BMW M4に試乗──日常生活とサーキットをつないでくれるハイパフォーマンスモデル|BMW
CAR / IMPRESSION
2021年12月8日

BMW M4に試乗──日常生活とサーキットをつないでくれるハイパフォーマンスモデル|BMW

右足でとてつもない大パワーを制御している感覚が味わえるのが醍醐味

左手でギアセレクターを握り、2速、3速と引っ張っていくとき、M4の真価が堪能できる。2992cc直列6気筒エンジンは8000rpmが、それ以上エンジンを回せないレッドゾーンと、かなりの高回転型なのも、とてもうれしい。
脳天に響くような乾いた中高音のまざった排気音が響き、がんがんと加速していく。エンジンの反応は繊細なので、右足でとてつもない大パワーを制御している感覚が味わえる。これが、M4コンペティションの醍醐味だ。
圧力損失を最小限にし、流体抵抗も極めて低く抑えることでレスポンスを最適化し、高効率を実現する吸気ダクトをはじめ、重量を最適化し高回転まで最大限かつ安定したパワー供給を実現する鍛造ピストン、そして、最適化されたブースト圧で迅速かつダイナミックなレスポンスを発揮し、低回転時でも高いトルクを実現するツイン・ターボチャージャー……。こういうものが、BMWの掲げるこのMエンジンの特徴である。
サスペンションシステムとステアリングシステムは、6気筒エンジンのパワーを最大限堪能できるような設定だ。車線変更もコーナリングも素晴らしく安定。速度域に関係なく、駆け抜ける喜びが味わえるだろう。
カーボンファイバー製のルーフや、やはりカーボンファイバーを使ったバケットシートなど、軽量化による低重心化を図るための素材選びも、実用上のメリットとともに、オーナーの気持ちをくすぐってくれる。速く走るためのぜいたくさ、という他になかなかない特長をもつのだ。
市街地や高速での長距離移動は、ドライブモードを標準に設定にすれば、意外なほど快適。もちろん、普通のクーペよりは心を騒がせる要素が多いものの、日常生活とサーキットをつないでくれる幅広い性能ぶりも、M4の身上なのだ。
インテリアの造型とカラースキームも見ものである。写真でご覧いただけるとおり、試乗車はブルーとグレイが混ざったような色と、ちょっとくすんだレモンイエローという、微妙というか絶妙ないい感じのコンビネーションのインテリアカラーで仕上げられている。
コンペティションといいつつ、その辺のロードカーよりはるかにオシャレではないか。派手というのでなく、クリエイティブな印象である。他車にはないセンスで、走りとは並行にして、大きく評価したいポイントだ。価格は1348万円。特別なクーペである。
問い合わせ先

BMW カスタマー・インタラクション・センター

Tel.0120-269-437(平日9:00-19:00、土日祝9:00-18:00)
https://www.bmw.co.jp/

30 件
                      
Photo Gallery