アウディTT改良及び20周年記念モデルを発表|Audi
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2019年4月26日

アウディTT改良及び20周年記念モデルを発表|Audi

Audi TT|アウディ TT

アウディTT改良及び20周年記念モデルを発表

アウディ ジャパンは「TT」の改良モデルを発表。同時にTT導入20周年を記念した限定モデルを一部報道陣に公開した。「TTクーペ 40TFSI」は5月9日より、「TTクーペ 45TFSIクワトロ」「TTロードスター 45TFSIクワトロ」及び高性能バージョンの「TTSクーペ」、限定車の20周年モデル、「TT 20years」は6月10日より販売が開始される。

Text & Photographs by UCHIDA Shunichi

エンジンパワーアップ

今回の改良のポイントで大きいのはFFエントリーモデルの「TTクーペ 40TFSI」のエンジン排気量の拡大にある。1.8リッターから他のモデルと同様にターボ付2.0リッター直噴ガソリンエンジン(2.0 TFSI)に変更。従来比プラス17PS/プラス70Nmの197ps/320Nmとなった。

スタンダードモデルのエクステリアは、これまでのS lineのデザインを取り入れ、バンパー、サイドスカート、リアディフューザーのデザインを変更。また、シングルフレームグリルはマットブラック ペイントの立体的な3Dハニカム メッシュグリルを採用し、アウディのフラッグシップ スポーツモデル「R8」からエッセンスを取り入れたスポーティなものとなった。

また、「TTSクーペ」とオプションのS lineパッケージ装着車は、バンパー、サイドスカート、リアディフューザーのデザインを一新。テールライト下にはエアアウトレットを模したデザインエレメントが追加された。さらに、シングルフレームグリルは、S lineパッケージ装着車にはグロスブラック ペイントの立体的な3Dハニカムメッシュグリルに、TTSクーペは専用のアルミルック インサート付きマットブラック ペイント仕様となる。

インテリアでは、従来S lineパッケージ装着車のみの設定だった、エクステンデッド アルミニウム ルック インテリア(ウインドウスイッチ/ペダル)を、40TFSIに用意されるオプションのスタイルパッケージや、45TFSIクワトロのコンフォートパッケージに新設定。

また、45TFSIクワトロ/TTSクーペのレザーパッケージに、ドアアームレストやセンターコンソールも同色となるカラー エクステンデッド レザーを新採用した。

S lineパッケージ装着車ではシートをSスポーツシートに変更。表皮素材はアルカンターラとレザーの組み合わせで、ダイヤモンドステッチを配し、スポーティさとともに、プレミアム感が高められたという。

またボディカラーは、S lineパッケージとTTSクーペ専用色としてターボブルーを追加。また、パルスオレンジ、コスモブルーメタリックが新色として用意された。

なお、アウディTTの今後のモデル追加は、TTRSを2019年の第4四半期に導入が予定されている。

Audi TT|アウディ TT

アウディTT改良及び20周年記念モデルを発表(2)

世界999台、日本は20台限定

この最新TTをベースにした20周年記念モデル、「TT 20 years」は全世界999台限定生産で、日本市場向けには20台が確保された。

記念モデルのディテールは1995年の東京モーターショーで初公開されたロードスターバージョン、「TTSコンセプトカー」に採用されていた要素からヒントを得ているという。

TTクーペ45TFSIクワトロをベースに、コンフォートパッケージ、B&Oサウンドシステム、マトリクスLEDヘッドライト、マグネティックライド等を標準装備。さらにインテリアでは、Sスポーツシート、ステアリング、シフトノブ&ブーツ、ドアアームレスト、センターコンソールなどに専用のイエローコントラスト ステッチを施したモカシンブラウンのファインナッパレザーを使用することで、初代TTのイメージを踏襲。

また、ステアリングホイールとシフトノブには “TT 20 years”エンブレムを配し、エンジンスタートボタンの脇にはシリアルナンバーを刻印したバッジも備わっている。

エクステリアでは、マトリクス有機LEDリアライトやガンメタルエフェクト ペイントの専用19インチホイールを装着。ボディサイドにはマット仕上げのフォーリングスのロゴが備わり、ボディカラーは専用色のアローグレーパールエフェクトが採用された。

TTのストーリーは80年前に始まった

アウディジャパン代表取締役社長のフィリップ・ノアック氏は、アウディTTの“TT”について、「このストーリーは80年前に始まりました」と述べる。1938年にエヴァルト・クルーゲが、アウディの前身のひとつであるDKWの「ULD250」を駆り、マン島ツーリストトロフィーで優勝を飾った。

