ホンダ、世界初5人乗りFCVセダンを発売|Honda
Honda Clarity Fuel Cell|ホンダ クラリティ フューエル セル
ホンダ、世界初5人乗りFCVセダンを発売
ホンダは、新型燃料電池自動車「クラリティ フューエルセル」を3月10日より販売を開始したことを発表した。当初は既にFCVを活用している自治体や企業を中心にリースを行うが、およそ1年半後には個人への販売も行われる予定だ。
Text by OHTO Yasuhiro
ミッドサイズセダンクラスの出力
昨年秋に開催された東京モーターショーで、ワールドプレミアされたホンダの燃料電池自動車「クラリティ フューエル セル」の販売が開始された。新型車の特徴は、燃料電池パワートレインをV6エンジンサイズまで小型化を図り、ボンネット内に収めることで世界初となる5人乗りセダン型FCVが実現されたことにある。
駆動用モーターの性能は、最大出力130kW、最大トルク300Nmを発生するもので、ガソリンモデルならアコードなどのミッドサイズセダンに相当する性能を有するという。
パワートレインの小型化に加え、リチウムイオンバッテリーと水素タンクの搭載位置も工夫することで、広々とした居住空間と9.5型ゴルフバック3個が積載可能なトランクルームを確保しており、セダンとして十分な実用性も備える。
大小異なるサイズの70Mpa対応の水素タンクには、合計141リッターの圧縮水素を充填でき、ゼロエミッションビークルでトップクラスとなる約750km(JC08モード)の航続距離を実現しているという。さらに1回あたりの水素充填時間も3分程度とガソリン車の給油時間と同等だ。
Honda Clarity Fuel Cell|ホンダ クラリティ フューエル セル
ホンダ、世界初5人乗りFCVセダンを発売 (2)
一般家庭7日ぶんの電力を外部供給可能
エクステリアのデザインコンセプトは、「BOLD & AERO」。ロー&ワイドな堂々とした風格を持ちつつ、先進性とスポーティさを感じさせる空力特性に優れた流麗なスタイルにまとめられた。ボディサイズは、全長4,915×全幅1,875mm×全高1,480mmとややワイドで、ホンダのフラッグシップセダン「レジェンド」よりやや小ぶりな程度だ。
インテリアでは本革とプライムスムースのコンビネーションシートなどを用いることで、上級セダンに匹敵する高い質感を実現した。
先進装備として、ホンダの運転支援システムである「Honda SENSING」が標準装備となるほか、9灯式フルLEDヘッドライトやApple Car Play対応の通信機能付きナビゲーションシステムなどを標準化。価格は766万円となるが、当面は、自治体や企業などの法人向けのリース販売のみとなる。さらに2016年中には、欧米市場への展開も予定されている。
クラリティ フューエル セルにはオプションとして、ポータブル式外部給電機「Power Exporter 9000」が用意されており、車両との接続で外部への電力供給も可能となる。供給できる電力は、一般家庭のおよそ7日分に相当する。価格は118万円と少々高価だが、通常時は屋外レジャーなどで、災害時には非常用電源として活用できるのは大きなメリットだろう。
Honda Clarity Fuel Cell|ホンダ クラリティ フューエル セル
ボディサイズ|全長 4,915 × 全幅 1,875 x 全高 1,480 mm
ホイールベース|2,750 mm
トレッド 前/後|1,580 / 1,585 mm
車両重量|1,890 kg
モーター|交流同期電動機
最高出力|130 kW(177 ps)/4,501-9,028 rpm
最大トルク|300 Nm(30.6 kgm)/0-3,500 rpm
燃料電池スタック種類|固体高分子形
燃料電池スタック最高出力|103 kW(140 ps)
燃料種類|圧縮水素
使用圧力|70 MPa
燃料タンク容量|(前)24 ℓ (後)117 ℓ
タイヤ 前/後|235/45R18
サスペンション 前|マクファーソン式
サスペンション 後|マルチリンク式
バッテリー|リチウムイオン電池
最小回転半径|5.7 メートル
最低地上高|135 mm
価格|766万円
ホンダお客様相談センター
0120-112010