軽ミッドシップスポーツ復活!ホンダ「S660 コンセプト」|HONDA
HONDA S660 Concept|ホンダ S660 コンセプト
軽ミッドシップスポーツの復活に期待!
ホンダは、11月20日から一般公開が始まる「東京モーターショー2013」において、軽自動車のミッドシップオープンスポーツカー「S660 コンセプト」をはじめ、「NSX コンセプト」や「N-WGN」など、注目のモデルを出展する。ひとあし先に、主な出展車両を紹介したい。
Text by SAKURAI Kenichi
「ビート」の復活として期待される「S660 コンセプト」
ホンダは、東京ビッグサイトで11月20日から一般公開がはじまる「東京モーターショー2013」において、軽自動車のミッドシップオープンスポーツカー「S660 コンセプト」をはじめ、今年1月のデトロイトモーターショーでワールドプレミアした「NSX コンセプト」や市販予定車「N-WGN」などを出展する。
「S660 コンセプト」は、かつて人気を博した軽自動車のミッドシップオープンスポーツカー「ビート」の再来と言えるもの。エクステリアは、最近ホンダが推し進めている「エキサイティング H デザイン!!!」をキーワードにしたデザイン言語に則り、未来的で、クリーンな量感あふれるルックスに仕上げられている。フロントグリル上部に金属調のパネルを設けるデザインも、現代のホンダデザインであることを印象づける。
前後のライトシステムや、アルミホイール、ドアミラーなどのパーツはショー用のコスチュームと言えるものだが、ボディに回り込んだライトのデザインや、ボディライン、シルエットといったエクステリアデザインは、「完成車に近い」と開発陣は語る。ルーフがどうなるかは検討中とのことで、ハードトップとソフトトップのそれぞれに可能性が残されている。
インテリアでは、バケット形状のスポーツシートや、航空機型とも言える独特のデザインを採用したステアリングホイール、ドライバーに回り込んだ形状のコクピットなどが見どころ。「CR-Z」にもみられるデジタルとアナログを組み合わせたメーターは、視認性とスポーティなイメージを見事にバランスさせ、さらに、LEDランプでシフトタイミングを知らせるレブカウンターを内蔵したメーターフードなど、走るためのアイデアも満載している。
詳細なスペックやボディサイズなどはコンセプトカーということで未公表だが、EVも検討されたパワートレーンは、最終的には軽自動車向けの3気筒ターボが搭載されることになりそうだ。環境性能とパフォーマンスの両立にこだわるホンダとしては、このあたりにも、何か秘密兵器を投入するかも……と期待を込めて、市販化に際して注目したい。
HONDA S660 Concept|ホンダ S660 コンセプト
軽ミッドシップスポーツの復活に期待!(2)
枠にはまるな
東京モーターショーのホンダブースには、今年1月のデトロイト・モーターショーでひとあし先に発表された「NSX コンセプト」のほか、市販を予定している「N」シリーズの新型軽自動車「N-WGN」、そしてホンダの原点ともいえる1962年の「S360」を復元して展示する予定。
「S360」の展示は、ホンダの基礎を作ったモデルと歴史へのリスペクトだろうが、「S360」と「S660 コンセプト」の新旧スポーツカーの揃い踏みは、かつての「N」モデルを現代に蘇らせた「N」シリーズに続く、新しい軽自動車の「S」シリーズの市販化を予告するためのデモンストレーションかもしれない。そう思うと、自然と「S660 コンセプト」の名称から“コンセプト”が取れる日を期待してしまうはずだ。
ちなみに、ホンダの「東京モーターショー2013」でのキーワードは「枠にはまるな」である。軽自動車という枠を超えた、誰もが乗って楽しめる提案を、「S660 コンセプト」をはじめとした出展車群に期待したい。