待望のNISSAN GT-R Spec Vがついにデビュー
待望のNISSAN GT-R Spec Vがついにデビュー
1月8日、日産自動車はGT-Rのハイパフォーマンスバージョンであるスペック Vを発表した。
レーシングカーゆずりのカーボンセラミックブレーキ
「誰でも、どこでも、どんな時でも最高のスーパーカーライフを楽しめる」マルチパフォーマンススーパーカーとして、2007年10月の東京モーターショーでグローバルデビューを果たしたNISSAN GT-R。かねてより話題を集めていたそのハイパフォーマンスバージョンたる「Spec V」が1月8日、ついに発表された。
今回デビューしたSpec Vでは、ノーマルGT-Rをベースにしながらも、ドライビングを純粋に“スポーツ”として考えるドライバー、サーキットのスポーツ走行を趣味とするドライバー、そして自分とクルマが完全に一体化したレーシングライクな走りを求めるドライバーなど、エキセントリックなまでに走りを極めたいという人をターゲットにしぼって開発された。つまり、「マルチパフォーマンス」の一部を切り捨てて、より“スポーツ”に特化させた特別仕様となっているという。
そのコンセプトを象徴するのが、カーボンセラミックブレーキである。レーシングユースのブレーキをベースに、日常走行での使用を両立させた世界最高峰のパフォーマンスを目指して、GT-Rの開発と同時進行するかたちで4年前から開発を行ってきたという。ニュルブルクリンクでのテストにおいて最大ブレーキングGが2.05を記録するという強力な制動力と、スチールブレーキ比で1輪あたりマイナス5kgという軽量化を実現している。
ちなみに、車両重量はノーマルGT-Rより60kg軽量化され、1680kgとなった。
ターボの過給圧を一時的に高める「ハイギヤードブースト」
サスペンションは、サーキットなどのスポーツ走行時によりロールを抑えて4輪の荷重変化を少なくするよう専用にチューニングしたものを採用。具体的には、スプリングのバネレートを上げることで4輪の荷重バランスの均等化を図りつつ、ダンパーもスプリングに合わせて減衰力特性をしめ上げている。ちなみに、ダンパーはノーマルモデルと同様にビルシュタイン製となるが、減衰力を3段階に切り替えられるセットアップスイッチは装備せず、電子制御による可変制御も行わないコンベンショナルなモノチューブダンパーを採用している。ほかに、アライメントやスタビライザー、そしてエンジンマウントにいたるまでSpec V専用に総合的なチューニングがほどこされている。タイヤはSpec Vのためにブリヂストンと共同開発した「POTENZA RE070R ランフラットタイヤ」をはく。
エンジンの基本性能はノーマルと同様だが、必要に応じてターボチャージャーの過給圧を一時的に高める「ハイギヤードブースト」がもうけられた。これは、ステアリングホイールに設置されたスイッチを押すことで、3500~5000rpmの回転域でより大きなトルクを発生させ、6500rpmあたりまでつながる強力な立ち上がり加速を得ることができるというもの。スイッチオン時の最大トルクは588Nm(60kgm)から608Nm(62.0kgm)へと高まる。ちなみに、「ハイギヤードブースト」は、瞬間的な加速を得ることを目的としているため、スイッチを押してから約80秒間作動後、自動的にオフとなる。
エクステリアでは、カーボンリアスポイラー、カーボンフロントグリル、カーボンブレーキダクトを採用。ホイールは、より軽量なレイズ製鍛造アルミホイールとなる。リアまわりでは、Spec V専用のデザインが施されたチタン製のエキゾーストパイプが人目をひきつける。ちなみに写真のボディカラーは、アルティメイトオパールブラックと名づけられたSpec Vの専用色。宝石のもつ無限の奥行きと色の多面性をクルマのボディに表現したもので、光るの当たる角度によって表情をかえる深みのある色あいが印象的だ。
インテリアでは、まずフロントシートにレカロ製のカーボンバケットタイプを採用。軽量化のためリアシートは省かれる。また、リアセンターボックスやインストゥルメントパネルなどにカーボンを施すことで、レーシーな印象が強められている。
なお、Spec Vはサーキット走行を熟知したメカニックが必要となるため、全国7店舗のディーラーのみの取り扱いとなり、価格はノーマルの標準グレード比で714万円高の1575万円となる。
日産自動車お客様相談室
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