ルノーのクロスオーバー、キャプチャーに試乗|Renault
CAR / IMPRESSION
2015年2月6日

ルノーのクロスオーバー、キャプチャーに試乗|Renault

Renault Captur Intens|ルノー キャプチャー インテンス

ルノーのクロスオーバー コンパクト、キャプチャーに試乗

ルノー「ルーテシア」をベースにしたコンパクトなクロスオーバーSUV、「キャプチャー」。激戦となっている小型SUVのなかでも、デザインはひときわ個性が光っている。2トーンのボディカラーや、ジッパー付きで脱着可能なシート表皮などを装備する上級グレードのインテンスに塩見 智が試乗した。

Text by SHIOMI SatoshiPhotographs by ARAKAWA Masayuki

才色兼備の実力派クロスオーバー

ルノー「キャプチャー」。東京モーターショー2013で日本初披露となり、そのまま発売となって以来、乗らなきゃ乗らなきゃとおもいつつ、なんとなく試乗する機会を逸していたのだが、今回乗って、どうしてもっと早く乗らなかったんだろうと後悔した。

だってこれ、激しくいい。基本骨格を共有するルーテシア自体、何モデルかある最良コンパクトカーの中のいちモデルだとおもうが、キャプチャーのほうがさらにいいと感じた。

Renault Captur Intens|ルノー キャプチャー インテンス

Renault Captur Intens|ルノー キャプチャー インテンス

どこが? その1。乗り心地。ルーテシアの車高を上げ、流行りのクロスオーバー モデルに仕立てられているが、乗った感じ、腰高な印象はまったくなく、なのにサスペンションストロークがルーテシアよりも豊富なのか、当たりがマイルド。価格を考えると極上の乗り味を提供してくれた。

といっても2014年を生きるクルマだから、さすがに往年のフランス車のように、例えばルノー キャトルやサンクのように、ヤワヤワで、横転寸前で粘っているかのように感じる姿勢変化はない。現代の基準で言うソフトライドという感じだ。


Renault Captur Intens|ルノー キャプチャー インテンス

ルノーのクロスオーバー コンパクト、キャプチャーに試乗(2)

ルーテシアをしのぐ乗り味

その2。動力性能が十分以上。パワートレーンはルーテシアと同じ1.2リッター直列4気筒直噴ターボエンジンと6段デュアルクラッチ トランスミッションの組み合わせで、FWD。車重は1,270kgとルーテシアよりも60~80kg重く、トランスミッションのギア比もそのままだが、最大トルク190Nm(19.4kgm)を2,000rpmという低回転で発揮するので、端的に言ってよく走る。

Renault Captur Intens|ルノー キャプチャー インテンス

Renault Captur Intens|ルノー キャプチャー インテンス

とにかくデュアルクラッチ トランスミッションを得てからのルノーのコンパクトカーはどれも活き活きしているのだ。

ルノーのデュアルクラッチの特徴は体感的な締結力が少し緩く、トルコン式ATに近い乗り味。クルマ好きはもう少しダイレクト感のある変速が好きかもしれないが、老若男女がさまざまなシーンで乗るクルマとしての、ルノーのひとつの見識だろう。

Renault Captur Intens|ルノー キャプチャー インテンス

キャプチャーは、ルーテシア同様、ローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏がルノーの新しいチーフデザイナーに就任してから始まったプロジェクトなので、新世代のルノー顔がボディ全体にしっくり溶け込んでいる。ピラーとルーフが別の色で塗られるツートーンカラーが設定されるのがキャプチャーの特徴。それありきでデザインされたフシもあり、似合う組み合わせだととてもカッコいいので、よく考えて色を決めたい。


Renault Captur Intens|ルノー キャプチャー インテンス

ルノーのクロスオーバー コンパクト、キャプチャーに試乗(3)

実用車を魅力的にみせるデザイン

多少背高なスタイルを利して、室内はなかなかルーミーだ。全高は1,565mm。古めのタワーパーキングだと杓子定規に1,550mm以上はNGを掲げるところもまだまだ多いが、そういうところでも1,565mmなら実際には問題なく入るだろうから、うまくやってほしい。責任はとれないが。

Renault Captur Intens|ルノー キャプチャー インテンス

Renault Captur Intens|ルノー キャプチャー インテンス

キャプチャーに触れていると、ルノーに「我々は価格なりにベストなクルマをつくった。あとは君たちがこれをどう活かす?」と問われているようだ。いいクルマといったって、ルノーなんだから磨いてガレージに置いておくようなシロモノではない。あくまで人やモノを満載してガンガンに使い倒してこそ真価を発揮する実用車だ。

運転するなら遠慮なくアクセルを踏み抜きたい。だってフランス車はデザインが独特で美しいから魅力的なのではない。実用車なのにデザインが独特で美しいから魅力的なのだ。パリでよく見るルノーのように、ちょっと汚れてるくらいが似合うんだって。

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Renault Captur Intens
ルノー キャプチャー インテンス

ボディサイズ|全長 4,125 × 全幅 1,780 × 全高 1,565 mm
ホイールベース|2,605 mm
トレッド 前/後|1,530 / 1,515 mm
重量|1,270 kg
エンジン|1,197 cc 直列4気筒 直噴DOHC ターボチャージャー付き
最高出力| 88 kW(120 ps)/ 4,900 rpm
最大トルク|190 Nm(19.4 kgm)/ 2,000 rpm
トランスミッション|6段オートマチック(6EDC)
駆動方式|FF
サスペンション 前|マクファーソンストラット
サスペンション 後|トーションビーム
タイヤ 前/後|205/55R17
ブレーキ 前|ベンチレーテッドディスク
ブレーキ 後|ドラム
価格│267.2万円

ルノー・コール
0120-676-365(9:00-18:00、年中無休)

           
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