メルセデス「GLC」「GLCクーペ」に初の「63」シリーズを投入|Mercedes-Benz
Mercedes-AMG GLC 63|メルセデスAMG GLC 63
Mercedes-AMG GLC 63 Coupe|メルセデスAMG GLC 63
メルセデス GLC、GLCクーペに初の63シリーズを投入
メルセデス・ベンツ日本は「GLC」と「GLCクーペ」にミドルサイズSUVで初めての「63」シリーズとなる「AMG GLC 63 4MATIC+」、「AMG GLC 63 S 4MATIC+」を追加投入した。価格は1,247万円からで、納車は2018年6月頃を予定している。
Text & Photographs by UCHIDA Shunichi
セグメント最速の加速性能
ベースモデルとなるメルセデス・ベンツ「GLC」は2015年2月に発表された、「Cクラス」と同様の装備を持つミドルサイズSUV。日本の道路事情や駐車場にフィットしたサイズ感などから、発売以来ユーザーから高い評価を得ているという。一方の「GLCクーペ」は、このGLCをベースにクーペライクなデザインを取り入れることで、スタイリッシュでスポーティなエクステリアに、ゴルフバッグが3セット積載できるラゲッジスペースを兼ね備えたクロスオーバーモデルだ。
そのGLCファミリーをベースにAMGがエンジニアリングを手掛けたのが、今回のメルセデスAMG「GLC 63」「GLC 63クーペ」。最大の特徴は、パワートレインにある。エンジンは、メルセデスAMG「GT」と基本設計を共通とする自社開発の4リッターV8直噴ツインターボ エンジン(M117)を搭載。砂型鋳造されたクローズドデッキのアルミニウム クランクケースに鍛造アルミニウム製ピストンを組み合わせることで、軽量かつ高強度なエンジンを実現している。また、シリンダーウォールにスチールカーボン材を溶射コーティングするNANOSLIDE摩擦低減加工を施すことで、フリクションロスも低減している。
2基のターボチャージャーはV型シリンダーバンクの内側に配置するホットインサイドVレイアウトを採用。また、ツインスクロール化によりターボラグを低減させ、レスポンスを向上させている。
これらの結果、メルセデスAMG GLC 63 S 4MATIC+、同クーペは、最高出力510ps、最大トルク700Nmを発揮。0-100km/h加速 3.8秒を実現している。また、メルセデスAMG GLC 63 4MATIC+、同クーペは、最高出力476ps、最大トルク650Nmを発生し、0-100km/h加速は4.0秒となる。
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0:100の可変トルク配分を実現
トランスミッションは、9段のAMGスピードシフトMCTを搭載。状況により一段飛ばしてシフトダウンしたり、ダブルクラッチを自動で行うことで効率よく素早いギアチェンジが可能であり、走行モードにはサーキットの走行に適したレースモードも備えている。
可変トルク配分機能を備えるAMG 4MATIC+は、メルセデスAMGのSUVモデルとしては初めて最大0:100の完全リア駆動を可能とした。状況に合わせてクルマが自動的にトルク配分を変えることで、ハイパワーを路面に余すことなく伝えることができる。
Sモデルには可変エンジンマウント機構である、AMGダイナミックエンジンマウントも採用。各種センサーからの情報により走行状況を検知し、マウントの硬さを自動で調整する。通常走行時は柔らかい設定で、エンジンからのノイズと振動を効果的に遮断し快適性を高める。そして、ダイナミックなドライビングの時には硬くすることで、エンジンのロールモーションを減少させ、クイックなコーナリングを実現させている。
エクステリアの最大の特徴は、メルセデスAMG GT以外でははじめての採用となる“AMG パナメリカーナ グリル”だろう。クロームメッキを施した15本の垂直フィンがデザインの基本となっているこのグリルは、モータースポーツに由来しており、1952年、メキシコで開催された伝説の公道レース、カレラパナメリカーナメヒコで優勝したレーシングカー、「300SL」で初めて採用されたグリルをモチーフにしている。
それ以外には、ベースモデルよりもワイドなフェンダーや、GLC 63 4MATIC+には20インチホイール、Sモデルには21インチホイールが備わる。また、Sモデルのドアミラーとリアスポイラーはカーボン製となる。
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合計60台の限定車も登場
この発表発売を記念し、それぞれに特別仕様車の「エディション1」が用意された。クーペ、 SUV 両モデルとも、ハイグロス ブラックのAMGナイト パッケージを採用することで、フロントスポイラーリップ、ウィンドウトリムライン、ルーフレール、リアディフューザーがハイグロスブラックとなり、さらにエグゾーストエンドもブラックにすることで精悍さを強調。
ボディサイドに飾られたマットグラファイトグレーAMGスポーツストライプがスポーティなエクステリアを演出。足下にはマットブラックペイント21インチAMGクロススポークアルミホイール(鍛造)を装備している。
インテリアは、ブラックナッパレザーのAMGスポーツシートにイエローダイヤモンドスティッチを採用。さらにセンターアームレスト、ドアアームレスト、ドアセンターパネルにもブラックナッパレザーを使用し、随所にイエローステッチが採用された。さらに、メーターパネルやフロアパネルにもイエローのハイライトが施されている。また、AMGトリムとしてマットカーボンファイバーライトブラッシュドアルミニウムトリムを採用し、スポーティな雰囲気を高めている。
クーペ、SUV どちらのモデルともホワイトとブラックの外装色で、各15台ずつ合計60台の Edition 1が用意されている。
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1周年を迎えたAMG東京世田谷
昨年、日本におけるAMGの販売台数は、「過去最高の約6,800台、対前年比プラス21パーセント。全世界でもAMGの販売台数は13万台以上を達成し、対前年比プラス33パーセントと過去最高台数を記録しています」と好調さをアピール。
その要因は、「AMG専用開発のV6エンジンと、AMG 4MATICが特徴の43シリーズと SUVモデルがあげられる」という。また、「AMGのブランドヒーローであるメルセデス AMG GT もそのラインナップの拡充をつづけています」とし、さらに、「日本でのAMGの躍進には全国に広がる販売ネットワーク強化も理由のひとつとして挙げられます」とした。
そのネットワーク強化のひとつ、世界初のAMG専売店、AMG東京世田谷は開設されてちょうど1周年を迎えた。メルセデス・ベンツ日本代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏によると、「すでに4,500名を超えるお客様に来場してもらっています」と述べる。
そして、「ここでしか注文できない特別オーダープログラムや、AMG 東京世田谷でしか購入できない特別限定モデルも積極的に販売し、新規のお客様が全販売の50パーセントを超えています」と述べ、さまざまなマーケティング施策が功を奏していることを語った。