Volkswagen Golf Cabriolet|10年ぶりのカブリオレ
Volkswagen Golf Cabriolet|フォルクスワーゲン ゴルフ カブリオレ
10年ぶりのカブリオレ
フォルクスワーゲン・グループ・ジャパンは、ゴルフのあらたなる派生車種として、10年ぶりに復活した幌タイプのオープンボディをもつ“ゴルフカブリオレ”を追加し、10月1日に発売すると発表した。
文=松尾 大
よりスポーティになったデザイン
遠くビートルの時代からフォルクスワーゲンにとって、オープンモデルは重要な位置づけにあった。ビートルの後継たるゴルフもゴルフIをベースに1979年に登場、ベースのゴルフが2世代目となっても「クラシック」の名で販売され、全世界で約39万台が販売された、オープンカーとしては大ヒットした一台だ。
その後、1993年にはゴルフIIIをベースとした2世代目が登場。1997年には、2世代目を改良し、ゴルフIVのデザインエッセンスを取り入れた3世代目が発売された。初代からの累計で68万台以上を販売、日本でも人気を博したものの、2002 年をもってその販売を終えていた。
その後、フォルクスワーゲンからは、パサートをベースにリトラクタブル・ハードトップ・ボディをもつ、イオスが発売されソフトトップのゴルフカブリオレは発売されないのではといううわさもあった。
しかし、3代目の発売終了から約10年を経て、ゴルフカブリオレが復活する。
スタイリングにかんしては、ベースとなったゴルフVIにくらべ、全長プラス50、全幅マイナス10、全高マイナス55mmとディメンションを見ただけでも、よりスポーティなエクステリアデザインになったということが感じられるだろう。また、これまでのゴルフ カブリオレといえば、Aピラーの傾斜がゆるく、立ちぎみのフロントウインドウがひとつの特徴であったが、この第4世代カブリオレは、Aピラーの傾斜がかなりきつくなっている。
最新のロールオーバープロテクションシステムによって乗員を保護
ソフトトップをクローズにしたときのリアウインドウの傾斜もこれまでになく寝かされている。ロールバーが廃止されたというのも特筆すべき点だろう。これが視覚面でもよりスポーティな雰囲気を醸し出す。ロールバーがなくなったからといって、もちろん安全性がスポイルされるわけではない。最新のロールオーバープロテクションシステムは、万が一の横転のさいに、0.25秒以内に自動的に後席ヘッドレストの背後からアルミ製のバーが飛び出すことで、強化されたフロントウインドウフレームとともに乗員を保護。さらにカブリオレ専用に開発された頭部保護機能付サイドエアバッグをふくむ5エアバッグやESPを標準装備している。オープンモデルでありながら、ユーロNCAPで最高の5ツ星を獲得していることも特筆すべき点だろう。
ソフトトップについては、先代モデルではルーフのロック解除は手動でおこなう必要があったが、新型ではフルオートとなった。また、時速30km/h以下であれば走行中の開閉も可能となり、これもゴルフカブリオレとしてははじめてのことだ。開閉時間も、オープンが9.5秒、クローズが11秒と現代のソフトトップとしても十分にはやい。
ダウンサイジングコンセプトに則り、1.4リッターエンジンを採用
そしてエンジン。10年前にゴルフ カブリオレがカタログから消えた当時はゴルフも3.2リッター狭角V6ユニットを搭載したR32をそのラインナップにくわえるなど、ボディのみならずエンジンも大型化する過程にあったが、あたらしいゴルフカブリオレは1.4リッターと、これまでのどのカブリオレよりも小排気量となった。もちろん、たんに小排気量になったわけではなく、小排気量+過給機という、近年のフォルクスワーゲンのダウンサイジングコンセプトの方程式に沿ったものだ。搭載されるTSIユニットは直噴エンジンをターボとスーパーチャージャーで過給する。
カブリオレならではの装備も充実
トランスミッションに7段DSGを組みあわせることで、0‐100kmが8.4秒という加速性能をもちながら、10・15 モード燃費15.4km/ℓ、CO2排出量151g/kmという数値を実現。エコカー減税(50%減税)対象車となった。
そのほか、カブリオレならではのファッション性を意識し、4色のレザー内装と5色のエクステリアカラーを用意。赤外線を反射することによって、夏場のシート表面温度の上昇を抑えるクールレザーをシートやステアリングホイールに採用することで、従来比べて最大23℃の温度上昇を抑えるなど、カブリオレならではの気遣いもちゃんと行きとどいている。
Volkswagen Golf Cabriolet|フォルクスワーゲン ゴルフ カブリオレ
ボディ|全長4,260×全幅1,780×全高1,430mm
ホイールベース|2,575mm
エンジン|1.4リッター DOHCインタークーラーつきターボ+スーパーチャージャー 直列4気筒
トランスミッション|7段DSG
最高出力|118kW(160ps)/5,800rpm
最大トルク|240Nm(24.5kgm)/1,500-4,500rpm
10・15モード燃費|15,4km/ℓ
CO2排出量|151g/km
乗車定員|4名
駆動方式|前輪駆動
価格|399万円