BMW の最上級SUV「X7」に試乗|BMW
CAR / IMPRESSION
2019年6月27日

BMW の最上級SUV「X7」に試乗|BMW

BMW X7|ビー・エム・ダブリュー X7

オンオフを問わない高級SUV

BMWのSUV(同社ではSAV)ラインナップにおける頂点に位置するモデルとして2018年10月にデビューし、このほど日本へも導入された「X7」。北米で700kmにおよぶテストドライブを行ったモータージャーナリスト、金子浩久氏によるインプレッションをお送りする。

Text by KANEKO Hirohisa

キャデラック エスカレードやメルセデス・ベンツ GLSと変わらぬ存在感

これだけ世の中にSUVが増えてくると、おのずとキャラクターの違いが明らかになってくる。

ランドローバーの各車はやはりオフロードの走破性能が優先されているし、BMWのXシリーズ各車はオンロードを第一に考えられている。X4などはスポーツカー顔負けの走りっぷりを示して、開発者もそれを認めているほどだ。

ビー・エム・ダブリュー X7

ビー・エム・ダブリュー X7

しかし、そんなオンロード第一といえるBMWのSUV群に新種が現れた。「X7」である。文字通り「X5」よりも大きい。現行のBMWのSUVの中で最も大柄になる。ボディサイズは、全長5151x全幅2000×全高1805mm、ホイールベースは3105mm。BMW初の3列シートを標準装備している。

そのX7にアメリカで乗った。メキシコとの国境の町であるテキサス州エルパソから西へ向かい、ニューメキシコ州を抜けて、アリゾナ州スコッツデイルまでの約700kmを半日で走った。

運転したのは、340psを発する6気筒ガソリンターボエンジンを搭載する「X7 xDrive40i」。

ビー・エム・ダブリュー X7

ビー・エム・ダブリュー X7

アメリカで見ても、X7は大きい。キャデラックの「エスカレード」やメルセデス・ベンツの「GLS」と変わらない存在感がある。大きさだけでなく、上下にハミ出るほど存在を主張しているフロントグリルや各部分のクロムメッキなどが目立っている。

大型だからスペースに余裕があり、車内も至れり尽くせりだ。これまでのX5やX6などの機能的なインテリアの造形にプラスして豪華さも付け加えられている。例えば、シフトレバーのグリップはクリスタルガラス製だ。ウッドや革の配し方などもゴージャス志向。

メーターパネルとセンターコンソール上のモニターは、ともに12.3インチの大型液晶。メーターのロジックも新型3シリーズと共通する、バーチャルのスピードメーターとタコメーターの針がそれぞれ左右の端から回るという新しいものだ。

BMW X7|ビー・エム・ダブリュー X7

オンオフを問わない高級SUV(2)

開発陣が注力したのは乗り心地と静粛性

エルパソの街中から高速道路に乗り、一路、西を目指した。

最初に感じられたのは、ソフトで大らかな乗り心地だ。どちらかというとフラットで硬めの乗り心地を指向してきたはずのBMWとしては、異例にソフトな感覚だ。

ただ、そのソフトさも不快ではまったくなく、むしろ余裕や心地良さを伴った抑制の効いたもので、大型SUVというX7のキャラクターにとても良く合っている。進化したエアサスペンションの効能が大きいのだろう。

ビー・エム・ダブリュー X7

ビー・エム・ダブリュー X7

プロジェクトマネージャーのヨルグ・ブンダー博士は、X7の開発で最も注力したのは「乗り心地と静粛性だ」と語っていた。その狙いは十分に達成されていると思う。700kmの移動がまったく苦にならずに行えたからだ。

走行モードがコンフォート、アダプティブ、スポーツ、スポーツプラスと4つ用意されている。コンフォートでも、アダプティブでも快適さは変わらなかった。コンフォートはスピードが50マイル前後に達するとダンピングが引き締まってくる様子が体感できる。スポーツとスポーツプラスは常時、引き締まっているので走る場所と状況を選ぶだろう。

ビー・エム・ダブリュー X7

ビー・エム・ダブリュー X7

X7はボディが大きな分、重量も2500kgもある。しかし、エンジンがパワフルなだけでなく、8段ATが賢いこともあって、加速にも不満は感じなかった。日本仕様はディーゼルエンジン版も設定されるので、違いが気になるところだ。

BMW X7|ビー・エム・ダブリュー X7

オンオフを問わない高級SUV(3)

Xシリーズの幅を大きく広げた

X7の運転支援機能も大幅にアップデイトされていた。

アメリカの高速道路なので、直線路主体の空いた道を淡々と走り続けることになる。その際に強い味方となってくれるのがACC(アダプティブクルーズコントロール)とLKAS(レーンキープアシスト)などの運転支援システムだ。

ビー・エム・ダブリュー X7

ビー・エム・ダブリュー X7

ACCは設定した車間距離と最高速度を維持し前車に追従しながら走ることができる。筆者は、自分のクルマでも試乗車でもACCを必ずONにして走るようにしているが、アメリカで高速道路を長距離走るような場合にこそ絶対に必要なものと考えている。実際に、X7でも可能な限り、ACCを用いた。車間距離や速度を調整することをある程度クルマに任せることができるので、その分の自分の脳のキャパシティが空くので、確実に疲労が少なかった。

同じように、LKASも長距離走行を安全かつ快適になるようサポートしてくれた。BMWのLKASは新世代に更新されたようで、新型3シリーズからもそれは感じられた。白線を越えようとすると、かなり強い力で戻される。右コーナーと左コーナーとでもアシストの強弱や作動時間も異なっている。実にキメ細かい制御となった。

繰り返すようだが、ACCもLKASも運転をサポートしてくれ、疲労を軽減し、事故を未然に防いでくれる。今回のような長距離ドライでこそ、その効能が最大限に生かされる。フロントガラス越しに広がるアメリカ南西部の広大な絶景を堪能しながら走ることができた。

ビー・エム・ダブリュー X7

ビー・エム・ダブリュー X7

ただ、ひとつ心残りだったのは、オフロードを走れなかったことだ。X7はほぼ同時期にモデルチェンジしたX5とともに、車高を5段階に変えられる初めてのBMWのSUVとなったので、4輪駆動システム「xDrive」と併せたその実力のほどを試してみたかった。ブンダー博士にそれを伝えると、「それは残念だった。きっと満足してくれたと思う」と自信のほどを伺わさせていた。

いずれにしても、大型ボディと3列シートに注目が集まるであろうX7だったが、このクルマの本質はX4や先代X5、そしてX6のようなオンロード志向の強いSUVではなく、オンオフを問わないオールラウンダーであることが分かった。最新の運転支援デバイスを備え、乗り心地と静粛性に秀でた快適性の高い高級SUVである。Xシリーズの幅を大きく広げるものに仕上がっていた。

問い合わせ先

BMWカスタマー・インタラクション・センター

0120-269-437(平日9:00-19:00、土日祝9:00-18:00)

           
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