新型スバルBRZに試乗──BRZと86、それぞれの個性がきちんと確立されていた|SUBARU
CAR / IMPRESSION
2021年12月9日

新型スバルBRZに試乗──BRZと86、それぞれの個性がきちんと確立されていた|SUBARU

トヨタ86と、このスバルBRZと、どっちが速いか

新型BRZでは、リアサスペンションのスタビライザーを車体側に取り付ける方式に変更。それによって、ロール量の低減を実現したと開発者は言う。加えて、スプリングとダンパーの特性を見直し、操縦安定性を高め、さらに、トップマウントと ダンパーのブッシュの“こじりバネ特性”を低減し、サスペンションがストロークしたときのフリクション低減を目指したそうだ。
もちろん、ステアリングホイールは鈍でなく、車体の追従性はいいし、しっかりとダンピングが効いたサスペンションシステムのおかげで、コーナリングが得意科目であるのに変わりはない。
低重心化のため、軽量素材も使われている。たとえば、アルミニウムをルーフ、フロントフェンダー、フロントサスペンションハウジング、ボンネットに採用。
「異種の金属では溶接の界面にもろい化合物ができてしまい、すぐにはがれてしまうという問題」(スバル)に着目して、5つの工法を適宜使い分けることでアルミニウムのルーフを鉄のボディに結合しているというから、感心する。
マニュアルシフトは節度感があって、操作が気持ちよいし、ゲートの間隔は短いものの、ミスシフトはしにくい。クラッチも強そうで、エンジン回転を高めに保ちながら変速していくのが実に楽しい。
エンジントルクは下の回転域でやや薄めと感じられるので、3000rpmから上を保つようにして走るのにはマニュアルがぴったりだと感じられた。私はトルクが薄めのクルマをマニュアルで乗るのが大好きなせいもあって、いいなあと感じ入った次第。
トヨタ86と、このスバルBRZと、どっちが速いか。レーシングドライバーのあいだでも意見が別れるようだ。要するに、2つのモデルの個性がきちんと確立されているということである。
2プラス2であり、後席は人が乗るには窮屈であるものの、荷物が置けるメリットは大きい。かつ前席に設けられたレバーで後席シートバックが簡単に倒せるので、荷室とのトランクスルー機構を使えば、荷物はそれなりに収納できる。新型は実用性の面でけっこう細かい配慮が行き届いている。
価格は今回試乗した「S」が326万7000円から、「R」が308万円からとなる。タイヤが「S」は215/45R17で、「R」が215/40R18のハイパフォーマンスタイプ。「S」では、オーディオのスピーカーの数が6に対して8になったり、前席シートヒーターが装着される。快適装備はあまり大きな差はない。

Spec

SUBARU BRZ|スバル BRZ(スペックはSモデル)

  • ボディサイズ|全長4,265×1,775×1,310mm
  • ホイールベース|2,575mm
  • トレッド前/後|1,520/1,550mm
  • 最低地上高|130mm
  • 車両重量|1,270kg
  • エンジン|2,387cc 4気筒水平対向
  • 最高出力|173kW(235ps)/7,000rpm
  • 最大トルク|250Nm(25.5kgm)/3,700rpm
  • トランスミッション|6段MT/6段AT
  • 駆動方式|後輪駆動
  • サスペンション前|ストラット
  • サスペンション後|ダブルウィッシュボーン
  • ブレーキ|ベンチレーテッドディスク
  • タイヤ|215/40R18
  • 価格|(MT R)308万円、(MT S)は326万7000円
  •    (AT R)324万5000円、(AT S)は343万2000円
問い合わせ先

SUBARUコール
Tel.0120-052215
https://www.subaru.jp/

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