アルファロメオ ジュリア日本上陸|Alfa Romeo
アルファロメオ ジュリア|Alfa Romeo Giulia
アルファロメオ ジュリア日本上陸
FCAジャパンは10月14日より、アルファロメオのDセグメント スポーツサルーン「ジュリア」の販売を開始する。価格は446万円から。
Text & Photographs by UCHIDA Shunichi
日本へは4グレードが導入
近年、「ミト」や「ジュリエッタ」「4C」など比較的コンパクトなモデルの導入が多かったアルファロメオ。そこに「156」や「159」などの後継となる、ミッドサイズセダンのジュリアが投入される。
日本に導入されるグレードは大きく4つ。エントリーグレードの「ジュリア」は受注生産モデルと位置付けられ、2リッター直列4気筒マルチエア ツインスクロールターボ エンジンを搭載。出力は200ps、最大トルクは330Nmを発生し、8段ATが組み合わされる。バイキセノンヘッドライトをはじめ17インチアロイホイール、レザーシート、6ウェイパワーシート、車載インフォテインメントシステムのConnectシステムなどが標準装備となる。
「ジュリア スーパー」は、ジュリアと共通のパワートレインながら、プレミアムレザーシート、ステッチ付のレザーインストルメントパネルとドアパネル、ウォールナット/グレイオークのウッドパネルや、harman/kardon製プレミアムオーディオシステムが装備される。発表会場でFCAジャパン代表取締役社長のポンタス・ヘグストロム氏は同グレードについて、「上質なインテリアで、イタリア車らしい高級感を備えたラグジュアリーグレードです。先進快適安全装備も満載され、ドイツ系の競合車を凌駕する装備レベルを誇ります」と紹介した。
次に「ジュリア ヴェローチェ」。エンジンはスーパーなどと同形式ながら、280ps、400Nmまで性能を向上させ、駆動方式は4輪駆動が組み合わされる。ブレーキ性能も強化され、より走りを前面に打ち出すスポーティグレードといえる。
最後は「ジュリア クアドリフォリオ」だ。ジュリア シリーズの中で最も高性能なこのグレードは、2.9リッターV6ツインターボエンジンを搭載。フェラーリ出身のエンジニアチームを中心に、アルファロメオで独自開発されたこのエンジンは、最大出力は510ps、最大トルクは600Nmを発生。後輪駆動ながら、0-100km/h加速は3.9秒、最高速度307km/hを誇る。2016年にニュルブルクリンク北コースで当時の4ドアセダン世界最速タイムとなる7分32秒の記録を樹立したモデルである。
アクティブエアロスプリッターやトルクベクタリング、前後異なるサイズの19インチワイドタイヤや、大型化したブレーキシステムなどの専用装備が与えられるほか、カーボン製のエンジンフードやルーフパネルを採用することで、3.0kg/ps未満というパワーウェイトレシオを実現している。ポンタス氏は、「競合ハイパフォーマンスモデルを凌駕する圧倒的なパフォーマンスを誇ります」とし、競合ドイツ勢を視野に十分戦闘力があることをアピールした。
アルファロメオ ジュリア|Alfa Romeo Giulia
アルファロメオ ジュリア日本上陸(2)
感情に訴えかけるマシンのための5つのキーワード
アルファロメオがジュリアを開発するにあたって、“La meccanica delle emozioni(感情に訴えかけるマシン)”、つまり、ドライバーの情感を掻き立てる新次元のドライビング エクスペリエンスを求めた。そこで、開発チームは、5つのキーワードを設定したという。まず革新的なエンジン、次に、50:50の理想的な重量配分、独創的な技術ソリューション、優れたパワー ウェイト レシオ、そして洗練されたイタリアン デザインだ。
エンジンは前述の通り日本には3つのバリエーションがあり、特にクアドリフォリオのエンジンには気筒休止システムが組み合わされ、ハイパワーと高効率が両立されている。
50:50の前後重量配分は「アルファロメオにとって基本的な要素です」とポンタス氏。新設計の“ジョルジョ”と呼ばれるFRアーキテクチャーをベースに、重量のかさむ要素を可能な限り中央に配置。軽量化に貢献する日立オートモーティブ製のカーボンプロペラシャフト(クアドリフォリオ)や、アルミを多用し革新的な構造を持つ、ALFA LINKサスペンションを全グレードに装備。これらの結果、前後重量配分とともに、卓越したパワーウェイトレシオを達成した。
そのほか安全装備としては、歩行者検知機能付の前面衝突警報(FCW)/自動緊急ブレーキ(AEB)などを搭載。ジュリア スーパー以上のグレードでは、アダプティブ クルーズ コントロールやブラインド スポット モニター(BSM)も装備される。
デザインは、オーソドックスなFRセダンのプロポーション、ロングノーズ、ショートデッキのスタイルを採用することで、スポーティさを強調。特に、フロントオーバーハングを短くすることで、よりロングノーズをアピールしている。
また、2,820mmのホイールベースにより乗員5人分の室内空間を十分に確保している一方、テールまでの一体感のあるルーフラインがクーペのようなスタイルを表現している。
アルファロメオが誇る名車のデザインモチーフもちりばめられた。その1台は「ディスコヴォランテ」だ。空力を意識した結果、ディスコヴォランテ、“空飛ぶ円盤”とニックネームされたこのモデルは、1952年当時、ミッレミリアなどのレースを想定し、スパイダーはわずか2台、クーペは1台だけ作られたもの。そのフロントからサイドに回り込むラインや、ヘッドライトからフェンダーにいたるモチーフが、ジュリアにも取り入れられている。また、ディスコヴォランテの流れを汲む1960年代の「ジュリアス プリント スペチアーレ」のショルダーラインも、同様にジュリアにもたらされている。
