ホンダが世界最速の芝刈機を製作|HONDA
Honda Mean Mower|ホンダ Mean Mower
ホンダのレース部門が世界最速の芝刈機を製作
UKホンダのレース、主にBTCCを管轄するチーム ダイナミクスが、世界最速の芝刈機を製作。完成したマシーンが公開された。
Text by OTSUKI Takuma(OPENERS)
オーバー100psの芝刈機あらわる!
ホンダ技研のレース部門により世界最速の芝刈機が誕生した。担当したのはイギリスツーリングカー選手権(BTCC)でホンダのパートナーとなっているチーム ダイナミクスで、彼らの手により可能な限り、元となる芝刈機の外観を残したまま製作された。
ベースとなっているのは、主に日本国外向けに販売される「ローントラクター」と呼ばれる乗用芝刈機の「HONDA HF2620」で、本来ならば20psを発生する614ccのV型2気筒OHVエンジンを搭載している。
これに、前述のチーム ダイナミクスが徹底的なチューンを施こした。
そのチューンの内容だが、シャシーはクロモリ鋼を使用する新設計の物となり、足まわりはホイールを含めてATV(四輪バギー)から流用。コブラ製バケットシートやスパルコステアリング、スコーピオンエキゾーストシステムを装着するほか、軽量化のためカッターデッキもグラスファイバー製の物にあらためられた。
このような強化や軽量化は車体全体におよび、標準では254kgある車両重量は140kgと、実に100kg以上もシェイプアップ。
エンジンも載せかえられ、おなじホンダのスポーツバイク「VTR 1000F」の996cc V型2気筒DOHCエンジンを搭載。その結果、最高出力は元の5倍以上となる81kW(109ps)を発生。最大トルクは96Nmだ。パワーウエイトレシオに至っては1.28と、レーシングカーなみの数値となった。
トランスミッションもVTR 1000Fのエンジンケースに内蔵される、バイク用の6段ギアをそのまま搭載。それによりこの最速ローントラクターは0-60mph加速は4秒。最高速度213km/hというスペックを獲得した。
これほどの動力性能をもちながら、芝刈機としての機能はしっかり残しており、当然ながら「普通の芝刈り」に使用することも可能。モーターにより、毎分4,000回転する草刈り用のワイヤーカッターで芝をカット。作業効率も大幅に高められており、ベースのHF2620にたいし、倍以上となる時速24kmでの芝刈りが可能になっているという。
イギリスツーリングカー選手権(BTCC)でホンダ ユアサレーシングのシビックターボを駆り、2012年のドライバーチャンピオンに輝いたレーサー、ゴードン“フラッシュ”シェデンのドライブで、庭園を激走する動画が公開されているが、動画からも並みならぬ動力性能を垣間見ることができる。エンジン音含めてすべてが大迫力。是非ご覧いただきたい。
Honda Mean Mower|ホンダ Mean Mower
ボディサイズ|全長2,400×全幅1,150mm
ホイールベース|1,425 mm
トレッド 前/後|1,525 / 1,540 mm
最低地上高|130 mm
重量|140 kg
エンジン|996cc V型2気筒 DOHC
最高出力| 81kW
最大トルク|96Nm
最高速度|213 km/h
0-96km/h加速|4 秒
近接排気音|130デシベル