フィアット500にEV版「500e」|Fiat
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2014年12月9日

フィアット500にEV版「500e」|Fiat

Fiat 500e|フィアット 500e

フィアット500にEV版「500e」登場

フィアットは、ロサンゼルスモーターショーにおいて、500(チンクエチェント)のEV、「500e」を発表した。既存の500にバッテリーとモーターを搭載しただけというものではなく、500らしさを失わずにEVとするために本気で開発したクルマだという。

Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)

500らしさを損なうことなく

いまやフィアットブランドのアイコンともいえる、500(チンクエチェント)にEV版が登場した。これは、既存の500にバッテリーとモーターを単純に搭載した、という安易なものではなく、シャシーから専用に開発している本気の電気自動車だ。ボディデザインも風洞実験を繰り返しおこない、ミラー形状や専用設計の15インチホイールの採用など、8カ所に手をくわえることで、Cd値0.311と、通常の500にくらべて13パーセントも空力性能が改善している。

開発にあたっては、ハンドリングやブレーキングに定評のある500の味わいを再現するべく、シャシーやサスペンション、電動パワーステアリングを専用のチューニングしてあるという。さらに、通常、EVでは発生しないクリープを再現したり、電費をかせぐコースティングモード時においてもドライバーに空走感をあたえないようにするなど、内燃機関とまったくおなじドライビングプレジャーが提供できるよう、配慮をおこなっている。

リチウムイオンバッテリーは床下に配置され、前後重量配分も500の64:36にくらべて、57:43へと変更される。この、容量24kWhのバッテリーで最高出力111ps(83kW)、最大トルク200Nmを発揮する駆動モーターと、車内の電子機器への給電をまかなう。航続可能距離はおよそ80マイル(128km)以上、市街地においては100マイル(160km)だ。

Fiat 500e|フィアット500e

Fiat 500e|フィアット500e

インテリアでは、ハンドルの奥、メーター部分が7インチのTFT液晶となっており、スピードメーターなどとともにEVならではのパワーメーターや電池残量、可能航続距離を表示。さらに、ナビと連動して近隣で利用可能な充電ステーションをリアルタイムで検索する機能なども提供される。

同時に、iPhone、Androidに対応した、500eのインストロメンタルパネルを模したデザインのアプリも提供され、リモートでバッテリーの残容量の確認やスケジュール充電の設定、エアコン制御などをおこなうことができる。

安全面も充実しており、前席のマルチステージエアバッグを含む7つのエアバッグや、横滑り防止機能(ESC)、ABS、電子制御ブレーキ力配分(EDB)、トラクションコントロール(TCS)が装備される。

この500eは、来年(2013年)の第2四半期というので、つまり春ごろにはデリバリーされる予定だという。

spec

Fiat 500e|フィアット 500e
ボディサイズ|全長3,617×全幅1,627×全高1,527 mm
ホイールベース|2,300 mm
トレッド 前/後|1,407 / 1,397 mm
最低地上高|115 mm
重量|1,355 kg
エンジン|電気モーター
モーター最高出力| 83kW(111 bhp)
モーター最大トルク|200Nm
トランスミッション|1段オートマチック
駆動方式|FF
サスペンション 前|マクファーソンストラット
サスペンション 後|トーションビーム
タイヤ 前/後|185/55R15
ブレーキ 前/後|ベンチレーティッドディスク(回生機能付) / ディスク(回生機能付)
最高速度|137 km/h
航続距離(市街地)|160km
航続距離(複合)|128km
CO2排出量|0 g/km
バッテリー|水冷式リチウムイオン電池
バッテリー容量|24 kWh
充電時間(120V)|24時間以下
充電時間(240V)|4時間以下
コネクタ形状|SAE J1772

           
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