンであったが、DKWデリバリーバンなどの生産により徐々に体力をつけていった。
1964年末にフォルクスワーゲン傘下におさまったアウトウニオンは、ほどなくしてアウディの名を冠した新型車を世に送りだす。そして1969年には、ネッカースウルムに本拠を置くNSU(“ヴァンケルエンジン”の開発で知られる)を合併し、アウディNSUアウトウニオンとなり、1985年からはアウディとして現在にいたる。クワトロをはじめとするテクノロジーと、モータースポーツ活動に裏づけられたダイナミック性能、エレガントなデザイン、そして、質感の高い仕上がりが、アウディの人気を牽引している。