ワゴンではありきたりな気がする人に──フォルクスワーゲン パサート オールトラックTDI  4MOTIONに試乗|Volkswagen
CAR / IMPRESSION
2021年10月15日

ワゴンではありきたりな気がする人に──フォルクスワーゲン パサート オールトラックTDI 4MOTIONに試乗|Volkswagen

Volkswagen Passat Alltrack TDI 4 MOTION|フォルクスワーゲン パサート オールトラックTDI 4モーション

フォルクスワーゲン パサート オールトラックTDI 4MOTIONに試乗

2021年4月にマイナーチェンジを受けた新型パサート。なかでも、ワゴンモデルのバリアントをベースに、全輪駆動システム4モーションを搭載し、樹脂製のホイールアーチを採用するなど適度なSUV感をまとったフォルクスワーゲン パサート オールトラックTDI 4 MOTIONに試乗した。

Text by FUMIO Ogawa|Photographs by ATSUKI Kawano

ちょっと稀少感のある選択なのが魅力

SUVは車高などの制約があって乗れないし、ステーションワゴンはありきたりな気も……。という人にぴったりなのが、「フォルクスワーゲン パサート オールトラックTDI 4MOTION」だろう。最新モデルが、2021年4月6日より日本発売された。
パサートのステーションワゴン版であるバリアントをベースに、車高を上げたモデルで、日本でも人気が高い。しかも、パサートシリーズで唯一、全輪駆動システムを搭載している。
このクルマの魅力は、4785mmの全長に対して1510mmの全高をもつボディのプロポーションの決めかたがうまいところだ。意外に、車体が低く、長く、独特の迫力を感じさせる。
それに加えて、クラッディングという剛性樹脂によるホイールアーチなどが、適度なアウトドア感覚をもたらしているのだ。後ほど、魅力ある競合車については触れさせてもらう。
パサートの例にもれず、オールトラックも後席スペースはかなり広い。都市内で乗るファミリーカーとしても使い勝手がいいし、アウトドアの趣味をもつ人なら、道具をたっぷり積める。要するに、ちょっと稀少感のある選択なのが魅力だ。
パサート・バリアントに対して、全長は同一の4785mm、全幅は25mm広い1855mm、そして全高は25mm高い1535mm。エンジンは、バリアントTDIと共用の1968cc 4気筒ディーゼルユニットだ。
最高出力は140kW(190ps)/3500〜4000rpm、最大トルクは400Nm/1900〜3300rpm。回して楽しいというより、上記の数字のとおり、比較的低い回転域でしっかり力を出すので、高速道路をえんえんと走っていくようなツーリングに特に向いている。
ステアリングホイールは過敏でないが、応答性には優れる。なので、軽く手を添えているだけで、走っている路面の情報は伝わってくるし、クルマとドライバ−の一体感も失われることがない。
650リッターと広大な荷室をもつパサートのステーションワゴンの利便性に加えて、操縦する楽しさも求める人には、1.5リッターガソリンエンジンのパサート・バリアント TSIを勧める。
それでも、たとえば旅先で山岳地を走る機会があったら、ワインディングロードの下りなどでは、しっかりした足まわりの設定と、車体の傾きがしっかりコントロールされた操縦性など、オールトラックTDIの頼りがいがあるところを堪能できるだろう。

ウインタータイヤさえ履いていれば雪道も安心

4モーションと名づけられた全輪駆動システムは、ドライバーのアクセルワークをはじめ、ホイールスピードやステアリングアングルなどのパラメーターを分析して理想的な駆動トルクを計算し、瞬時にして前後輪のトルク配分を変更するというもの。
いわゆるSUVほど最低地上高が高くないので、本当の悪路は行かない方がいいだろう。一方、スキー場の周辺のような雪道では、走破性が高い。積雪路ならウインタータイヤさえ履いていれば安心して走っていられる。これは、従来のパサートの4MOTIONで実力を体験済みである。
今回、オールトラックは、計器盤に「デジタルメーターコクピットプロ」というフル液晶のパネルを採用。ナビゲーションモードを選択すると、10インチの液晶画面ほぼ全体に地図が広がる。
ダッシュボード中央にはやはり10インチの液晶画面がすえつけられ、インフォテイメントシステムを操作できる。ユニークなのは、「Warm Feet」など感覚的なエアコンの操作ボタンが設けられていること。この先にはボイスコントロールシステムがあるだろう。フォルクスワーゲンは導入に慎重だ。
パサート・オールトラックTDI 4MOTIONの価格は552万9000円から。競合を探すと、マイルドハイブリッドつき2リッターガソリンエンジンのボルボV60クロスカントリー(579万円)や、2リッターガソリンエンジンのアウディA4オールロードクワトロ(634万円)が思いつく。
このカテゴリーの創設者ともいえる、スバル・アウトバックは、米国では2019年にフルモデルチェンジを果たし、日本でも発表されたばかりで、価格は414万7000円(X-BREAK EX)と429万円(Limited EX)。また、さらに上のクラスには、メルセデス・ベンツE220d 4MATICオールテレイン(938万円)があるものの、価格差は大きい。
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