ホンダNSX、2019年モデルへと進化|Honda
CAR / NEWS
2018年12月6日

ホンダNSX、2019年モデルへと進化|Honda

Honda NSX|ホンダ NSX

ホンダNSX、2019年モデルへと進化

ホンダはスーパースポーツモデルの「NSX」を改良し、2019年モデルに進化させた。2016年の8月に発表した2代目NSXは、この2年間で想定を上回る約400台の受注があり、2017年2月の発売から現在に至るまでにカテゴリーナンバーワン(2ドアラージクラスで2千万円以上)を記録したという。ホンダによると、このカテゴリーでのシェアでは33パーセントと3台に1台がNSXで、2代目NSXで提案した新しい価値、新しいスーパースポーツ体験を多くの人が評価した結果であるという。2019年モデルは、10月25日から申し込みを受け付けるが、発売は2019年5月からとなる。価格は2,370万円。

Text & Photographs by UCHIDA Shunichi

人間中心のスーパースポーツ

初代NSXは1990年に、「人間中心のスーパースポーツということを世界に示してきました。当時は誰もが乗れるスーパーカー、そんなクルマはどうなのかといわれましたが、 今振り返ってみるとぱっと乗って運転を楽しめる、そういったクルマが初代NSXだったと思っています」と、本田技術研究所四輪R&DセンターNSX開発責任者の水上聡さんは語った。そして、「いまのスーパーカーは、ぱっと乗れることができるようになってきましたので、それを30年前にやっていたことを考えると、ニュースポーツエクスペリエンスがNSXだったと思っています」と加えた。

2016年、2代目が登場。初代NSXが大切にしたヒューマンフィッティング、人間中心のスーパースポーツを踏襲しつつ電動化技術を使い、「今までにない新しい経験、新しい価値を提供してきました」という。

Honda NSX

Honda NSX

そのキーテクノロジーがSPORT HYBRID SH-AWDだ。エンジンとモーターの融合によりエンジンだけでは達成することが難しい加速フィールやレスポンスを実現。またハンドリングにおいても、「切れ味の部分、オンザレール感覚を出せたクルマに仕上がりました」としながら、「ただしここでNSXの開発は立ち止まることなく、完成したわけではありません。NSXがやっていかなければいけないことは、常に時代とともに進化を続けること。それが使命であって宿命なのです。特にホンダは操る喜びを進化させることをNSXでやっていきたいと思い、今回の2019モデルを開発しました」とのこと。

そして、「それは誰もが乗れるスーパースポーツにとどまらず、クルマってすごいよね、クルマって楽しいよね、また乗りたいよねといったところを進化させるところにあると思っているのです」と改良の背景を語った。

Honda NSX|ホンダ NSX

ホンダNSX、2019年モデルへと進化(2)

Evolutional NSX

今回登場した2019年モデルでは、“Evolutional NSX”とし、人間中心のスーパースポーツをもとに、ダイナミズムとデザインの両面を磨き上げたという。

つまり、初代及び2代目のコンセプトは踏襲しながら、ドライバーとクルマの一体感のさらなる向上と、限界域をより引き上げ、コントロール性を高めることを目指した。そして、パフォーマンスが上がったことの象徴として、個性を表現するデザインを進化させたとし、「この3要素をあわせたNew SPORTS Experience、Evolutional NSXが2019年モデルなのです」と述べた。

ドライバーとクルマの一体感の向上について水上氏は、「まず直進時や旋回中の姿勢を整えたいと考えました。さらに旋回の軌跡が美しく、かつコントロールがしやすいことを目指しています。そのために足元から固めていこうと、タイヤの改良を行いました」という。具体的にはコンチネンタル スポーツコンタクト6をベースにアウト側のブロック剛性をアップさせ、専用のコンパウンドを使用するなどで最大横力を向上させたNSX専用チューニングのタイヤを装着した。

Honda NSX

Honda NSX

またクルマの姿勢を整えるという点では、人間の感度が高いロールに着目。前後のスタビライザーの剛性を上げることで、ロール姿勢を整えた。旋回時からの脱出性能を含めた姿勢を整えるために、リアにしっかり荷重が乗せられるよう、リアのコントロールアームブッシュ、ハブ剛性も向上させている。

こういったハード面を押さえた後に、各制御システム、SPORT HYBRID SH-AWD、アクティブダンパーシステム、VSA、電動パワーステアリングなどの制御セッティングパラメーターについて、「人間が操作するうえでの制御の介入の仕方などを積極的に見直しました。そうすることで、クワイエットモードからトラックモードまでの4つの走行モードそれぞれで、意のままに操る喜びを楽しんでもらえるようになっています」という。

水上さんが実際に走らせてみた印象は、「まず走りだしからフラットで、なおかつダンピングの良さを感じる乗り心地ながら、旋回中の姿勢も鼻がちゃんと向く。さらにその時にしっかりリアに荷重が乗って脱出できています」と、高い完成度であることを強調した。

Honda NSX|ホンダ NSX

ホンダNSX、2019年モデルへと進化(3)

帰ってきたオレンジ

デザインの進化では、「より低く、よりワイドに。クルマが低く走るところをきちんと見せたいと、まずフロントグリルをボディと同色化し、低くワイドに見せるようにしました」と水上さん。そして、「スーパーカーとしてのたたずまいを大事にしたいので、メッシュパーツの前後をグロス化しました。カーボンパッケージのモデルについても、カーボンをグロス化することによって質感の向上を狙っています」と説明した。

一方インテリアは、フルレザーのオールレッドの内装を採用。これは、エキサイティングな印象とプレミアム感の向上を目指したものだという。もうひとつ、レザーとアルカンターラのコンビネーションとなるインディゴ仕様も追加。「ブルーの深く研ぎ澄まされたイメージの室内空間を選択できるようにし、お客様に幅広く選んでもらえるよう準備しています」と話す。

Honda NSX

Honda NSX

2019年モデルの訴求カラーは“サーマル オレンジ パール”だ。「先代にもあった“イモラ オレンジ パール”の現代版で、ソリッド感があり、高彩度、高明度を狙い、よりNSXのエキサイティングな部分を表現するカラーとして提案しました。光のあたり方によっては、見える形に陰影がついて、クルマの形がくっきり出るようなパールを採用しています」と述べる。

その印象について水上さんは、「飽きの来ない、非常に印象深い色で、このクルマを表現するにはいいカラーができたと自信を持っています。日本のユーザーにも気に入ってもらえるのではないでしょうか」と語った。

2019年モデルは引き続き受注生産で、納期は半年から1年ほどだという。また、レーシングドライバーの佐藤琢磨選手によるインプレッション動画がホームページ(https://www.honda.co.jp/NSX/)で公開されている。

問い合わせ先

お客様相談センター

0120-112010

           
Photo Gallery