CAR /
IMPRESSION
2021年11月22日
新型GR86 に試乗──常にドライブに高揚感を求めている人にオススメ|TOYOTA
「ドライバーの意のままに操れる“手の内感”」を追求したサスペンション
GR86は、実は、発表を目前に控えていた時点で、トヨタ自動車のマスタードライバーから、「ドライバーの意のままに操れる“手の内感”」や「限界域でのリニアな応答、キビキビした走り」を実現してほしいと注文が入ったため、リアサスペンションを設計しなおしたという凝りかた。
たとえばカーブを曲がるとき。BRZより操舵感が重く感じられるステアリングホイールを切り込んでいくと、すっと車体のノーズ部分がすばやくコーナーの内側を向く。ウルトラダイレクトな感じではなく、扱いやすさを重視しているのが、私は、このクルマの魅力だと思う。
その気になれば、チューニングパーツがどっさり用意されているので、サーキットを走りたい人とか、自分の好みのチューニングができる。これがスポーツカーの本当の楽しみだということが、メーカーはよく分かっているのだ。
価格だって279万9000円からと魅力的。買いやすい価格で楽しいクルマを作ってくれることで、トヨタ自動車もSUBARUも、自動車文化に貢献していることに感心する。
GR86は、スバルBRZより、分かりやすいスポーティさがある。常にドライブに高揚感を求めている人には、GR86がいいかもしれない。
あいにく、エンジン音が耳に心地よくないのと、インテリアの作りが事務的すぎるのが、画竜点睛を欠くというか……。スポーツシートなど作りはいいのだけれど、雰囲気的に、輸入車に乗ってきたような、大人のユーザーに受け入れられるか。微妙な感じではある。
2プラス2シーターとはいえ、フェラーリ・ポルトフィーノのように後席に乗るのは、大人にはムリ。でも荷物は置ける。週末に二人でツーリングを楽しむなんていう使い方にも向いているはずなので、インテリアの質感は大事だと思う。クルマ好きな広い層に勧めたい出来なので、そこが惜しいなあと私は思う。
問い合わせ先
TOYOTAお客様相談センター
Tel.0800-700-7700(9:00-18:00)
https://toyota.jp