「この勝利からインスピレーションを得てスポーティなモデルにTTの頭文字を使用するようになりました。従ってマン島はアウディTTにとって特別な意味を持っている場所でもあるのです」という。

DKW ULD250 (1938)

NSU 1000TTS (1967)

このエヴァルト・クルーゲのレースでの功績を称え、1959年にNSU「クイックリー」というバイクのスポーツバージョンにTTの名が与えられた。以来このTTという2文字がスポーティなモデルに付けられようになったのだ。四輪ではNSU「プリンツ」のスポーティバージョンに初めてTTの名が与えられた。ヨーロッパ、特にドイツでとても人気のあったモデルで、NSU「1000TTS」という名称だった。

それらを踏まえ、ノアック氏は、「アウディTTはそのキャラクターにぴったりで、TTというスポーティな名称を名乗るにふさわしいモデルです」と述べた。

Audi TT|アウディ TT

アウディTT改良及び20周年記念モデルを発表(3)

TTとバウハウス

現在のアウディTTは、1995年にフランクフルトモーターショーで最初の「TT クーペスタディ」が発表されたのが始まりだ。その数ヵ月後の東京モーターショーで、ロードスターバージョンTTSスタディを発表。従って、「TTがいかに日本の市場と密接関係があるかが分かってもらえるでしょう」とノアック氏はいう。

初代アウディTTは、1998年に誕生。これらのコンセプトカーを忠実に再現した、円をモチーフに直線と組み合わせたシンプルかつ先進的なスタイリングは、「当時の自動車デザインに大きな衝撃を与え、世界的に有名なドイツの造形芸術学校、バウハウスのデザイン思想を彷彿とさせるものとして、今なお語り継がれています」とノアック氏。そこから3代にわたって「全世界で65万台以上販売されています」と語った。

バウハウス100周年イベントに協賛

2019年はアウディTT 20周年とともに、バウハウス設立100周年に当たる。そこでアウディジャパンは日本で行われるバウハウス100JAPANプロジェクトの協賛を発表。

バウハウスは、1919年、ドイツの古都ヴァイマールに、建築家ヴァルター・グロピウスにより設立された。この学校はワシリー・カンディンスキーやパウル・クレーなどの美術・芸術家が教鞭をふるっていたが、「最終的な目的は最初の学長を務めたヴァルター・グロピウスが建築家であったため、建築の学校にしていこうということでした」と説明するのは、バウハウス100周年委員会委員デザイン評論家武蔵野美術大学名誉教授の柏木博氏だ。

アウディ ジャパン代表取締役社長のフィリップノアック氏(左)とバウハウス100周年委員会委員デザイン評論家武蔵野美術大学名誉教授の柏木博氏(右)

2代目TTRS

それ以降、ハンネス・マイヤー、そして建築家の巨匠、ミース・ファンデル・ローエが校長になった。1919年に始まり1932年に終わる10数年の活動期間だったが、「その後100年間にわたるデザインに関しての基本的、基礎的なものを全て作ってしまいました。デザインの考え方の基礎を作ってしまったといっていいでしょう」と柏木氏。

しかし、これほどの影響を与えながら、そしてバウハウスという言葉は知られてはいるものの、「その実態をあまり理解されていないというのが現状です。従ってこの100周年記念の巡回展は是非注目してもらいたいのです」とコメントした。

巡回展では、バウハウスの各教師たちのそれぞれの授業内容を見て感じることができるよう、数々のデザインが生まれる土台となった基礎教育を展示の柱とし、バウハウスの各工房で繰り広げられたバウハウスの教育の豊かな成果と広がりが見られるようになっている。

また、「総合の位相」や「バウハウスの日本人学生」といったテーマでバウハウスの活動に光があてられ、日本人留学生については、4人全員の活動が紹介される初めての機会となる。

憧れの1台はいまだ現役

最後にノアック氏は、「TTは若い頃に憧れたクルマの一台で、自分でも実際に乗っていました。また、アウディジャパンは1997年に設立されたので、TTとともに始まりましたといっていいでしょう」とこのクルマへの思いを語る。

そしてこの歴史的モデルを未来の世代に引き継ぎたいと考え、「マーケットからTTを購入し、レストアを行いました。74パーセントのスペアパーツは発注後24時間以内に届けられましたので、いかにこのモデルが走っているかが現れているといえます。さらに、93パーセントのスペアパーツが20年経った今も用意があります。このように皆様の需要に応えるためにこれだけのスペアパーツを未だに用意しているのです」と述べた。

問い合わせ先

アウディ コミュニケーション センター

0120-598-106

           
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