そのほかにもグリルの縦をベースに左右にエアインテークを用いる、アルファロメオ伝統のフロントデザインも踏襲。当然時代進化分を加味し、現代風にアレンジはしながらも、一目でアルファロメオとわかるデザインに仕上げられた。
アルファロメオ ジュリア|Alfa Romeo Giulia
アルファロメオ ジュリア日本上陸(3)
アルファロメオ専売店を全国に展開
2017年上半期、ヨーロッパ全土でのアルファロメオ ブランドの販売台数は、「前年同期比40パーセント増加と大きく成長した。その原動力となったのがこのジュリアだ」とポンタス氏。
日本においても期待値は高く、アルファロメオ専売ディーラー網を全国的に構築していくという。「新店舗はブランドの新しいコーポレートアイデンティティに基づき、プレミアム感とハイセンス感を表現したデザインです。既存の正規販売店に加え、新規ディーラーとの契約を締結し、2018年中に全国60店規模まで拡大する予定です」とコメントした。
また、ジュリアの発表に伴い、SUVの「ステルヴィオ」も日本において初披露。「本日から1年以内に日本で発売します」とした。
ジュリアが報道陣に発表された日、日本メーカーから2代目となる電気自動車がワールドプレミアされた。それを踏まえポンタス氏は次のようにコメントした。「電気自動車はひとつの未来の方向を示しています。107年の伝統を誇るアルファロメオはこれを否定するのではなく、加えてもうひとつの素晴らしい未来の姿を提案しましょう。それはドライバーを中心に据えた運転する喜びであり、官能的なエンジン音であり、そしてすべてを美しいイタリアンデザインで包含したものとなります。ジュリアの導入はあくまでも新生アルファロメオのスタートに過ぎません。これから数年間ステルヴィオを含むアルファロメオのモデルが続々とデビューしますので、ぜひ楽しみにしてください」。あくまでもアルファロメオは、あらゆる角度から人間の五感に訴えかけてくるクルマを作り続けるようだ。
Alfa Romeo Giulia|アルファロメオ ジュリア
Alfa Romeo Giulia Super|アルファロメオ ジュリア スーパー
ボディサイズ|全長 4,645 × 全幅 1,865 ×全高 1,435 mm
ホイールベース|2,820 mm
トレッド 前/後|1,555 / 1,625 mm
車両重量|1,590 kg
エンジン|1,995cc 直列4気筒DOHCマルチエア ツインスクロールターボ
ボア×ストローク|84.0 × 90.0 mm
圧縮比|10.0
最高出力|147 kW(200 ps)/5,000 rpm
最大トルク|330 Nm(33.7 kgm)/1,750 rpm
トランスミッション|8段AT
駆動方式|FR
サスペンション前|ダブルウィッシュボーン
サスペンション後|マルチリンク
ブレーキ 前/後|ベンチレーテッドディスク
タイヤ 前/後|(ジュリア)225/50R17 (ジュリア スーパー)225/45R18 / 255/40R18
最小回転半径|5.4 メートル
トランク容量|480 リッター
燃費(JC08モード)|13.6 km/ℓ
CO2排出量|171 g/km
ハンドル位置|右
価格|(ジュリア)446万円 (ジュリア スーパー)543万円
Alfa Romeo Giulia Veloce|アルファロメオ ジュリア ヴェローチェ
ボディサイズ|全長 4,655 × 全幅 1,865 ×全高 1,435 mm
ホイールベース|2,820 mm
トレッド 前/後|1,555 / 1,625 mm
車両重量|1,670 kg
エンジン|1,995cc 直列4気筒DOHCマルチエア ツインスクロールターボ
ボア×ストローク|84.0 × 90.0 mm
圧縮比|10.0
最高出力|206 kW(280 ps)/5,250 rpm
最大トルク|400 Nm(40.8 kgm)/2,250 rpm
トランスミッション|8段AT
駆動方式|4WD
サスペンション前|ダブルウィッシュボーン
サスペンション後|マルチリンク
ブレーキ 前/後|ベンチレーテッドディスク
タイヤ 前/後|225/45R18
最小回転半径|5.9 メートル
トランク容量|480 リッター
燃費(JC08モード)|12.0 km/ℓ
CO2排出量|194 g/km
ハンドル位置|左
価格|597万円
Alfa Romeo Giulia Quadrifoglio|アルファロメオ ジュリア クアドリフォリオ
ボディサイズ|全長 4,635 × 全幅 1,865 ×全高 1,435 mm
ホイールベース|2,820 mm
トレッド 前/後|1,555 / 1,605 mm
車両重量|1,710 kg
エンジン|2,891cc V型6気筒DOHCツインターボ
ボア×ストローク|86.5 × 82.0 mm
圧縮比|9.3
最高出力|375 kW(510 ps)/6,500 rpm
最大トルク|600 Nm(61.2 kgm)/2,550 rpm
トランスミッション|8段AT
駆動方式|FR
サスペンション前|ダブルウィッシュボーン
サスペンション後|マルチリンク
ブレーキ 前/後|ベンチレーテッドディスク
タイヤ 前/後|245/35R19 / 285/30R19
最小回転半径|5.7 メートル
トランク容量|480 リッター
ハンドル位置|右
価格|1,132万円